2017年3月31日13時16分
■小野善康・大阪大特任教授
消費税は本来なら来月、8%から10%に引き上げられるはずだった。だが、景気への配慮などから、2019年10月まで延期された。それでも景気の回復は実感できず、物価上昇の兆しもない。このままでは再延期されかねない。
今、介護や保育などの公共サービスが十分ではないのは明らかだ。予定通り増税していれば、得られたはずの税収で何ができたか。ここで試算してみよう。
若者は収入が十分ではなく、結婚さえも難しい。結婚しても夫婦共働きを強いられ、子育てには、十分な保育サービスが欠かせない。ところが、子どもを保育園に預けるにも、入園は大変な競争で、昨年、流行語になった「保育園落ちた」が今年も繰り返されている。保育士不足は全国で10万人とも言われ、地域によっては希望者の半数が入園できないようだ。
一方、中高年は老後の不安を抱…
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