イルカ入手禁止で 山口と神奈川の水族館が団体退会
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全国の動物園や水族館でつくる団体、JAZA=日本動物園水族館協会が和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたイルカの入手を禁止したことを受けて、山口県と神奈川県の水族館が先月末で退会していたことがわかりました。これまでにも太地町の水族館など退会が相次ぎ、JAZAは「非常に残念だ」としています。
JAZA=日本動物園水族館協会は、和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたイルカを入手することについて、倫理規定に違反するという世界動物園水族館協会の指摘を受けて、おととし、加盟する水族館に対して禁止することを伝えました。
この問題を受けて、山口県下関市の水族館、海響館と、神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館が先月31日付でJAZAを退会したということです。
それぞれの施設はNHKの取材に対し、研究や展示に大きな影響はないとしています。
JAZAをめぐっては、これまでに太地町のくじらの博物館のほか、静岡県沼津市の水族館も退会しています。
海響館の石橋敏章館長は「JAZAの方針が捕鯨を推進する下関市の立場と整合性がとれないことも退会を決めた一因だ。全国各地の水族館が将来にわたって安定的にイルカを飼育していくという側面から見ると、今後、大きな支障が出てくるのではないか」と話しています。
JAZAの岡田尚憲事務局長は「加盟する全国の水族館が協力して、太地町で捕獲されたイルカに頼らず繁殖を進めていこうと動き始めたやさきだけに、非常に残念だ。繁殖は容易ではなく、しばらくは苦労すると思うが、全国の水族館で協力して、今後も繁殖の取り組みを進めていきたい」と話しています。
この問題を受けて、山口県下関市の水族館、海響館と、神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館が先月31日付でJAZAを退会したということです。
それぞれの施設はNHKの取材に対し、研究や展示に大きな影響はないとしています。
JAZAをめぐっては、これまでに太地町のくじらの博物館のほか、静岡県沼津市の水族館も退会しています。
海響館の石橋敏章館長は「JAZAの方針が捕鯨を推進する下関市の立場と整合性がとれないことも退会を決めた一因だ。全国各地の水族館が将来にわたって安定的にイルカを飼育していくという側面から見ると、今後、大きな支障が出てくるのではないか」と話しています。
JAZAの岡田尚憲事務局長は「加盟する全国の水族館が協力して、太地町で捕獲されたイルカに頼らず繁殖を進めていこうと動き始めたやさきだけに、非常に残念だ。繁殖は容易ではなく、しばらくは苦労すると思うが、全国の水族館で協力して、今後も繁殖の取り組みを進めていきたい」と話しています。
和歌山 太地町町長「連携・協力していきたい」
JAZA=日本動物園水族館協会から退会する水族館が相次いでいることについて、和歌山県太地町の三軒一高町長は「追い込み漁は知事の許可を得て合法的に行われているもので、退会する水族館から、今後、イルカを購入したいという申し出があれば、うれしいことだ。繁殖に関する研究なども含めて、連携・協力していければいいと思う」と話しています。
これまでの経緯
水族館で飼育するイルカをめぐっては、WAZA=世界動物園水族館協会がおととし4月、和歌山県太地町の追い込み漁によるイルカの入手方法が倫理規定に違反するとして、日本動物園水族館協会の会員資格を停止しました。
これを受けて、日本動物園水族館協会は、追い込み漁での入手を禁止するなどの方針をまとめ、おととし7月、会員資格が回復しました。
ただ、イルカのショーを実施している国内の多くの水族館は、これまで追い込み漁でイルカを入手してきたため、イルカの繁殖に必要な設備や技術、経験が不足している現状があり、今後もショーを続けていくためには、繁殖の態勢の整備が課題になっています。
このため、日本の協会は現在、専門の委員会で、イルカの繁殖に必要なノウハウを蓄積する取り組みを進めています。
これを受けて、日本動物園水族館協会は、追い込み漁での入手を禁止するなどの方針をまとめ、おととし7月、会員資格が回復しました。
ただ、イルカのショーを実施している国内の多くの水族館は、これまで追い込み漁でイルカを入手してきたため、イルカの繁殖に必要な設備や技術、経験が不足している現状があり、今後もショーを続けていくためには、繁殖の態勢の整備が課題になっています。
このため、日本の協会は現在、専門の委員会で、イルカの繁殖に必要なノウハウを蓄積する取り組みを進めています。