鉄血のオルフェンズ感想 50話 バエルと彼らの、敗因。 
2017/04/02 Sun. 23:32 [edit]
近場だったので最終回記念イベントのThe Last Flag、展示だけ見てきました。
本編の内容への検討とか考察とか、どうなんでしょ。
(コメント返せてなくて申し訳ないです。)
本編は余韻も楽しむものなのかなと見ていて思ったので、今の感想を書いておきます。
鉄は、熱いうちに。血も鉄も冷めると固まっちゃいます。
表題の答えを先に言っておきます。
「伝説のガンダムを手にしていたから」。
感想書いてるうちに気づいてしまったので急遽ねじ込んだ表題。
ガンダム持ってたから負けた?なにそれ?
の答えは、ひとまずおきます。まず感想。
なんていうか。。。。
終わり良ければすべて良し、なんでしょうかね。
まー熱い最終回でした。
話を流しながらBGMとしてかかるOPEDには燃えに燃えに燃えて、見終わった時に思わず万札引っ掴んでサンプラザのThe Last Flagイベントに行きたくなりました。(すぐ近くの場所で書いてます)
※券を物理的に買えなかったので断念しています。外の展示は見てきたけど。
オルガもミカもガンダムも全部散ったわけですが、彼らの死まで、まあうまいこと活用されたなって感じでした、
オルガは一番輝いた状態で綺麗なまま死んで、この先のみんなに役割を残しました。
ミカとバルバトスは火星の暴王として、まさにラスボス的に討たれました。
他のガンダムも程よく活躍して程よく一矢を報いて、程よく特性を殺されて散っています。
死んじゃうから悲しい、のだけれど。
一番輝いてるタイミングでかっこよく死んでるから、生き恥の晒しようがない。
マッキー?
ほら言ったじゃん。バエルは強かったんだよ!!!!
活躍しなかったって?
これ、今回見てていいなって思ったんですが、活躍させてもらえなかっただけです。
脚本に、ではなくて、ラスタルに。
前回で「こうすればラスタル危ないだろ」って色々書いたんですが、今回を見ているとラスタルはちゃんと対策をしています。
49話でバエルが散った時も、ラスタルは動じず「対決の邪魔をさせるな」とまで言い放ちます。
実際、旗艦に突っ込まれてもビビる描写が出てこない(ビビってたのかもしれませんが描写がない)。
…って書いててふと思ったんですが、シノのフラウロス、劇中で唯一ラスタルをビビらせていたように思います。
最終話の展開を見ていると、ダーインスレイヴ奪いに行ったりバエルとバルバトスの2機がかりで突っ込んでも、ラスタルにはそれなりに対処をされて返されてた気がするんですよね。
ラスタルが唯一「やべえ想定外だよ」という顔をしたのは、シノが突っ込んだ時のみ、だったと、思う。
これはうまいなーと思いました。
劇中で子供達が生きようとして懸命にあがいて、持ち前の戦闘力と途中で手に入れた超兵器で頑張る。
んだけど、ノリと勢いでは絶対に勝てない最強の相手だったのがラスタル。
鉄華団もマッキーも負けるべくして負けるし、ラスタルの強さには、仮にモビルアーマーが出てきたとしても同じ結果だったろうと思わせるだけの説得力がある。
ラスタルが憎たらしいのは、鉄華団やらマッキーやらの孤児たちの死をちゃんと意味のあるものにしたこと。
うん、まあ、結果オーライなんだけど。ちゃんと大人が大人の準備をして勝って俺なんかは安心はしたんですが。
「生贄だよ」とか言葉に出して言ってしまってたので、彼には随分ヘイトがたまっていきそう。
一方、今回を見てると、あの生贄発言を録音してオルガが反撃に使ってたら…などとは考えてしまいます。
そしたら、ラスタルそこで笑うと思うんですよ。「フッ」って。
あのおっさん、気概があって頑張る子どもの足掻きとか頑張りをちゃんと見ている。
なので、オルガのその賢さを正当に評価していたように思います。
オルガが計画通りに脱出していたら、案外全員見逃してもらえていた可能性すらあります。
アカツキの手にミサンガが戻っているので、ジュリエッタは恐らくミカにとどめを刺していません。
ミカに止めを刺さない代わりの措置が、あの晒し首だったようにも思います。
※アトラが腕にミサンガをしているのが確認できたので、アカツキのものは「新たに作られた」もののようです。
クーデリアのものは劇中で確認できず。
だから、マッキーがバエルと阿頼耶識なんて安易な方向に行っちゃって彼は実はとても残念だったのではないでしょうかね。
そういう大人の下で役割を与えられ、2期冒頭、蝶を食うような野人として登場したジュリエッタがクーデリアのような「革命の女騎士」として育っていく…
うん、教育とか環境って大事。
逆側から見た話だったからイラつくってだけで笑
世界自体も孤児たちが望んだように変わっていて、鉄華団を苦しめていた要素はだいたい消えています。
飯のタネも教育の機会も不公平な制度の撤廃も、なにかの時に発言する正当な政治手段の確保も、全部出来ている。
ギヤラルホルン改革されたし。
「圧倒的な英雄の力でギヤラルホルンが変わる」、もジュリエッタが成してましたね。
ジュリエッタ、といえば。
ここで、やっと表題です。
最終回まで見て、2期のテーマがわかったように思います。
ってか多分、1期から鉄華団の悲劇はある程度予定されていたのでしょうが。
終わってこうやって書いてきて振り返ると、どうも、2期のすべてはジュリエッタ伝説のための最初からの布石だったように思います。
マッキーはバエルとガンダムとアグニカの伝説のことをひたすら言っていて、実際それらは伝説の名に恥じない強さも持っていたのですが、
ジュリエッタ伝説から見ると、かすむ。
ジュリエッタが何をしたのかなー、というと
伝説の禁忌の力を使ったパイロットが操る、MAをも凌ぐ力で暴れまわる悪魔のような伝説のMSを、量産機のカスタム機に乗った個人が倒しています。
乗り手は、あの世界では珍しく、女のパイロットです。
女の人のパイロットはともすれば蔑まれる地位であることは、タービンズがゆる〜く示していましたね。
ジュリエッタは阿頼耶識を埋め込まれているわけでもなく、門閥に連なるものでもありません。
つまり、
素性も定かでない孤児の女の子が、阿頼耶識に頼らず努力して量産機で伝説のガンダムを倒した
わけです。
ジュリエッタ伝説に比べてしまうと、マクギリスは昔のアグニカの真似をしたにすぎない人になります。
もちろん、マッキーも十二分に頑張ったのだけど。
300年後の世界でアグニカ伝説を上書きしたのは、マッキーではなくジュリエッタです。
こうして見ると、あの話でのガンダムの位置付けや、MAが出てきた意味とかが、見えてきます。
ガンダムは伝説の機体なんだけど、伝説であるがゆえに、最後に打ち倒される対象になってしまったわけです。
つまり、孤児たちが変えたかったあの歪んだ世界のラスボスは、皮肉にも彼ら自身が手にした力そのもの。
バルバトスが「レクス」の名を与えられてティラノサウルスを彷彿とさせる姿になったり(※)、最後の戦いで尾を使うたびにMAのような鳴き声を発したり、最後にバルバトスの悪魔のような本性を解放して「人ではない」戦い方で討たれたりしたこと、この辺りは象徴的なのかなーと思います。
※なお、バルバトスの最終形態についてはこの解釈の方が正しいように思います。
ルプス=狼、レクス=王、「狼王ロボ」ですな https://t.co/AyLVXaQq7A
— RJI (@rji15) 2017年4月2日
滅びゆく恐竜じゃないや狼でもあるのだけど(※)。
「尾をどう使ってたかな?」とか見返すと、ジュリエッタにはより重要な役割があったことに気づきます。
これ。バルバトスの最後の突撃から、首を取られるまで。
両手飛ばされて尾が最後に残ったのかな?と思ったけど、違う。
お気づきでしょうか?
首を取られてうわぁ。。。なんだけど、
ジュリエッタ、首を刎ねていないんです。
首描写にも、実は不自然なものが付いている。
やけに生々しくておどろおどろしいですよね。
これ、血の効果もあるんだけど
ここ。
コレ。
で、突撃のコレ。
ピンと来た方、大正解だと思います。
つまりコレ。
出典:https://pbs.twimg.com/media/CdbDz9RUYAAjySz.jpg
そうです。尾が途中から阿頼耶識コネクターの形になる。
ジュリエッタは確かに、MA殺しの機体も、ガンダム伝説も、火星の暴王も、恐竜みたいな古い種も殺してるんだけど、
一言で言うと、
ジュリエッタ=阿頼耶識を終わらせるための人
だったと思うんです。
ということで、表題の答えというか結論。
2期は阿頼耶識を殺す(=ガンダム伝説を終わらせる)ための物語だったと思うのです。
ガンダム伝説は全て阿頼耶識を前提としているから、そりゃ無理です。ジュリエッタに勝てるはずがない。
阿頼耶識を使ってないやつが阿頼耶識を超えない限り、伝説のリメイクでしかない。
もう少し振り返ると、
フミタンがクーデリアに見た「革命の乙女」、今見返すと面白いなあ。
— さわK(Kei Sawada) (@chiqfudoki) 2017年4月2日
記号的要素が大体ジュリエッタに受け継がれている。#g_tekketsu pic.twitter.com/YZTzFGY7af
があります。
つまり、鉄華団に立ちはだかったのは
・革命の乙女の性質 と
・孤児たち(鉄華団&マクギリス)自身によく似た性質
を持ち
・アグニカ伝説を超える伝説を超える物語を打ち立てる
ためのキャラだったわけです。主要キャラの全員を食ってるw
だからこそ、「戦場で命の糧を得た」、マッキーを含めた孤児たちの物語の幕を引くのに相応しかったことになります。
鉄華団にしても、阿頼耶識を最大限に利用していたけど、彼らが望んでいたのは阿頼耶識がなくて済むような世界です。
世界は彼らにとって望ましい方向に変わり、各地に散った彼らの残党は少なからぬ政治的影響力を持って育ちつつあります。
流された血は地面に染み込んで、礎として固まりました。文字通りに鉄のように。
まずはハッピーエンドなのではないでしょうか。
死んでしまった人たちも多いのだけど、彼らは一番熱かった姿を美しいまま記憶していてもらえる。
人がいつか死ぬ以上、それはそれで幸福なことだと思います。
では、彼らの死に意味がないのか?彼らは幸せではなかったのか?
その答えは、彼らの物語を見届けてきたあなたにはもう、「言うまでもない」ことだと思います。
みんな だいすき てっかだん#g_tekketsu pic.twitter.com/RtnGwjWRFS
— さわK(Kei Sawada) (@chiqfudoki) 2017年4月2日
ということで、私のオルフェンズ感想もひとまず終わりとします。
また気づいたら何か書くかもですが。
いきなり出てきて書きたいことだけ書いていくヤツに、ここまでお付き合いありがとうございました。
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コメント
ジュリエッタなー
声優演技へただし・・・
言動深みないし・・・
もっとなんとかならなかったのかね
#- | URL
2017/04/03 20:16 | edit
はじめましてギラガ改です。 少しコメントを書かせてもらいます。
>ジュリエッタ=阿頼耶識を終わらせるための人
私もそう感じました。ただそうするなら明確に三日月のライバルとして位置付けて欲しかったですね。
あとジュリエッタは、(アイン・カルタ・マクギリス)の要素をつぎ込み、さらにクーデリアが捨てた「革命の乙女」(最終回で火星の議長になっていたけど..)を足したキャラクターだと最終的に思いました。
ギラガ改 #- | URL
2017/04/03 20:38 | edit
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