中津高架橋下 利用認めない判決

大阪の「中津高架橋」という陸橋の下のスペースを、80年にわたり利用してきた会社などが、工事を理由に大阪市が利用許可を更新せず、立ち退きを求めたのは不当だと訴えた裁判で、大阪地方裁判所は、「会社側に利用を認めるだけの理由がない」として、訴えを退けました。
大阪・北区にある「中津高架橋」の下では、およそ80年前から、倉庫会社などがスペースを利用するようになり、市の許可を得て営業してきました。
しかし、3年前、倉庫会社など2社と2人が、橋の耐震補強工事のためだとして、市から許可の更新を拒否され、突然、立ち退きを求められたということで、会社側は既得権益の打破を掲げる橋下前市長が、工事を口実に不当に立ち退きを迫ったと訴えていました。
30日の判決で、大阪地方裁判所の山田明裁判長は、「長年、橋の下の空間を使ってきたからといって、市が今後も利用を認める理由にはならない」として、会社側の訴えを退け、市の立ち退き要求を事実上、認めました。
倉庫会社の出口敏朗社長は、「長年、地域の街づくりに取り組んできた我々の努力を一切認めない、血も涙もない判決で、非常に残念だ。強引に立ち退きを迫る大阪市のやり方は到底、納得できない」と述べ、控訴する考えを明らかにしました。