最近、ワシントンDCでは「HELL WEEK」という言葉がよく用いられます。

HELL WEEKとは4月24日(月)から4月28日(金)を指します。

この週が「地獄」な理由は、もし共和党が動き方を間違えると、アメリカ合衆国連邦政府がシャットダウンの憂き目に遭うリスクがあるからです。

4月になると議会はイースター休暇に入り、議員さんたちが戻ってくるのは4月24日です。その日から28日までに予算を成立させないと、自動的に連邦政府はシャットダウンしなければいけなくなります。

現時点では期限内に予算が成立するのは絶望的だと見られています。

その理由は共和党財政保守派、フリーダム・コーカスの連中がオバマケアからプランド・ペアレントフッドに対する予算を削除するように要求しているからです。しかし連邦政府予算は上院で60%の賛成票を集める必要があります。プランド・ペアレントフッドに対する予算をカットしたら、民主党からの賛成票は期待できなくなります。

フリーダム・コーカスは「連邦政府予算は、小さければ小さいほど良い」という価値観を持っています。しかしトランプ大統領は軍事予算の積み増しをすでに宣言しています。

これらのことから、トランプ大統領は身内であるフリーダム・コーカスの連中を切り捨て、民主党と手を組むことも考えられます。

具体的にはオバマケアの中のプランド・ペアレントフッドへの予算はそのまま残し、メキシコ国境の壁への予算を削除し、軍事費の増額を必要最低限に抑えるということです。

これらの措置により、何とか4月28日(=トランプの「最初の100日」の最終日)にマスコミの笑い物になるのを回避しようというわけです。


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