「我々は取引材料ではない」 英国のEU離脱交渉でジブラルタル自治政府首相
英領ジブラルタルのファビアン・ピカルド自治政府首相は2日、英国の欧州連合(EU)から離脱に向けた交渉でジブラルタルが「取引材料」にされるべきではないと述べた。EUがジブラルタルの地位について英国のスペインの合意が必要としたことを受けた。
一方、スペインのアルフォンソ・ダスティス外相は、スペイン政府が英国政治家たちの口調に「驚いている」と述べた。同外相はマドリードで開かれた会議で、「英国は冷静沈着で知られた国だ」と語った。
英国の元保守党党首ハワード卿は2日、英国が35年前に南米のフォークランド諸島を守ったのと同じように、ジブラルタルを守る意思があると述べていた。
ジブラルタルのピカルド自治政府首相は、「これは非常に明確にしておきたい。マドリードやブリュッセル、欧州連合内の全ての首都で明確に理解しておいてほしい。ジブラルタルは交渉の取引材料ではない。ジブラルタルはジブラルタル住民のもので、我々は英国人であり続けたい」と述べた。
テリーザ・メイ英首相は、英国はジブラルタル領に対して「コミット」しており、同領の主権は交渉に含まれないと語った。
EUが先月31日に発表した文書は、「英国がEUから離脱した後は、スペインと英国の合意がないままEUと英国との合意内容がジブラルタル領に適用されることはない」と表明している。
ジブラルタルは、スペインが政治的な意図を持って欧州委員会を操作していると非難した。スペインがあるイベリア半島の南端にあるジブラルタルは300年前から英国領だが、スペインは長年異議を唱えてきた。
ジブラルタルの人口は約3万人。