年収ガイド>その他の年収データ一覧>正規・非正規 収入格差データ
各種統計資料から、正規・非正規の統計データを集めました。
正規:正社員など正規に雇用されている労働者。
非正規:パート・アルバイト・契約社員などの雇用形態で働いている労働者。
2012年 | 男性 | 割合 | 女性 | 割合 | 合計 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|---|
正規 | 2281万人 | 77.8% | 1030万人 | 42.5% | 3311万人 | 61.9% |
非正規 | 648万人 | 22.2% | 1394万人 | 57.5% | 2042万人 | 38.1% |
合計 | 2929万人 | 100% | 2424万人 | 100% | 5353万人 | 100% |
※総務省 就業構造基本調査(2012年)より
一家の大黒柱として家計を支える男性は8割近い人が正規として働いていることがわかります。
家庭と仕事を両立させながら働くことの多い女性は半数以上が非正規です。
正社員の有効求人倍率の推移です。
※厚生労働省発表の有効求人倍率より。正社員に関しては9月分データを採用。
2008年からの急激な落ち込みはリーマンショックによる下落です。
0.26倍という驚異的な数字からは順調に回復を続け2014年の時点では約0.7倍にまで回復してきています。
しかし、まだまだ1倍までにはほど遠く、多くの非正規採用を生み出し続けています。
2014年 | 正規 | 非正規 | 平均 | 年収差 |
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年収 | 477.7万円 | 169.7万円 | 415万円 | 308万円 |
2014年 | 正規(男性) | 非正規(男性) | 男性平均 | 年収差 |
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年収 | 532.3万円 | 222.0万円 | 514.4万円 | 310.3万円 |
2014年 | 正規(女性) | 非正規(女性) | 女性平均 | 年収差 |
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年収 | 359.3万円 | 147.5万円 | 272.2万円 | 211.8万円 |
※民間給与実態統計調査より。平均は役員も含む。
民間給与実態統計調査で発表された、2014年の正規・非正規の収入状況です。
平均年収は415万円(正規:477.7万円 非正規:169.7万円)でした。
正規と非正規の年収差は大きく、約300万円の開きがあります。
2015年 | 正規(男性) | 非正規(男性) |
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生涯年収・生涯賃金 | 1億8152万9800円 | 1億275万8300円 |
2015年 | 正規(女性) | 非正規(女性) |
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生涯年収・生涯賃金 | 1億3448万4800円 | 8020万4000円 |
※「賃金構造基本統計調査」 正規・非正規データの23歳から59歳までを加算算出。
生涯年収を見ても倍近い差があり、年単位に換算しても相当な差があります。
非正規では生涯年収で1億円を超えることすらギリギリの状態で、正規と非正規の格差がはっきりと確認できます。
※「賃金構造基本統計調査」より。 上記の正規・非正規 年収・収入データの数値の差は、「賃金構造基本統計調査」は一般労働者(短時間労働者を除く)を対象とし、「民間給与実態統計調査」はそれらの区別を設定していないため。
男性・女性それぞれの賃金カーブです。
非正規:フラットに近いラインで、賃金の上昇がほとんど無い。また、正規と比べると約半分の賃金である。
正規:年齢を重ねる毎に賃金は一定の割合で右肩上がりに上昇し、安定した収入が期待できる。
このグラフだけでも、正規と非正規の収入差は一目瞭然で、相当な収入差が発生しています。
グラフでは表現されていませんが、金銭的なもの以外にも正規と非正規の大きな違いが存在しています。
正社員であれば、金銭的なものだけではなく目に見えない形の報酬・サービスを受けることができます。
・社会保険費用の会社負担分(社会保険は会社と労働者の折半になる。)
・各種手当ての支給(住宅手当、通勤手当など。非正規の現場では通勤手当がでない所も多い。)
・健康診断や各種提携施設・団体などでの優遇サービスなど。(スポーツジムやスクールでの研修など)
・正社員であれば責任ある仕事に携わることができ、スキルアップにつながるが、非正規は単純作業が多く、誰でも出来る仕事を担当する割合が高いため、スキルアップにつながることは少ない。(正規であればスキルがあるため正規としての転職もしやすいが、スキルのない非正規はそのまま非正規としてしか働けなくなる。)
目には見えにくいこれらの利益ですが、40年近く勤務し続けた場合、これらの費用を合計すれば数千万円に及ぶと言われています。
これらの他に社会的信用などもそのひとつに挙げられるでしょう。
非正規の結婚率は正規に比べるとかなり低くなっており、収入の安定しない非正規のままでは結婚も厳しく、あたりまえの幸せさえ描きにくいのが現実です。
※年収300万以下の結婚率は10%以下。年収300万円以上になると25%に跳ね上がる。
正規と非正規の差は金銭的なものだけではありません。
企業が正規採用を抑制することによって固定コストを削減しようとしている中、厳しい話ではありますが、就職の際には「正社員」としての採用をまず第一に目指したいものです。