訃報は不意に、そして突然に届くものです。

だから、様々な事情で通夜にも告別式にも出れない時があります。

或は、訃報を知ったのが葬儀が終った後だったということもあるかもしれません。


「訃報」を後で知った時、どう対処すればいいのでしょうか?


お悔やみを伝えること。

香典のこと。

供物・弔問のこと。

などなど、様々なことに思い悩んでしまいます。


例えば、

香典は「郵送」で送っても構いません。

ここでは、一般的な「訃報」を後で知った時の対処法について詳しく、ご紹介いたします。

しっかりと対処することで、葬儀後でも、ご遺族へ配慮あるお悔やみを伝えることができます。

この「対処事典」を読んで、訃報を後で知った時の対処法を身につけて下さい。

-- この記事の目次 --
1.訃報を後で知った時の5つの「対処法」
2.訃報を後で知った場合の「手紙」は「こう」書きます
3.訃報を後で知った場合の「弔電」の対処法
4.訃報を後で知った場合の「香典」の渡し方
5.「供物と供花」 知っておきたい葬儀後の「供物」と「供花」のマナー
6.後日「弔問」に伺う際、知っておきたいこと
まとめ
   

1.訃報を後で知った時の5つの「対処法」



「訃報を後で知ったけど、どうすればいいの?」 こんな悩みの解決法です。

まず、確認しなければいけないチェク事項。

それは、「訃報」のお知らせを何時頂いたのかと、どんな経緯でお知らせを受けたのかです。

  1. 訃報を知ったのは「通夜」前。

    「通夜」「告別式」には参列できない
  2. 訃報を知ったのは「通夜」後。

    「告別式」には参列できない
  3. 訃報を知ったのが「葬儀」後。

    四十九日前
  4. 訃報を知ったのが「葬儀」後。

    四十九日後
  5. 訃報を知ったのが「葬儀」後。

    友人・知人から
  6. 訃報を知ったのが「葬儀」後。

    遺族の欠礼状で
1.と2.については、何らかの事情で葬儀に参列できない。

3.〜6.が、「訃報」を後で知り、葬儀に参列する機会が無かったと、いうことになります。

 

通常、葬儀に参列できない(しなかった)場合の「お悔やみ」=「弔意」の伝え方は次の5つがあります。

 1. 手紙  2. 弔電  3. 香典  4. 供物・供花  5. 弔問 この5つの伝え方、訃報を知った時期違いで、対処法が微妙に異なります。

2.訃報を後で知った場合の「手紙」は「こう」書きます



「訃報」を後で知った場合、弔意(お悔み)を、どう伝えればいいのでしょうか? 

「弔意」を伝える手法は色々ありますが、 「訃報」を後で知ったという観点からいえば、「お悔みの手紙」こそが、一番ご遺族に「お悔やみの想い」を伝えられるだけではなく、参列できなかった「お詫び」も述べることが出来る手法です。

    では、「訃報」を後で知った場合の対処法としての「お悔みの手紙」の書き方と、ポイントを解説いたします。

 

通例としては、 【書き出し】→【お詫び】→【励まし】→【香典の同封】 の順で書きます。

 

ポイント1.冒頭からお悔やみの言葉で書き始めて下さい

1.拝啓、謹啓等の「頭語」は書きません 2.季節をあらわす「時候」の挨拶文はいりません 書き出しの文例です。

通常は縦書きですが、ページ構成上で横書きにしています
  • 「御尊父様御他界なされた由、ただ驚くばかりで、お慰めのことばもありません。」
  • 「ご母堂様ご急逝とのお知らせに接し、申し上げる言葉がありません。」
  • 「◯◯様の突然の訃報に接し、言葉を失っています。」
  • 「ご主人のご逝去を、心からお悔やみ申し上げます。」

ポイント2. 弔問に伺えない(伺えなかった)お詫びを述べて下さい

1.弔問に伺えない(伺えなかった)理由を簡潔に述べます 2.祝い事と重なった場合は「やむを得ない事情で」と書きます 遠方にお住まいの方や、出張などの時の表現例です。

  • 「遠方住まいしておりまして、・・・」
  • 「幼い子供を連れての急な長旅もかなわず・・・」
  • 「あいにく多端な出来事を抱えており・・・」と表現します。

訃報の受取りが葬儀終了ご知った場合のお詫び表現例です。

  • 「ご無沙汰しており、○○様の不幸を存知あげず、お悔やみも申しあげず失礼いたしました」
と、時間が経ってしまった非礼を述べて下さい。

ポイント3. 励ましや、遺族を気遣うことばを掛けて下さい

1.心や心情へのいたわりが、ご遺族を元気づけます。

2.ご遺族の身体への心遣いも忘れないで下さい。

励ましや、遺族を気遣う表現例です。

  • 「お嘆きのあまり、お体にさわりなど、ございませんよう、ご自愛のほど、お祈り申し上げます」
  • 「○○様のご落胆は察するにあまりありますが、幼いお子様たちのたちのためにも、くれぐれもご自愛下さい」
  • 「お力落としと存じますが、どうぞお気を強くお持ちになり、くれぐれもご自愛下さい」
 

ポイント4. 「香典」を同封する場合は、その点についても触れて下さい

1.香典を同封する場合は、大きめの「現金書留用」封筒で送って下さい 2.必ず郵便局の窓口から「郵送」して下さい。

香典を同封する場合の文例です。

  • 「わずかばかりですが、御香料を同封いたしましたので、御霊前にお供えいただきたく、お願い申しあげます」
  • 「同封のものは、まことに些少ではありますが、○○様の御霊前にお手向けください」
  • 「心ばかりのものを同封いたします。

    御霊前に故人のお好きだったものをお供えいただければと存じます」
 

ポイント5. 故人との関係別の書き出しの例です

父を亡くした知人の場合
  • 「御尊父様御他界された由、ただ驚くばかりです」
  • 「御尊父様の御逝去、誠に御愁傷様でございます」
母を亡くした知人の場合
  • 「ご母堂様ご急逝とのお知らせに接し、ただ驚いています」
  • 「御母上様後逝去の報に接し申し上げる言葉がありません」
夫を亡くした友人の場合
  • 「ご主人のご逝去を、心からお悔み申しあげます」
  • 「ご主人の不慮の災禍での訃報にただ驚いています」
妻を亡くした友人の場合
  • 「ご令閨の悲しい報せを受けとりました」
  • 「奥様が急逝されたとの報に接し、とても驚いています」
親戚、親族の場合
  • 「お義兄さまの突然の悲しいお知らせにぼう然としています」
  • 「○○さんご逝去のお知らせを承り、息がつまるほどの衝撃をうけております。

    故人には生前・・・・」
取引先・会社宛ての場合
  • 「○○株式会社、○○社長の御霊に、取引業者の一員として、謹んでお別れのことばを申しあげます」
  • 「貴社取締役○○様のご逝去の報に接し、悲しみを深くしております。

    ご生前は格別の厚情を賜り、今の弊社がございますのも・・・」
 

ポイント6. その他の「お悔やみの手紙」の注意点です

便箋、封筒、ペンにも細やかな配慮が必要です。

  • 便箋は原則「真っ白」なものを使用して下さい。

  • 枚数は2枚になると、「重なる」に通じますので、1枚でおさまるようにします。

  • 書式は「手書き」の「縦書」です。

  • ペンは、黒インクのボールペンや万年筆。

    地方によっては、薄墨で書くところもあります。

    カラーペンなどで書くことは控えて下さい。

  • 封筒も、不幸が重ならないように「二重封筒」は避け、一重のものを使用して下さい。

ポイント7. 忌み言葉は使わないで下さい

お葬式や、「お悔みの手紙」では、使ってはいけない言葉があります。

「忌み言葉」といい、言霊(ことだま)の力によって不幸が再び起きてしまうと言われているものです。

重ね言葉としての忌み言葉
  • 重ね重ね
  • 重々
  • たびたび
  • 次々
  • 再三
  • 返す返す
繰り返すことを連想させる忌み言葉
  • 再び
  • 再々
  • 続く
  • 引き続き
  • また
他に、「死去」「ご存命中」などの直接的な言葉や、「四」「九」などの縁起が悪い数字も忌み言葉に含まれます。

3.訃報を後で知った場合の「弔電」の対処法

 

弔電は、葬儀に参列できない時に送るお悔やみ電報のことです。

こんな時に、弔電を送ります。

訃報を受取ったのが、 1.訃報を受取ったのが「通夜」の前ですが、「通夜」「告別式」には参列できない場合 2.または、「通夜」後に「訃報」に接し「告別式」には参列できない場合 3.故人や遺族の勤務先(会社・職場)や所属していた団体・組織が送る場合 訃報を後で知ったケースでいえば、2.が該当します。

ただ、いずれの場合もやむをえない事情で通夜・葬儀に参列できない時です。

では、2の場合の対処法も含め「弔電」について解説します。

 

ポイント1.  「弔電」は葬儀に確実に間に合わすこと

1.弔電は葬儀開始時間より2〜3時間前に届くように依頼する 2.弔電は通夜・告別式が行われる場所に送ります。

できれば前日に届くのが望ましいのですが、どうしても前日に間に合わない場合は、告別式の開始時間より2〜3時間前に届くようにして下さい。

  • 宛名は葬儀責任者となる喪主宛に送ります。

  • 喪主の氏名がわからない場合は故人のフルネームを書きます。

  • 「○○ ○○○ ご遺族様」 「○○ ○○○様 遺族ご一同様」 「○○ ○○○家 ご遺族様」などと書いて下さい
  • 送り先は、葬儀がとり行われる斎場、自宅などの住所に送ります
社葬は、企業・団体が主催します。

部署宛、葬儀責任者宛、主催者(個人・グループ)宛になりますので、事前確認が必要です。

また、主催者から弔電の受付に関して、会場宛や指定場所の記載が示される場合もあります。

会社として弔電を送る場合は、葬儀を行う葬儀社の名前を調べておくと、供花などの手配の際に全体のバランスで配置してもらえます。

差差出人の明記も故人との関係で違ってきます。

弔電を受取る側にとって、どんな関係の誰から届いた弔電なのかを判別できるようにすることもご遺族への心遣いです。

例えば恩師の場合でしたら、「○○高校○○年卒業」などと明記することが大事です。

会社名で出す場合は、会社名だけではなく社長名もいれます
  • 「肩書き」や「関係」の他、個人、連名、部署情報等を入れますと、ご遺族の葬儀後の対応がラクになります。

  • また、名前にふりがな、住所、電話番号等も加えるという配慮もご遺族の葬儀後負担を軽くします。

 

ポイント2. 「弔電」の文例も、個人と取引先では違います

「弔電」で使われる敬称も含め、個人と取引先では文例も異なります。

「弔電」で使われる敬称です
  • 実の父:ご尊父[そんぷ]様、お父様、お父上(様)
  • 妻の父:ご岳父[がくふ]様
  • 実の母:ご母堂[ぼどう]様、お母様、お母上(様)
  • 妻の母:ご岳母[がくぼ]様、ご丈母[じょうぼ]様
  • 夫  :ご主人様、ご夫君様
  • 妻  :ご令室[れいしつ]様、ご令閨[れいけい]様、奥様
  • 祖父 :ご祖父様
  • 祖母 :ご祖母様
  • 息子 :ご子息(様)、ご令息(様)
  • 娘  :ご息女(様)、ご令嬢(様)、お嬢様
  • 兄  :お兄様、ご令兄[れいけい]様、名前「○○様」
  • 姉  :お姉様、ご令姉[れいし]様、名前「○○様」
  • 弟  :御弟様、ご令弟[れいてい]様、名前「○○様」
  • 妹  :御妹様、ご令妹[れいまい]様、名前「○○様」
  • 取引先:故人が取引先の親族の場合は上記同様。

故人が直接関係の場合は、社長様、会長様、御社○○様、貴社○○様と、役職、肩書きの敬称とします。

弔電での忌み言葉は、手紙の時と同様、忌み言葉を使用しないのがマナーです。

重ね重ねなどのくり返し言葉や、再びなどのくり返しを連想する言葉の使用は避けて下さい 弔電サービス会社では様々な文例を用意していますが、事前にメッセージ文を用意しておくと、発注がスムーズにいきます。

一般的で文字数が少ない例
  • 「ご逝去の報に接し、心からお悔やみ申しあげます。」
ご尊父様例
  • 「ご尊父様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。」
ご母堂様例
  • 「ご母堂様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。

    お慰めの言葉もございません。

    今はただ、心から、ご冥福をお祈りいたします。」
弔問欠席例
  • 「お悲しみに対し弔問かなわぬ非礼をおわびし、謹んで哀悼の意を表します。」
企業向け例
  • 「御社社長様のご訃報に接し、ご生前のご功績を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。」
 

ポイント3. 「弔電」サービスを考慮して選択して下さい

通信各社を含め、「弔電」を扱っている企業は20社を超えます。

どこに頼むかの選択基準は色々ありますが、『何故「電報」なのか』を考慮して選択して下さい。

「弔電」は、葬儀に参列できないけど、弔意を伝えたいから送るものです。

そこを第一義に、どこに頼むかを選択して下さい。

勿論、信頼感・安心感があることが大前提です。

  主要弔電取扱企業の項目別比較表です。

(台紙の種類は2000円以下のもの)
申込方法 受付時間 当日配達 料金 台紙 支払い方法
NTT東日本 西日本 電話115 ネット 8時~22時 19時まで  台紙料金    + 文字数料金 7種 クレジットカード電話料金から引き落とし 25文字まで660円追加5文字増えるごとに90円加算。

郵便局 日本郵便  レタックス 0120-953-953ネット 8時~22時 15時30分まで  台紙料金    + 文字数料金 7種 クレジットカード電話料金から引き落とし 15文字越えると5文字ごとに93円加算
ソフトバンクほっと電報 0120-998-789ネット 8時~22時 17時まで  台紙料金    + 文字数料金 9種 クレジットカード電話料金から引き落とし 25文字まで700円。

追加5文字ごとに90円加算
auKDDI  でんぽっぽ ネット 24時間 14時まで 台紙料金 6種 クレジットカードネット料金から引き落とし 400字まで無料
ヒューモ二― VERYCARD(ベリーカード) ネット 24時間 14時まで 台紙料金 12種 クレジットカード 350字まで無料 台紙料金1280円〜
電報屋エクスメール 楽天市場店 ネット 24時間 HP参照 台紙料金 7種 クレジットカード楽天バンク   銀行振込    コンビニ後払い 210字まで無料 台紙料金1280円〜

4.訃報を後で知った場合の「香典」の渡し方

 

香典は、故人への供養の気持ちを表わすもので、通夜、告別式に持参します。

どうしても、通夜、告別式に参列できない時は、参列する方や代理人に託して下さい。

では、訃報を後で知り、葬儀に参列できなかった場合の香典はどうお渡しするのがいいのでしょうか?  

ポイント1.「香典」は郵送でも大丈夫です

通夜、告別式に参列出来ず、代理人も立てることが出来ない場合は、弔電をうって、なるべく早く葬儀の香典を別途現金書留で送るようにします。

勿論、後日弔問する時にご持参することでも構いません。

訃報を葬儀後に知った場合の香典も、郵送・弔問で対応して下さい 香典を郵送する場合の留意点です。

1.香典を郵送する場合は、必ず現金書留にし、郵便局の窓口から送って下さい 2.現金書留封筒はコンビニ等では販売しておりませんので、郵便窓口かゆうゆう窓口で購入して下さい。

サイズは2種類あります。

119mm×197mm 約85gの「定形郵便」と、「定形外」の142mm×215mm 107gのもので、どちらも21円です。

定形郵便でも不祝儀袋は入りますが、大きめのサイズ不祝儀袋だと入りませんので、定形外封筒の購入をおすすめします。

  • 現金書留料金は1円〜1万円までが430円。
  • それ以上は5000円ごとに10円追加になります。
  • それに、g数に応じた定形外郵便料金が加算されます。

現金書留の料金表です
通常郵便料金 現金書留料金 10,000円 30,000円 50,000円 100,000円
定形郵便 25g以内 82円 430円 512円 552円 592円 642円
定形郵便 50g以内 92円 430円 522円 562円 602円 652円
定形外郵便 50g以内 120円 430円 550円 590円 630円 680円
定形外郵便 100g以内 140円 430円 570円 610円 650円 700円
定形外郵便 150g以内 205円 430円 635円 675円 715円 765円
定形外郵便 250g以内 250円 430円 680円 720円 760円 810円
定形外郵便 500g以内 400円 430円 830円 870円 910円 960円
 
郵送する場合の不祝儀袋の「表書き」の書き方


宗教、宗派、法要の時期に合わせて、不祝儀袋の表書きを書きます。

ここでの留意点は訃報を知った時です。

訃報を知ったのが、或は、郵送が届く日が、「四十九日」以前 か、以後かで表書きが変わります。

  • 仏教の場合の表書きは、「四十九日」以前なら「御霊前」。

    以後なら「御仏前」になります。

  • ただし、浄土真宗の場合は「四十九日」以前でも、「往生即成仏」との考えから「御霊前」という言葉は使いません。

  • 神道での表書きは、「御玉串料」「御榊料」「御神前」「御花料」です。

  • キリスト教は「御花料」です。

    ユリの花、十字架などの絵の熨斗袋を使います。

  • 「御香典」の表書きは、「香」を供えるの意で、宗教・宗派にとらわれずに使える表書きです。

  • 不祝儀袋の下段中央には、送付者のフルネームを書いて下さい。

  • 尚、表書きは「薄墨」で書くのがマナーと言われていますが、この習慣は、通夜、告別式などの葬儀の時です。

    「薄墨」の習慣は、「突然の訃報で濃くなるまで墨を摩る時間が無かった」「悲しみの涙で滲んだ」と言う意味が込められています。

郵送する場合の不祝儀袋の「中袋」の書き方 香典袋の中に入れる「中袋」(中包み)には、住所・氏名、金額を書きます。

この場合の書き方は薄墨でなくて構いません。

黒ペン・万年筆等ではっきり分かり易く書くことが大事です。

金額を書く場合は旧字体の漢数字を使います
  • 一・・・壱  例えば、10,000円 → 金壱萬圓
  • 二・・・貳
  • 三・・・参
  • 五・・・伍  例えば、5,000円 → 金伍阡圓
  • 拾・・・拾  例えば、100,000円 → 金拾萬圓
  • 千・・・阡
  • 万・・・萬
  • 円・・・圓
中袋へお金を入れる場合は「新札」を避けて下さい。

「新札」を避けるのは、「あらかじめ、この日のために用意していたお札」と、解釈されないようにするためです。

ただ、お供えするお金ですから、ヨレヨレの古くなったものではなく、ある程度キレイな状態のお札を入れて下さい。

お札の入れる方向・裏表にも諸説があります
  • 例えば、「悲しみのため顔を見せない」ということで、中袋には紙幣を裏向きにする。

  • 「悲しみに沈んでいる」ので、金額が上。

    顔を下向きに入れるというのもあります。

  • 逆に「香典の表面に顔の無いお金を入れるのは失礼にあたる」と、いうものもあります。

地方の慣習に従って下さい。

ただ、複数枚の紙幣を入れる場合は、方向を揃える配慮は必要です。

表袋の折り返しは、水引きが上になるように折ります。

  • 中袋を紙の中央に置き、左、右の順に被せ、下線の折り返しを隠し、上側の折り返しが見えるようにします。

    通常、水引が印刷されています。

 

ポイント2.「香典」を郵送する場合は「手紙」を添えるのがマナーです

現金書留封筒に、不祝儀袋だけを入れて郵送するというのは、あまりにもマナー不足です。

お悔やみを伝えることが遅れたことのお詫びとしての手紙を添えて、香典をお送りしたことを伝えて下さい。

「お悔やみの手紙」の書き方は、手紙の項を参考にして下さい。

ただ全文を紹介した文例は載せておりませんので、1つの文例をご紹介いたします。

通常は縦書きですが、ページ構成上で横書きにしています 「このたびお父様のご逝去の訃報を知り、大変驚いております。

ご無沙汰いたしておりましたために、お父様の不幸を存じ上げず、お見舞いもお悔みも申し上げず失礼いたしまし  た。

本来であればすぐにでもかけつけるべきところ、遠方にてままならずまことに申し訳ありません。

心ばかりのものを同封いたしますので、どうぞご霊前にお供えいただきたく存じます。

」  

ポイント3. 後日弔問する場合の「香典」の表書きに注意して下さい

この項の「表書きの書き方」と重複しますが、ポイントは「弔問」する日が、四十九日以前か四十九日以後か・・・です。

仏教の場合、この日を境に「御霊前」が「御仏前」に変わります。

(※浄土真宗の場合は四十九日前でも「御仏前」) 「弔問日」の四十九日チェック!! 忘れないで下さい。

故人の宗教・宗派も要チェックです これも、重複しますが、大事なことなので簡単に整理しておきます。

  • 仏教の場合の表書きは、「四十九日」以前なら「御霊前」「四十九日」以後なら「御仏前」
  • 神道は、「御玉串料」「御榊料」「御神前」「御花料」
  • キリスト教は「御花料」
 

5.「供物と供花」 知っておきたい葬儀後の「供物」と「供花」のマナー



通夜〜葬儀にラクガンや果物などを祭壇に盛籠等で供えるのが供物。

同様に祭壇を飾る生花、花環は供花(きょうか)といいます。

「供物」「供花」というと、通夜〜告別式だけの故人の霊を慰めるためのものと思われがちですが、「供える」という観点から言えば、葬儀後にも「供物」「供花」の慣習があります。

  では、「訃報」を後で知った場合、弔意(お悔み)としての供物(くもつ)と供花(きょうか)はどのように対処すればいいのでしょうか。

勿論、これも香典同様、郵送や後日弔問する時に持参することで対応できます。

 

ポイント1.  葬儀後に「供花」を送る場合は「後飾り」として自宅に送る対応もあります。

供花(きょうか)とは故人に供える花のことです。

供花は故人と親しかった知人や親族、遠方で会葬できない人が、贈るもので「枕花」「後飾り」「仏壇用供花」「手元供養供花」などがあります。

「枕花」は通夜の前から飾り、葬儀が終わるまで故人の枕元に飾る花のことで、故人の魂を鎮めます。

通夜の前から供える花なので、訃報を後で知った場合には、対応できません。

「後飾り」は、四十九日や埋葬の日の忌明けまで遺骨を安置する祭壇のことで、遺影、供花、供物、燭台などを飾ります。

この「後飾り」の供花であれば、訃報を後で知った場合でも対応が可能です。

祭壇がさほど大きくないので、故人が好きだった花などを加えた、アレンジメントを供えると、故人の供養になります。

ただ、葬儀後~四十九日まで長い期間飾っておくものですのでフラワーショップに相談した上で、自宅に届けてもらうといいでしょう。

四十九日前に「弔問」する場合は、お悔やみと会葬に参列できなかった非礼をお詫びした上で供花して下さい。

 

ポイント2. 「供花」の色は、白、黄色を基調にした淡い色合が通例です

四十九日法要が済むまでは、赤やピンク・オレンジなどの派手で 濃色の花を避けるのがマナーです。

お供えとしてよく使われる花です
  • デンファレ(欄の一種でスタンドタイプに利用され)
  • ラナンキュラス(白・クリーム色・薄いグリーンが人気)
  • ユリ(仏式・キリスト教式のお供え花として利用されます)
  • 小菊
  • カーネーション(故人への「愛」の花ことばから)
  • デルフィニウム(祭壇には白より水色・薄紫を使う)
  • 水替えの必要ないブリザーブドフラワーも飾られます
 

ポイント3. 「供物」も宗教・宗派で異なります

訃報を後で知った場合の「供物」対応は、郵送対応よりも「弔問」する際に持参するのが一般的です。

その時留意しなければならないのが、何度も書いている四十九日以前か以後かということです。

  • 供物につける熨斗は、四十九日までは黒白。

    それ以後は双銀の結びきりの水引きです。

  • 熨斗の表書きは「御供物」「お供」「粗供養」とし、下部に贈り主の名前を書きます。

  • 神式の場合は「御玉串料」です
  • キリスト教には供物の習慣はありません


用意する供物は宗教によって駄目なものがありますので、予め故人の宗教を調べてから弔問するようにして下さい。

  • 仏式・・・線香、抹香、ろうそく、果物、菓子、五穀、干菓子、生前故人が好んだものはが一般的です。

    仏式では、肉、魚などの殺生に繋がるものは駄目です。

  • 神式・・・果物、菓子、海産物、酒が通例です。

    神式では、線香、抹香、ろうそくは供えません
  • キリスト教は、供物の習慣はなく、白い生花だけです
故人のことだけではなく、ご遺族も気遣うお供えものを用意します。

基本的には、故人の好きなものや、お供え後にご遺族の皆さんでいただけるものを用意しましょう
  • 菓子・・・和菓子 日持ちしそうな焼き菓子
  • 果物・・・お供えには丸いものが良いとされているので、丸ごとメロン 桃 スイカ または籠もり
  • 食べもの・常温でおいておけるもの。

    日持ちがするもの。

    缶詰 餅 海苔 昆布

6.後日「弔問」に伺う際、知っておきたいこと

訃報を後で知った時の弔問の対処法です。

親しい間柄なら、できるだけ早い時期にお悔みを伝えに弔問することをおすすめいたします。

ただ、葬儀後のご遺族は何かと忙しいものです。

弔問に伺う場合は、ご遺族のご都合を確かめる配慮が大切です。

急に伺うなどという配慮のない行動はマナー違反になります。

 

ポイント1.「弔問」をする時はご遺族の都合を確認して下さい

告別式が終わったあとでは、なかなか喪家へはいけないものです。

手紙でお悔みを伝えるのもひとつの方法ですが、やはり直接お悔やみを伝えたいものです。

弔問に際しては、ご遺族必ず事前に電話などで連絡をいれて、ご都合を伺って下さい。

この時期、ご遺族は挨拶まわりなどで忙しい時期です。

電話も手短かに済ますのが礼儀ですが、
  1. 簡単な弔意を伝え
  2. 後日訃報を知り、参列できなかったことをお詫びし
  3. 弔問可能な日時を伺って下さい
 

ポイント2「服装」は平服で地味なものがマナーです

喪服などを着る必要はありません。

平服で構いませんが、男性はスーツ、女性はアンサンブルスーツが無難です。

いくら平服でも良いといっても、Tシャツにジーンズといったラフすぎる格好は控えて下さい。

色は地味めなものにして下さい
  • キラキラした光りものは厳禁です。

  • アクセサリーも結婚指輪くらいにするのもマナーのひとつです。

 

ポイント3.お悔やみの言葉と、参列できなかったことの御詫びを伝えます



「この度はご愁傷様でした」とお悔やみの言葉を述べ、次に再度葬儀に参列できなかった非礼を詫びます。

挨拶が終ったら焼香です。

ここにも作法がありますので、良く覚えて下さい
  1. 仏壇の前に座り一礼。

    遺影に一礼する前に遺族に一礼します
  1. 線香を持ち、ロウソクで火をつける。

    直接、線香に火をつけるのでなく、ロウソクで火をつけて下さい。

宗派別の線香の本数です。

  • 3本・・・・・・・天台宗・真言宗
  • 1本または2本・・ 臨済宗・曹洞宗・日蓮宗
  • 1本・・・・・・・浄土宗
  • 規定無・・・・・ 浄土真宗
線香を立てる、寝かすも、宗派で変わります
  1. 左手で線香を仰ぎ、火を消す。

    線香の煙を確認しましたら、左手で仰ぎ、火を消す。

    口で火を消すのは、悪行を積みやすいとされており、吹き消すのはタブーしされています。

  1. 線香を立てる(浄土真宗は寝かせます。

    浄土宗は二つ折りにして立てます)
  1. 合掌して最後に再度一礼。

    遺影・遺族に再度一礼します。

香典、供物・供花については、今までの解説を参考にして対応して下さい。

  • 注意する点は、四十九日の前か後です。

  • 前なら「御霊前」後なら「御仏前」です。

  • 供物につける熨斗は、四十九日までは黒白それ以後は双銀の結びきりの水引き
焼香後には、故人との関係などを長くならないように話をします。

帰る際に、「何かお手伝いできることがあれば・・・」とか「お困りごとがあれば・・・」と一言かけることも忘れないで下さい  

まとめ



通常、訃報を後で知った場合は、葬儀に参列できません。

この項は、そんな時にどうやって、「お悔やみ」を伝えればいいかを解説しました。

1.宗教・宗派の違いで対応が大きく変わります。

故人の宗教・宗派を確認することで、対応がスムーズになります。

2.仏教の場合は四十九日を境にして対応が変わります。

前が「御霊前」。

後が「ご仏前」です。

3.お悔やみの手紙は、「手書き」「タテ書き」が基本です。

書き出しは、冒頭から「お悔やみ」を伝えて下さい。

拝  啓などの頭語、時候の挨拶はいりません。

忌み言葉にも気をつけてることも忘れないで下さい。

4.弔電は葬儀に間に合わせるのが大前提です。

住所、喪主、葬儀日時をしっかり伝えて下さい。

5.「供物・供花」で供えては駄目なものを覚えて対処して下さい。

仏式は「殺生」に関するもの。

「神式」では、線  香、ロウソクは相応しくありません。

キリスト教は、白い花の供花だけです。

6.香典は郵送でも大丈夫です。

不祝儀袋が入る大きさの現金書留封筒をご用意下さい。

「御霊前」「ご仏前」の確認  も忘れないで下さい 7.後日「弔問」する時は、まずご遺族の都合を伺って下さい。

弔問時の服装は「平服」で大丈夫です。

焼香の時の作  法もありますので、事前に宗教・宗派の確認が必要です。

知っていそうで知らなかったこと。

そんな対処法をまとめました。

ぜひご参考ください。