私は、この患者さんは、痛い、辛いという症状に悩んでいるので、この症状を治せると言い切る医者が欲しかったのではないか、と考えています。

 

「この薬や手術はこんな副作用も出る場合もありますが、あなたの症状ならガイドラインでこの治療方法が推奨されていますので、成功率は〇%の治療を進めます」

 

このように、本来、インフォームドコンセントといって、医療従事者側と患者さん側、双方の同意を得て医療は治療を進めるのです。

 

しかし、患者さんが欲しいのは、「私の症状が治るのか、治らないのか?」。その情報、ただその一点です。

 

医者が絶対治す、と言っているのだから、いつかは治るに違いない、と妄信してしまい、一番大切な症状改善度の評価が甘くなっていたのでしょう。

 

絶対治りたい、と思うのは人情です。しかし、この患者さんは“情”で動いた結果、「絶対治る」という甘い言葉に誘惑されたことに気づかず、治療を長引かせ、大切な時間をロスさせてしまいました。