迎賓館と都内の桜めぐり
友人と都内の桜をめぐるバスツアーに行ってきた!


公開中の迎賓館(赤坂離宮)の見学と、桜の名所千鳥ヶ淵、靖国神社、六義園を回るというもの。
横浜からなので自力でも全然行けるんだけど、迎賓館の見学がついていたので申し込んでみたのです。。。
まずは迎賓館から。
入場の際は皆、空港のようなセキュリティチェックを受ける。
中はめちゃくちゃ豪華。でも一切撮影禁止。
しかも廊下の真っ白な漆喰の壁にも、カーテンにも触れてはいけない。
触れていいのは、階段の手すりだけ!
つい先日もサウジアラビアの王様が宿泊されたばかり。
その時は、プリンスホテルが食事などのすべての宿泊業務行ったのだという。
昔は帝国ホテルやオークラのみがやっていたらしいが、今は東京にある国内資本の大手高級ホテルが1年ごとの持ち回りでこの仕事を請け負っているそうだ。
続いては千鳥ヶ淵へ。
なのだけど、、、、桜はまだまだ!
三分咲きといった感じかな・・・?
今年は開花宣言してから寒かったので、開花状況がイマイチらしい。
靖国神社の「桜の標準木」もこんな感じだった。
標準木ちゃん、ぐるぐる巻きになってるんだけど・・・
靖国神社は中国人だらけ。
しかも、嬉々としてピースサインで自撮りしてた・・・
ここから少し移動してお昼は、これまた渦中の築地で。。。。
しかし、ツアーについていたお寿司はイマイチ(笑)
ということで、お口直しのソフトクリームをば。
築地の波除稲荷神社
江戸時代、築地は海だったのだそうだ。
波が荒かったせいで、埋め立て工事は進まなかったという。工事期間は延びに延び、多くの人命も犠牲になったという。そんな時、海に漂っていた稲荷神体を祀ったところ、波風はおさまり、無事埋め立て工事も完了したという。
このことから、波除稲荷神社は「災難を除いて波を乗り切る」厄除けのご利益があるとされている。
また、神社内には、吉野家の石碑が奉納されている。そう、あの牛丼で有名な吉野家!
なんでも吉野家の1号店は、築地にあったらしい。築地市場内に石碑を建てることはできないので、築地に一番近い波除稲荷神社内に碑を奉納したのだそうだ。
築地を後にして、六義園へ。
正門には、「しだれ桜は三分咲き」との表示が。。。。
でも、しだれは、三分よりはもう少し咲いていたかな?
しかし、平日なのにすごい人で写真が撮れない〜〜(苦笑)
満開の頃は、それこそ芋の子を洗うようなんだろうなぁ。
空を見上げると、飛行機雲が!
飛行機雲は空中の水蒸気が多いからできるので、翌日は雨になることが多いのだそうだ。
そして下をみると、、、
ここにも小さな春が!
首都圏は明日はまた冬に逆戻りとのこと・・・
はやく暖かくなりますように!
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果鋭 / 黒川博行
あっという間に3月も下旬!
世の中は連日、森友学園問題やら、雪崩事故やら、旅行会社の倒産やらと賑わしい。
旅行会社の件は、客からしてみれば詐欺と言われても仕方ない。まだ多少なりとも余力が残っているうちに、会社をたたむという決断ができなかったのだろうか?
そうこうしているうちに、楽しみにしていた新刊がでた。
奇しくも、この「果鋭」
という言葉には、"決断する"という意味があるらしいが、特に企業経営者には、腹をくくって決断することが求められる。そして、もちろんその責任をとることもね・・・。
さて、黒川博行の代表作は、建設コンサルタントの二宮と、イケイケ極道の桑原のバディもの「疫病神」
シリーズだが、もう一つ人気のバディものがある。堀口と伊達の元マル暴担刑事コンビのシリーズものだ。
翻訳ものな気分じゃなかったここ数日ほど、「疫病神」シリーズとこの「堀やん誠やん」シリーズばかり読んでいた。黒川にまみれていた。
「日本の作家なんてね〜==」とおっしゃる、翻訳もの通のあなたにこそ、是非この面白さを知ってもらいたい。
なにも「疫病神」から読めとはいわない。どちらかといえば、関西系面白要素の増えている「破門」
くらいからのほうがいいと思う。ちなみに「破門」は著者の直木賞受賞作だったりする。たいていの直木賞受賞作は面白くもなんともないが、これは例外中の例外だ。
どちらのシリーズも新刊がでたばかりだが、もう次が待ち遠し〜い。
ところで、このシリーズの主役の堀口と相棒の伊達誠一(通称、誠やん)は、大阪府警の元マル暴担の刑事。伊達は柔道の有段者で、身体も大きくみるからに極道面だが、女房にはてんで頭があがらない。
堀口は恐喝がばれて依願退職を余儀なくされ、伊達は伊達で懲戒解雇されている(「悪果」)。
マル暴担と極道は見た目も似ているが、やることも似ている。桜の代紋がある分、マル暴担のほうがタチが悪いくらい。塀の向こう側に落ちるのが極道で、こちら側にいるのが刑事だということだけで、本質は同じなのだ。堀やん誠やんも例外ではない。
さて、競売屋に拾われた二人は元マル暴刑事の経験をいかし金になるシノギをしていたが、それが首尾よくいった矢先に堀口は刺されてしまう(「繚乱」)。
実は私はこの「堀やん、誠やん(伊達のこと)」コンビのシリーズは、「繚乱」で終わると思っていた。堀口は死んだと思ってしまったのだ。
極道に腹と尻を刺された堀口は、命は助かったものの下半身に麻痺が残り、杖がなければ歩けない身体に。シノギはできず、女にも逃げられてしまう。
怪我から回復し鬱々とした日々から堀口を救い出してくれたのは、またしても相棒の伊達。
競売屋の仕事をしている伊達は、一緒に仕事をしようと誘う。パチンコホールのオーナー新井が、ゴト師から、玉の計数機の不正改造をネタに脅迫を受けているという。この脅迫者を"なんとかすれば"、悪くないシノギになる・・・
今度の二人のターゲットは、20兆円にものぼるパチンコ業界だ。
出玉は遠隔で不正に操作され、玉の計数機でも誤魔化しが横行している。だが、業界は積極的に警察OBを採用することで摘発を逃れているのだ。季節ごとの贈り物はもちろん、管轄の署長が退職する際には、少なくない額の退職金まで支払われるというから恐れ入る。「警察の米櫃」と言われる所以である。
このあたりの裏事情は、世の中そういう風になっているのねと、わりとお勉強になる。そりゃ、まあ、こういうシステムだとカジノなんかできないわな。
大阪が舞台なのでそのノリではあるが、今回の堀やん誠やんのシノギも一筋縄ではいかず、かなりハードボイルドだ。
裏事情もさることながら、本書の醍醐味はやはり、堀やん誠やんコンビの妙だろう。バディものの例にもれず、堀口と伊達の性格はまるで違うのに、息はぴったり。
「一人でやれば、全部誠やんのシノギやぞ?」
「わしは、堀やんと一緒にやりたいんや」
「悪果」ではまだそれほどでもなかったが二人の仲は、いまやお互いがなくてはならない存在へと変化した。女性の私からみれば、こういうのっていいなぁと思うのだ。
ほら、女性同士は色々とあるから…
つい先日も、親友同士だとお互い常に口にしていた方達が、実はそうではないことを知って唖然としたばかり。意味わからんですよ。お互い嫌いなら「親友」でもないし、そもそもが「友人」でもなくない?「忖度」というのは最近の流行りだが、その件の「忖度」は超難度でしょうよ(笑)
また、伊達(誠やん)のキャラに、著者が透けてみえたりするのも楽しい。
「わしは顔は怖いけど身体は弱いねん」
「わしは嫁はんが死ぬほど怖い」
という黒川氏お決まりのセリフにもニヤリ。「大阪ばかぼんど ハードボイルド作家のぐうたら日記」
というエッセイを読む限り、伊達は黒川さんそのものだ(笑)
本筋には全然関係ないが、「堀やん、わし腹減った。何か喰いにいこ」と、きちんきちんと食事風景が描かれているところも好き。
この二人は結構贅沢なものばかり食べているのだが、食べるということは大事だ。ただ、誠やんは尿酸値に気をつけたほうがいいと思うけども。
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category: ミステリ/エンタメ(国内)
ティツィアーノとヴェネツィア派展に行ってきた!
ちょこっとさぼっておりましたが、、、
生きております。。。
そしてそして、東京は桜の開花宣言!🌸
ということで、開催期日の迫っているティツィアーノとヴェネツィア派展に行ってきた!
東京の満開予想は4月1日〜2日で、ちょうど週末。
上野近辺もすごい人になりそう。
とはいえ、寒い日が続いていて、上野の🌸もまだまだ咲き始めたばかり。
さてさて、わたしのなかでは、ティツィアーノといえば、
ウフィッツィ美術館所蔵の「ウルビーノのビーナス」!
このエロさ、この肌、この髪、この赤の使い方!
しかし、残念ながら今回は来日ならず・・・
もう一回、観たかったなぁ!
さて、この特別展示では、ローマ、フィレンツェと並んで、ルネサンス美術の中心地として輝かしい発展を遂げてきたヴェネツィア派の絵画と、ヴェネツィア美術界のみならずヨーロッパにまで広く影響を与えたティツィアーノの作品を時系列的に観ることができる。
今回の音声ガイドのナビゲーターは別所哲也さん。
見所はやはり、初期の代表作「フローラ」と、日本初公開の「ダナエ」だろうか。
花の女神「フローラ」はティツィアーノが25歳の作品で彼の出世作。
純白の衣装は実はこの時代流行っていた下着で、しかも片方の乳房はむき出し。他方でフローラの顔は聖女のような純真で、純白の下着は花嫁衣装のようにもみえなくもない。よくみると結婚を意味する指輪もはめている・・・
フローラのなかには聖と俗が混在している。
先日放映されたNHKの日曜美術館では、これはヴェネツィアの高級娼館のポスター的なものだったのでは?と言っていたが、真相はいかに?
続いては「ダナエ」
この絵もティツィアーノらしく、エロさ全開。それでいて下品ではない。
「フローラ」で一躍セレブたちの人気画家となったティツィアーノだが、当時セレブたちは特にヌード画を欲しがったという。当時は宗教の厳しい戒めに縛られていたため、画家は神話にかこつけなければヌード画は描けなかった。神話にでてくる人やら神やらは、たいがい裸族だから。
裸族といえば、最近友人がそうだと知ってちょっと驚いてしまった・・・
それはさておき、ティツィアーノという人は、こうしたニーズを的確にこたえる能力に長けていたのだと思う。
セレブなクライアントは、実は宗教画や神の絵がほしいのではなく、寝室に飾り、ときおり、密かに仲間うちに自慢できる絵を欲しがっていたのだ。
この絵は、枢機卿アレッサンドロ・ファルネーゼが「ウルビーノのビーナス」よりもさらに官能的な絵が欲しいというオファーにこたえたものだという。
裸で横たわっていたヴィーナスよりもダナエのポーズはさらに扇情的。
ティツィアーノの長男は聖職についたいたため、この絵は長男が安定的な収入を得られるようにとの賄賂的な意味合いもあったのだという。
この絵を見た枢機卿の使者は、節句し「聖職者をも堕落させる・・・」と言ったとか(笑)
ギリシャ神話のダナエをモチーフにした絵は、様々な画家によって数多く描かれている。アルゴス王の娘ダナエは自分の子供が父親を殺すという神託を受けたため、父である王に塔に幽閉されていたが、黄金の雨に姿を変えたオリンポスの神ゼウスによって男児を身ごもってしまうというシーンだ。
ティツィアーノの絵では、黄金の雨は降り注ぐ金貨として描かれている。ダナエの顔は、枢機卿の愛人のものであり、金貨は「お金で繋がる男女の関係」を暗示しているとも言われている。
ガイダンスによれば、ミケランジェロやダ・ヴィンチなど、物を見て写生することこそが大事というフィレンツェ派と、ティツィアーノを中心とする色彩の豊かさと美しさを大事するヴェネツィア派は、ライバル心を持ちお互いを意識しあっていたという。
(ダナエは他に2点だるがプラド所有の後年のダナエ)をみたミケランジェロは、「ティツィアーノの色彩も様式も気に入ったが、ヴェネツィアの画家は最初にデッサンを学ばないのは残念だ」と言ったという。
ダナエのすぐそばには、ティントレットの「レダと白鳥」が。
ティントレットの作品は、構図や配色がよりダイナミックになっている。
ティントレットはティツィアーノに弟子入りをしたが、その才能に恐れをなしたティツィアーノに3日で追い出されてしまったという逸話があるそうだ。
かのヴァザーリをして、「天は彼にただひたすらその才と幸福のみを与えられた」と言わしめたティツィアーノ。
その言葉の通りに長命で、その豊かな色彩と幾重にも絵の具を塗り重ねて作る質感、繊細で素早い独特の油彩画法は、ローマ皇帝カール5世や教皇パウルス3世等々、時の権力者に愛された。
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category: 雑談その他
新規開拓@銀座
3月も半ばなのに、寒の戻りなのか寒い。
素足に春物のパンプスという女の子も見かけたが、この日の銀座の気温は8度・・・
つくづくオシャレは気合だわ・・・(私には無理!)中国人の爆買いがなくなったとはいえ、ホワイトデーを控えた週末の銀座は混み混み。
ミニャルディーズお目当てのロドラント ミノルナキジンは、高級クラブばかりが入っている昼間は至って目立たないビルの地下にある小じんまりとしたフレンチ。
ブルゴーニュのアンティークのカエル
かわいいのかキモいのか・・・?
まずはお決まりのシャンパンで。
前菜は、小さいクロワッサンと豚の内臓を使ったソーセージ(だったかな?)の
プロシュート包み。
テーブルの隅にはぐしゃぐしゃっとした紙が置かれていたが、メニューではなく、このお店のコンセプトが書かれていた。
サーモンとクリームチーズのシュー皮詰め
豚耳とマッシュルームの前菜
お味はあまりよく覚えてないかも・・・
豚耳と聞いて、犬のおやつを思い浮かべてしまった。
ワンコはあれが好きなんだよね。
姫鱒のグリル、赤ワインソース
友人は食べられないと言っていたが、確かにちょっと塩味が強めだったかも。。。
如何せん、わたしは、ガバガバと水分を取るのでわからなかった(苦笑)
お口直しの青りんごのリキュールのグラニテ
お肉料理はハンガリー産の鴨に焼き林檎、根セロリのピューレ添え。
デセールはカスタードムースにイチゴのソース、ビスキュイを添え。
フレッシュのハーブティー
銀座なので、コスパは求められないのは重々わかってはいるけども、、、
新規開拓もなかなか難しいわ・・・
かといって、グランメゾンならお値段は倍以上だし・・・
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オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン / サミュエル・ビョルク
ここ最近食指が動かなかった北欧ミステリ。なぜ読んだかといえば、「失踪者
(Kindle版)」を読み終えた直後に紹介されたから。
帯に「北欧ベストセラー」とあったので、どんなものかいなとポチってしまったのだ。
正直、「世界中が震撼!」はしないと思う。が、結構楽しめた。
物語の舞台はノルウェー。主人公は前の事件で左遷を余儀なくされてしまったホールゲル・ムンクと、刑事を辞め田舎の島に引きこもって死ぬ日を待っていたミア・クリューゲルのコンビ。
初老の数学オタクで太っちょのホールゲルは、優秀な捜査官で、オスロ警察で殺人捜査課の特別班を率いていたが、ミアが起こした事件のせいで今は田舎警察に甘んじていた。
ところが、ある事件がきっかけで、ムンクは第一線に引き戻される。
小学校に上がる前の幼い女の子が木から吊るされているのが発見されたのだ。人形のようなドレスを着せられ、しかも首にはノルウェー航空の「I'm travering alone」のタグをかけられていた。
ムンクの復帰の条件はミアを連れ戻すこと。ムンクはミアが警察学校の学生だった自分に引き抜き、以来タッグを組んで事件を解決してきた秘蔵っ子だった。彼女はそれほど特別な才能に恵まれていたのだ。
今回もまた、ミアは写真をみただけで同様の事件はまた起こると見抜き、実際に次の犠牲者が発見される。しかも、この事件は2006年に女の赤ちゃんが連れ去られた事件と関わりがみられた。この事件はスウェーデン人看護師のヨアキム・ヴィークルンドが「誘拐の責任を取る」と書き残して自宅で首を吊ったが、赤ちゃんは発見されず、結局迷宮入りしてしまっていた。
そして最初の女の子パウリーネのバッグ書かれていた名前「JWリッケ」は、「ヨアキム・ヴィークルンドではない」という犯人からのメッセージだとミアはいうのだ。
事件の周囲には、謎めいた宗教団体が見え隠れし、ムンクの母親も全財産をその教会に寄附しようとしていた。
果たして犯人の目的は・・・
数学とクラシックと煙草をこよなく愛する太っちょのムンクと、第六感に優れ、アメリカ先住民のような面立ちとノルウェー人特有の青い瞳のミア。
こういうキャラも雰囲気も嫌いじゃない。「失踪者」とはうって変わってエンタメ性も強いつくり。
ただし、このボリュームからすれば価格はお高め。アマゾンの画像も昔の写メ並みなのに・・・
Kindle版だからなのかもしれないが、「訳者あとがき」もなく、全然関係ない研修本の適当文字だけ広告を見せられるのは確かに白ける。色々事情もあるのでしょうけども。
しかも、本書はシリーズものでUKではこの第二弾も好評だ。
版元はこの本が売れたら、そのお金で第二弾の版権をとるつもりなのかもしれないが、真面目な話、売りたいなら最初から文庫で出してくれなくちゃ。
今時こんな「ザ・死霊」みたいな装丁の、厚くもない本、よほどの人じゃない限り2,000円も出して買わない。
本書の著者のサミュエル・ビョルクはノルウェーの作家で日本初上陸だと思うのだが、本書にはほとんどなんの情報もない(少なくともKindle版にはない)。調べてみれば、著者は、いわゆるマルチタレントというやつらしく、シンガーソングライターで脚本家もこなすらしい。
小説デビューは本書らしいが、脚本家と聞いてなるほどと思うことしきり。
人形が着ている黄色いドレス、ミアの黒髪と青い瞳、ノルウェーの海岸に立つサマーハウス・・・
映像的でエンタメ性もあり、従来の「暗くて陰惨一辺倒路線、はいはい、北欧は大変なんですね・・・」的ではないのは買うが、個人的には二時間ドラマみたいというか、ややサクサクすぎている感じもしなくもない。
また、「ミレニアム」のリスベットのようなハッキング能力や直感像記憶といったはっきり名前のついた能力と異なり、ミアのそれが曖昧なものであることに不満を感じる人もいるかも。事件の真相についても、その経緯についても賛否あることだろう。
北欧ものからしばらく距離を置いていたせいかもしれないが、それでもなかなか面白かったかな。
ミアもムンクもこれだけキャラが立っているのに、返す返すもったいないなぁ!
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category: クライム・警察・探偵・リーガル