NO MUSIC,NO LIFE.
「CDが売れない時代」と言われていますが、日本はまだマシな方です。アメリカでは、大手CDショップのタワーレコードが全店舗閉店している状況です。
CDが売れなくなった理由として、主に音楽のダウンロード販売の普及が挙げられていました。しかし、現在ではダウンロード販売を抑えて「ストリーミングサービス」が米音楽業界の売上の主流となっています。
全米レコード協会調べによると、2016年上半期の売上の内訳は、ストリーミングが47%、ダウンロード31%、CD等の物理メディアが20%となっています。
日本でも音楽ストリーミングサービスの利用者数は右肩上がりです。
この記事では、定額で聴き放題の音楽ストリーミング配信サービスの主要10社を、友人のバンドマンと一緒に使った感想と共に紹介します。
定額制音楽ストリーミング配信サービスとは?
音楽ストリーミングサービスは、一定の月額料金で音楽が聴き放題のサービスのことです。
ただ「音楽が聴き放題」というだけはありません。再生中の曲からオススメの曲を紹介してくれたり、ユーザー同士でプレイリストを通じて交流できたり、様々な機能が搭載されているのが魅力的です。
ほぼ全てのサービスで「7日」や「30日」など、しばらく無料で利用できる体験期間が設定されています。
なので、お金を払うかは、サービスの使用感や、自分の好きなアーティストの曲が聞けるかを試してから決めることができます。
ダウンロードとストリーミングサービスとの違い
定額制音楽ストリーミングサービスの「ストリーミング」はダウンロードと比べると以下の違いがあります。
iTunesに代表されるダウンロード販売は、mp3ファイルをスマホやPCに保存するので、デバイスの空き容量が必要です。なので退会しても、ダウンロードした曲はずっと聴けます。
それに対して、ストリーミング型サービスは、ファイルををスマホやPCに保存しないので、空き容量が不要です。ただし、退会すると曲は聴けなくなります。
今回、紹介する音楽ストリーミング再生はダウンロードはできず、ストリーミングのみ利用できます。
「You Tubeでいいんじゃない?」という人へ
中には「わざわざ、音楽配信サービスを契約しなくても、YouTubeで充分じゃない」という人もいるでしょう。
しかし、音楽配信サービスには以下の5つの優位性があります。
- 完全合法
- ラインナップが豊富
- 邪魔な広告表示がない
- 高音質が楽しめる
- 新しい音楽と出会える機能が満載
音楽ストリーミングサービスでできる5つのこと
音楽ストリーミングサービスには、目当ての曲を検索して聞く以外にも様々な機能があります。主要な音楽配信サービスできることをまとめてみました。
終わりなく再生してくれる「ラジオ機能」
DJが選ぶ曲をエンドレスで流し続けてくれる機能です。BGMとして音楽を楽しみたい人にもってこいです。
AIのセンスが光る「ステーション機能」
再生していた曲と「似た曲」をAIが選んで再生してくれる機能です。選曲のセンスは、各サービスで異なります。
意外と便利な「歌詞表示機能」
その曲の歌詞データがある場合に、歌詞を表示してくれる機能です。サービスによっては、現在歌われている箇所を目立たせて表示してくれるものもあります。
洋楽の和訳についてはまだ実装されているサービスは無いようです。
美味しいところだけ「ハイライト再生」
1曲のうちの盛り上がる1分半くらいの部分をピックアップして再生していく機能です。サビだけ聴きたい人には便利ですね。
データ量を節約できる「キャッシュ機能」
再生に必要な情報を保存(キャッシュ)して、機内モードや圏外というオフライン状態でも音楽が聴ける機能です。ほぼすべてのストリーミングサービスでついています。
音楽ストリーミングサービス主要10社紹介
ここから実際に、音楽ストリーミングサービス10社を紹介していきます。
家族や友達で一緒に使いたい「Apple Music」
http://www.apple.com/jp/music/
- 運営:Apple Inc.
- 開始:2015年11月
- 料金:980円
- 曲数:3,000万曲
Apple Music(アップルミュージック)は、iPhoneやMacでおなじみのAppleのサービスです。比較的後発のサービスだけあって、使いやすいです。
iCloudのミュージックや、PCから転送した曲をまとめて管理できたりと、iOSユーザーには嬉しい恩恵もあります。
そんな中でも目玉は、Appleのファミリー共有機能を基にしたファミリープラン。文字通り家族で使ってもいいのですが、友達同士での共有も可能です。
割り勘にした場合の1人あたりの料金は以下になります。(メインのアカウントに1,480円が一括請求されます。)
- 1人:1,480円
- 2人:740円
- 3人:493円
- 4人:370円
- 5人:296円
2、3人でも十分安いですが、4人以上集まれば、3,000万曲聴けるのにAmazon Prime Music並みに安いです。
ただし、初期設定のままだと写真、位置情報なども共有されます。Apple Musicのワリカン目的なら、音楽以外の共有を無効にしておきましょう。
5万曲保存できる「Google Play Music」
https://play.google.com/store/music?hl=ja
- 運営:Google Inc.
- 開始:2015年9月
- 料金:月額980円
- 曲数:3,500万曲
Google Play Music(グーグル・プレイ・ミュージック)は、IT界の巨人Googleが他社ストリーミングサービスの様子を見つつ、2015年9月に満を持して開始させたサービスです。
Google Play Musicの凄いところは、自分が既に所有している音楽ファイルを5万曲までクラウドに保存可能なところです。しかも、この機能は無料会員でも利用可能です。太っ腹過ぎます。
5万曲と聞いても想像つきにくいかもしれないですが、、標準のアルバムの収録曲が大体13曲だと仮定して、アルバム3,846枚分です。
容量についての制限は現在のところは無いようなので、非圧縮のCD音源のままである「.wav形式」でも、最高音質の「ハイレゾ音源」でも5万曲いけちゃいます。
「.wav音源」は1曲あたり大体30MBくらいなので、5万曲だと合計15TBになります。アップロード完了するのも一手間ですね。
Google Play Musicの有料会員になると、YouTubeの広告が表示されなくなるメリットもあります。
YouTubeをよく観る人はかなり快適になります。Apple Musicのファミリープランに相当するものもあります。検索機能がとても優秀なのは、さすがGoogleです。
無料でもフルで全曲聴ける「Spotify」
- 運営:スポティファイジャパン株式会社
- 開始:2016年9月
- 料金:月額980円
- 曲数:4,000万曲
Spotify(スポティファイ)は、2008年にスウェーデンからはじまった「世界最大手の音楽配信サービス」です。非常にシンプルで使いやすく、音質的には、他と比べて気持ち低音が強調されていて、迫力があります。
洋楽中心で、邦楽はやや少なめです。無料版でも1曲まるごと再生できる数少ないサービスです。
なお、スマホでは常にシャッフル再生になり、広告が流れるなど、聞きたい曲をピンポイントで聞けるようには動いてくれません。
一方で、PCだと、無料会員でもシャッフル再生にならず、1曲が終わる前に別の曲を再生させれば広告も流れませんので、非課金でストリーミングサービスを楽しむならベストです。
画面がスタイリッシュな「awa」
- 運営:AWA株式会社
- 開始:2015年5月
- 料金:月額960円
- 曲数:3,000万曲
awa(アワ)は、2015年5月にエイベックス・グループとサイバーエージェントによって共同で作られたたサービスです。
個人的には一番直感的に動くくと感じました。デザインが綺麗でかっこいいです。曲のリリースの年が表示されたり、アルバムがパッと表示されるところも嬉しいです。
作りはSpotifyに似てますが、邦楽はこちらが断然多いです。お気に入りポイントは、「プロではなく、awaユーザーが作るプレイリスト」。
再生中の曲から、「その曲が入ったプレイリスト」の数々へスムーズにアクセスでき、自分の趣味に絶妙な距離感の「関連する音楽」に出逢えたり、その曲自体が色んな感覚で解釈されていることを知る面白さがあります。
AIからのオススメや、プロが選んだプレイリストもいいですが、イチ音楽ファンが作るこだわりや愛情が伝わるプレイリストもいいものです。
7日に一度オンラインにしないと聞けなくなるのが弱点です。ただ、頻繁にWi-Fi環境でキャッシュを取り込める環境があるなら、問題ないです。個人的に好きなのはこのawaです。
Amazonらしさが出ている「Amazon Prime Music」
https://www.amazon.co.jp/PrimeMusic/
- 運営:amazon
- 開始:2015年11月
- 料金:年額3,900円(月額325円)
- 曲数:100万曲
Amazon Prime Musicは1年契約ですが、月額に直すと325円安いです。ただし、曲数は全体で100万曲なので、1曲あたりの値段は他社に比べると割高です。また、UI(使いやすさ)はイマイチで、動きが遅いです。
Amazon Primeはもともと荷物のお急ぎ便が無料になるサービスなので、ストリーミングサービスは。しかし、オマケと考えれば、その割にかなり使える感があります。
曲のオススメのされ方がAmazon特有の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という感じで表示されます。この「Amazonらしさ」が面白いです。
楽天ユーザーと相性がいい「楽天 music」
http://books.rakuten.co.jp/music/
- 運営:楽天株式会社
- 開始:2016年8月
- 料金:980円
- 曲数:500万曲
楽天が提供しているサービスです。楽天ポイントが5倍になったり、楽天ブックスでCDが5%割引になるキャンペーンなどさまざまなキャンペーンを提供しています。
決算方法は楽天Payとapple決済が選べます。
楽天Payの方がポイントが貯まったり、キャンペーンが利用できるので、楽天ユーザーと相性が良いサービスです。
月額500円で月に20時間まで聞ける[ライトプランと、月額980円の何時間でも聞けるスタンダードプランが用意されています。
アジア圏に強い「KKBOX」
- 運営:KKBOX JAPAN合同会社
- 開始:2013年6月
- 料金:980円
- 曲数:2,000万曲
KKBOX(ケイケイ・ボックス)は、台湾発のサービスで、C-POP、K-POP等、アジア圏の音源の豊富さは群を抜いています。アーティストのWikipediaのリンクがあったり、他にない便利さもあります。
ただ、動きが重くなったり、細かい部分のフォントがイマイチ洗練されていない様に感じられる部分もありました。
他のストリーミングサービスと比べ、様々な機能がついた総合音楽プラットフォームといったところでしょうか。
最初は若干、音が軽いような気がしましたが、最高音質(320kbps)でキャッシュするように設定を変えたらところ、あまり気にならなくなりました。
PCなら登録なしでも見られる「レコチョクBEST」
- 運営:株式会社レコチョク
- 開始:2013年4月
- 料金:月額980円
- 曲数:550万曲
レコチョクBESTは「レコチョク=レコード会社直営」ということで、国内メジャーレーベルが共同出資して作られたサービスで、現在はNTTドコモが筆頭株主です。邦楽のラインナップが充実していると感じました。
ただ、邦楽に関しては、CDバブルの時代などに大成功を収めたアーティストの曲は、無いか、オルゴールサウンドの場合がほとんどです。これは、レコチョク以外でもそうですが。
最近リリースされた邦楽はけっこう揃っています。洋楽も有名どころはちゃんとあります。
レコチョクは登録なしでもPCからも見られるので、試しに検索してみると雰囲気がわかると思います。
UIは、いわゆる「J-POP」の雰囲気そのもので、見た目はイマイチですが機能は使いやすいです。
例えば、関連アーティストのところに、「元メンバーの〇〇が所属しているバンド」などの説明があるのがありがたいです。
初月無料になるのはPCからの登録のみなので、スマホからではなくPCから登録した方がお得です。
若者重視の「LINE MUSIC」
- 運営:LINE MUSIC 株式会社
- 開始:2015年6月
- 料金:960円
- 曲数:2,400万曲
LINE MUSICは、LINEと組み合わせた場合に便利な機能が多いです。好きな曲をLINEのプロフィールのBGMや着信音に設定できたり、友達とシェアした曲をトーク画面で再生できたり、LINEユーザーを意識した作りになっています。
LINE MUSICの凄いところは、格安SIMの『LINEモバイル』のプランの中に、LINE MUSICを無制限で聴けるサービスがあるところです。
月20時間まで利用ができる500円のベーシックプランがあったり、学生割があったりと、若者向けのプランが充実しています。
アニソン好きのためのサービス「ANiUTa」
- 運営:株式会社アニュータ
- 開始:2017年3月
- 料金:月額600円
- 曲数:5万曲
ANiUTa(アニュータ)は、アニメソング、ボーカロイド曲に特化したストリーミングサービスです。
他サービスでは、まず見られなかったアーティストの名前がゴロゴロいます。
有料プランの体験期間がありませんが、無料版との違いは、フル再生、プレイリストの利用、320kbpsでの再生、先行チケット応募の可否です。
ブラウザ版がないので、スマホのみでの利用になります、聞きたい曲が入っているかどうかは、アプリを使ってからはじめてわかります。
曲を検索する際、検索候補の欄が入力文字の変換候補の部分とかぶって使いづらかったりと、UIはいまひとつです。ただ、アニメ特化のストリーミングサービスはニーズがあると思うので、是非、曲数と共に規模を拡大していってほしいと思います。
各サービスの比較
以下は、各ストリーミングサービスの基本情報、機能の一覧表です。
各サービスの比較表
これを見れば、あらかじめ重視している項目でサービスを絞りやすくなると思います。
| 月額 | 曲数 | ジャンル | 有料版お試し期間 | |
|---|---|---|---|---|
| レコチョク | 980円 | 550万曲 | 邦楽中心 | 1か月 |
| KKBOX | 980円 | 2,000万曲 | アジア | 1か月 |
| awa | 960円 | 3,000万曲 | バランス型 | 30日 |
| LINE | 960円 | 2,400万曲 | 若者向け | 30日 |
| apple | 980円 | 3,000万曲 | 洋楽寄り | 3か月 |
| 980円 | 3,500万曲 | 洋楽寄り | 30日 | |
| amazon | 325円 | 100万曲 | 洋楽寄り | 30日 |
| spotify | 980円 | 4,000万曲 | 洋楽中心 | 30日 |
| 楽天 | 980円 | 500万曲 | 邦楽寄り | 30日 |
| Aniuta | 600円 | 5万曲 | アニソン | なし |
※ジャンルは個人的な印象です。
| 音質(kbps) | 歌詞表示 | キャッシュ (オフライン再生) | UI (使いやすさ) | |
|---|---|---|---|---|
| レコチョク | 128-320 | 〇 | 2,000曲 | 〇 |
| KKBOX | 128-320 | 〇 | 4,000曲 | 〇 |
| awa | 64-96-128-320 | 〇 | 無制限 | ◎ |
| LINE | 64-192-320 | 〇 | 500曲 | △ |
| apple | 自動調整-256 | 〇 | 無制限 | 〇 |
| 96-160-320 | × | 無制限 | △ | |
| amazon | 48-128-256 | × | 無制限 | △ |
| spotify | 96-160-320 | 〇 | 3,333曲 | ◎ |
| 楽天 | 64-128-320 | 〇 | 2,000曲 | △ |
| Aniuta | 128-320 | 〇 | 16GB(約2,000曲) | △ |
音質に関しては、全サービスとも設定でビットレートを調整できます。個人的には、128kbps以下は明らかに低音質と感じます。しかし、192kbpsを超えると正直、違いが分からなくなります。高音質ほどデータを消費するので、バランスの良い音声で聞くのがオススメです。
※UI(使いやすさ)は個人的な感想です。
料金の比較
各サービスの料金をグラフ化しました。
基本的には980円でどこも横並びですね。awaとLINE musicだけ960円(-20円)と少しだけ安く、amazonは料金だけ見ると325円と安いですね。
曲数の比較
各サービスの曲数をグラフ化しました。
料金と違い、曲数には大きな差があるようです。
料金と曲数の関係
料金と曲数の関係図を見てみましょう。縦軸が曲数で、横軸が月額料金です。
音楽ジャンルの傾向
ここまで各サービスについて紹介してきましたが、料金は大まかには横並びで、主だった機能も大体似たようなものが実装されています。
曲数に関しては、総曲数よりも、自分の好みのジャンルの曲が多いかの方が重要かと思います。以下は、大体の曲の指向性を邦楽、洋楽で、大まかにまとめたものです。
個人的な印象なので、あくまで参考までにご覧ください。
海外と違い、日本はレコード会社の数が多く、権利上の問題からストリーミングサービスでの展開になかなか足並みが揃わない状況にあります。
現状だと邦楽は、聞きたいアーティストが入っていないか、オルゴールサウンドである場合がほとんど。
なので、オルゴールサウンド問題が解決したサービスが出てきてくれたらと思います。
まとめ:Spotify全曲を聴くには304年かかる
音楽の楽しみ方は時代と共に、ネアンデルタール人の笛からはじまり、先住民の精霊儀式、琵琶法師の弾き語り、レコード、CD、MP3と移り変わってきました。
そんな中、定額で聴き放題の音楽ストリーミング配信サービスは時代の最先端。
iPodの登場時も「ポケットに1,000曲を入れて持ち歩ける」と話題になりました。が、今では世界中の数千万曲を手中に納め、どこでも楽しめます。
Spotifyだけでも、全曲聴き終わるのに、304年かかるほどのボリュームです。
今回紹介したサービスはすべて無料期間があるので、使い心地や曲のラインナップを見て、自分にあったサービスを見つけてみてはいかがでしょうか?
NO STREAMING,NO MUSIC.