【モスクワ杉尾直哉】ロシア第2の都市で北西部のサンクトペテルブルクで3日、走行中の地下鉄車両で爆発が起きた。ロシア当局によると少なくとも乗客ら9人が死亡し、子どもを含む約50人が負傷した。ロイター通信によると、プーチン露大統領はこの爆発について報告を受け、原因について「テロを含む全ての可能性」を考慮すると述べた。
【写真】搬送される負傷者
プーチン氏はこの日、隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領との会談のため、サンクトペテルブルクに滞在していた。オゼロフ上院国防安全保障委員長は、今回の爆発について「テロの兆候がある」との見方を示した。
爆発が起きたのは、サンクトペテルブルク中心部の地下鉄センナヤ広場駅と技術大学駅の間。インタファクス通信によると、爆発では多数の金属片がまき散らされたという。また、別の地下鉄駅では不発の爆発物が発見されたといい、連続テロを狙っていた可能性がある。
サンクトペテルブルクの地下鉄は走行を全面停止し全駅を封鎖した。日本外務省海外邦人安全課によると、この爆発で日本人への被害は確認されていない。
インターネット上には、現場から発信されたと見られる爆発で破壊されたような列車の車両や、負傷者の映像が流れている。
今回の事件で犯行声明などは出ていない。ロシアでは2010年にモスクワの地下鉄でイスラム過激派による自爆テロが発生し40人以上が犠牲になっている。
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