日本動物園水族館協会(JAZA、東京都台東区)が、和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲したイルカの購入を禁じたことを受け、新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)と下関市立しものせき水族館「海響館」(山口県)は2日までに、JAZAを退会した。両館が明らかにした。
いずれも3月31日付。追い込み漁を巡っては、地元の太地町立くじらの博物館が2015年9月に退会している。
理由について新江ノ島水族館は「鯨類の繁殖研究を続けるには、地元の太地いさな組合などとの関係を維持する必要がある」、海響館は「追い込み漁は合法で、禁止するJAZAの方針を容認できない」と説明。退会によって両水族館は、太地町の追い込み漁で捕獲したイルカの購入が可能になる。両水族館の担当者は「すぐに購入する予定はない」と話した。
JAZAは「退会は残念。追い込み漁の方法は問題視されたが、ほかにも繁殖の方法はあり、検討会などで力を入れている」としている。
世界動物園水族館協会は15年、イルカ追い込み漁を「残酷だ」と問題視し、JAZAの会員資格を停止。JAZAは残留のため、追い込み漁で捕獲したイルカの購入を禁止した。