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雨上がりの柔らかい風が、春を孕んで暖かく吹く。
微風が微かに揺らす桜の枝には、ビーズのような滴を纏う小さな蕾。掻き分けられて堆積したまま冬を越え、すっかり凍り
ついていた物陰の残雪も、穏やかな雨と風に身をとろかされていた。
雲が散って薄れ、隙間から射す陽に照らされた、新学期が始まって間もない陽明商業の校門で…、
「どういうトコあるの?」
「えっとぉ…」
マットブラックのラブラドールレトリーバーと茶色い猪が、向き合って何やら話し込んでいた。
ラブラドールは筋肉質な長身に薄く脂肪を纏った体躯で、身長は180センチほど。一方で猪はドッシリした体格で、どこ
もかしこも太く丸く肥えたビア樽のような体型である。
「名所とかそういうの…。あ、名物とかは?」
「んっとぉ…」
「えーと、旅行客が見るべき「これだ!」ってトコとかは…」
「ん~…」
縁が赤い派手な伊達眼鏡をかけているラブラドールがあれこれ提案するも、糸目の猪は困り顔でうんうん唸るばかり。
少年達はどちらも相撲部員。遠くから遥々出稽古に来たラブラドールを持て成すため、同じ一年生の猪が地元観光のガイド
を勤める…はずだったのだが…。
「え、えーと…!じゃ、じゃあさ!銘菓とかそういうの買えるところは?」
「うぅ~んとぉ~…」
実は猪もこの春にこちらへ来たばかりで、地元に全く詳しくない。案内役としてはいまひとつ地元慣れが足りていなかった。
「だはは…。アレじゃあどっちがホストだか判んねーじゃん…」
提案能力皆無の猪と、提案してもまともな返事が貰えずに困っているラブラドールレトリーバーを遠目に眺め、ワシワシと
頭を掻いて苦笑いしているのは、大兵肥満のグレートピレニーズ。
でっぷりどっしり大きく肥えた体つきの、見上げるような巨漢である。被毛はあちこちで波頭のように跳ね癖がつき、顔立
ちもハンサムとは言い難いが、愛嬌があるその顔は歯を見せた笑いが良く似合い、魅力は充分にある。
暮戸力丸(くれどりきまる)。陽明商業二年、相撲部所属のエース選手。剛力と運動性能を兼ね備えた、二年にして早くも
北陸横綱の期待がかかる超重量級の相撲取りである。
「でも、ボ~っとしてるイナガワともちゃんと付き合えんだから、持ってんなーコミュパワー!」
「概ね誰とでも上手くやれるのが、トオルのよい所でね」
グレートピレニーズに応じたのは、白い巨漢と並んで立ち、肉付きが良過ぎる顎下に手を入れている虎。
大柄なクレドと並んでいると普通の身長に見えるが、実際にはかなりの大男である。全身に脂肪がついて極端に丸みを帯び
た体型で、瞼が半分降りた眠そうな顔をしているが、眼差しは思慮深く、声には落ち着きが、態度には貫禄があった。
虎杖雷(いたどりあずま)。青岳館高校二年生。武芸の地アイヅにおいて今世代最強と目される相撲部の若頭。「いなずま」
の通称で知られる全国大会常連の相撲取り。
ふたりはたっぷり立ち合い組み合って、お互いを認め合った角友である。
昨年秋、大連休を使って遠征し、アイヅでたっぷり歓待して貰った陽明相撲部は、約束どおり春になるなり訪れた青岳相撲
部と、二度目となる合同稽古を行なっている。
新年度一週目。バスを利用して深夜移動し、現地宿泊一日のみの土日遠征という強行スケジュールに多くの一年生が疲れを
見せていたが、二、三年生はいずれもタフで神経が太くバス内でしっかり体を休めてきており、初めて踏んだ陽明の土俵でも
全国屈指の武力を余すところ無く発揮した。
強行スケジュールはしかし今回が特別でもない。押しも押されもせぬ青岳相撲部は出稽古を受けるだけでなく、各地の様々
な強豪校へも遠征に赴く。バス宿泊で移動した先で二、三校梯子する事もザラなので、早めに慣れさせるためにも陽明遠征強
行は価値があった。
一方、新入部メンバーを加えた顔ぶれで、自分たちがして貰ったように「歓待」をおこなう陽明相撲部だが、いかんせんア
イヅとは土地柄が異なり、潤沢に土俵があるとは言えない。地元の相撲教室の稽古場や姉妹校の星陵相撲部の土俵などを借り
ているが、どうしても場所不足が出るため、歓待は前半組と後半組に分け、フリーになっている半数が観光などに勤しむ格好
になった。
規模や歓待の質で言えば陽明が大きく劣り、総合成績で言っても惨敗なのだが、青岳相撲部は相手校を軽んじたりはしない。
青岳の主将は陽明部員達を地元の学校と変わらない角友とみなしており、前顧問から申し送りされていた新顧問も、決して見
所に乏しくない陽明相撲部を評価していた。
「で、どーだ?ウチのイナガワ」
クレドが自校のルーキーについて感想を求めると、イタドリは「ふむ…」と顎から手を離し、腕を組む。
「そうさな…。一言でいうと「苦手な部類」になるかね」
「だは?お前さんが苦手ぇー?」
意外だという顔を見せたクレドに、イタドリは首を縮める。肉付きが良過ぎるので、その仕草をすると首が埋まって見えた。
「儂にも得手不得手はあるよ。ああいう手合いはどちらかといえば苦手だ。膂力と重さにあの突進力、小手先の技は粉砕して
突き進む。先手を食らってなお沈まず、怯まず、猛進を続けるあのタフさも骨が折れる」
肥満虎の好評価を聞いた白犬は、後輩を褒められて我が事のように「でへ~っ!」とデレデレの顔になり、尻尾をバフバフ
振った。
「やっぱイイと思うかー!?オレもさー、イナガワ気に入ってんだよなー!」
「あまり器用な性質ではないようだが、あの迷いの無い一点突破は実に清々しい。強いて言うなら、見た目に反して意外にも
と言うか何と言うか、四つに組んでからの対応力と柔軟性に欠けるところが気にはなるが…、」
「中学ん時の先生も仲間も相撲やった事なくて、やれる事だけ特訓したって言ってたぜぃ」
「それなら合点がいく。自分の得手を活かす事に特化したという訳かね。だが、たぶんもう四つ相撲も仕込んどるね?」
「おうよ。てっつぁんとツジムロの二人がかりで、組んでの駆け引き特訓中だぜぃ」
「なるほど。それは手強くなるな」
「で、そっちはどーだ?」
「ふむ?」
顔を向けて見上げてきたイタドリに、クレドは「ルーキーだって」と前方を指差す。
越して来たばかりで自分も地元に詳しくないイナガワに、案内されるはずのクロエが困り果てていた。
「まぁ…、見ての通りだ」
「通りかー」
「うむ」
「困んなー」
「困る?」
「トオル鬼強ぇじゃん?イナガワ同じ学年じゃん?全国で当たったらイナガワまじやべーじゃん」
「ふむ…。しかしそれはどうだろう」
気が早い、とはイタドリも言わなかった。今年は判らないが、間違いなくふたりとも全国へ行ける器だと、双方信じて疑わ
ない。相変わらず出発できない後輩達を、揃って見遣った両校のエースは…。
「とりあえず、土俵外では勝負あったな。トオルがタジタジだ」
軍配は猪。というイタドリの意見に、
「いや~、ホームグラウンドでリードできねーイナガワの負けだぜぃ」
クレドは困ったような顔で応じる。
「性格なんだろーけどなー、ハキハキしてねーからなー、おっとりし過ぎっつーかさー、友達も相手によりけりっつーかさー、
だはー…」
「つまり、リードしてくれるような相手でないと、あるいは根気強いような相手でないと、上手く行かないという事かね?」
「それー。そんな感じ…」
「お疲れ様です!」
突然後ろの方から投げられた声に、クレドは言葉を切ってバッと振り返り、イタドリはゆっくり向き直った。
ふたりの後ろから小走りにやってきたのは、ジャージ姿の一年生。小柄で細身の茶色い柴犬である。
「だは?マシバ、主将の世話じゃなかったっけ?」
新米マネージャーに首を傾げて問うクレド。
現在、陽明の相撲道場では両校の主将が歓待戦の最中。新人の柴犬は経験と勉強のため、世話役として稽古場に残る事を許
されたはずだった。
「主将が急に、イナガワ君だけで案内できるのか?って言い出して…」
柴犬はクレドに答えつつ校門の方へ目を向けて、「…的中」と眉を潜めた。
「手伝いに行きますから、失礼します」
ペコンとお辞儀し、猪のところへ向かおうとした柴犬は、
「あ!オレも行くかー?」
クレドが尻尾を立てて自分の顔を指差すと、「い、いえ!」としゃっきり背筋を伸ばし、首を素早く左右に振って応じた。
「だ、大丈夫です!先輩達はどうぞごゆっくり!」
少し硬い笑みを見せた柴犬は、猪とラブラドールレトリーバーへ小走りに駆け寄ってゆく。「おお、頼むぜぃ!」と笑顔で
手を上げ、見送ったクレドだったが…。
(ふむ?)
イタドリは気付いた。陽気に送り出した白犬の尾が、すぐさま元気を失ったように垂れた事に。
「クロダブチ主将から窺ったが…、マシバ君は本当に、相撲経験もマネージャー経験も無いのかね?」
肥満虎の言葉に「おうよ」と頷くクレド。その目は…、なに?なに?ウチのジャーマネ気になる?気になるかやっぱー?だ
はー!だよなー!美人だろー!…と、妙に輝いていた。
「大相撲が好きで、ずっとテレビで観てたらしーぜぃ!真面目だしよく気が付くし覚えも早ーし、ジャーマネ素質才能ポテン
シャルありありだぜぃ!」
「だから、おかしいと思ったのだがね」
「だは?おかしい?何が?」
「………」
イタドリは意外そうに少し瞼を上げ、きょとんとしているクレドの顔を見上げた。
「気付いとらんのかね?リキマル」
「うぇ?何に?」
「彼は今日の合同稽古中、クロダブチ主将とも、ツジムロ副主将とも、ちょくちょく話をしとった。取り口についてどう観て
いたか?と問われる形で、かなり仔細な意見を交えて」
「だなー。…そいつがどーかしたのか?」
「テレビ観戦が趣味の、いわば素人だった新人マネージャーという事だが…、あのふたりが選手でもないマシバ君にも意見を
訊くのかね?」
「混ぜてやんねーと可哀相だってオレが言ったからなー。意見交換は他の部員と同じにやるぜぃ?」
「なるほど。…それで、儂がおかしいと感じた事だが…」
「おうよ」
「何故、実践者同士の細かに込み入った会話についていけるのかね?」
「だはは!そりゃー…」
何だそんな事かー、と笑顔で応じかけたクレドは…。
「…うぇ!?そういや何で!?」
相撲取りでもない柴犬が普通に…というよりも、やたら入り組んだ細かい相撲論になるクロダブチとツジムロの話に加われ
る事の奇妙さに初めて気付く。
「もはや普通の「好き」レベルではないのかもしれんよ。それこそミッチリ勉強して知識を深めでもしなければ、クロダブチ
主将達と相撲の話などできんと思うがね」
「は~…、そっかー…。勉強してんのかー…」
感心するクレドをよそに、イタドリは思う。
(もっとも、「おかしい」という表現も生易しいのかもしれんな)
数十分前、合同稽古の終盤。誰もが期待して観戦を望んでいた「白い荒波」と「浅黄稲妻」の一番において、肥満虎は気が
付いた。
(おそらく彼には儂の動きが「視え」て、何をしとるのかも判っとったのだろう。目の良さはトオル並みか…)
「…でなー?面倒見もよくてさー、さっきみてーに喋んの苦手なイナガワ手伝ったり、入部届けの書き方で困ってたマツモト
手伝ったり、働きモンだし親切だし優しーし性格も良いんだぜーぃ!だはー!ちょーっと遠慮っつーか、かてートコあるけど
さー!でへへぇ~!」
熟考するイタドリの横で、訊かれてもいないのにマネージャーについて喋り続けていたクレドは、
「で、君は彼に惚れこんどる訳だ」
「そーそー!もうすっかりなー!いーよなーマシバ!可愛いし、ぷりちーだし、きゅーとだし、全部可愛いじゃん?だはー!」
手を叩いて喜びながらデレデレに緩んだ顔で応じたクレドは…、
「…ふむ…」
「…だは…」
顎下に手を当てたイタドリと見つめあい、ダラダラ汗を流し始め…、
「だはーっ!?ゆーどーじんもーん!?」
頭を抱えて仰け反る。
「誘導尋問などしとらんよ?儂はストレートに訊いただけ、君もストレートに答えただけだ」
誤魔化し…ではなく本心である。あまりにデレデレだったので隠す気も無いのだろうと考えたイタドリは、普通に確認した
だけ。
「その様子だと、付き合っとるわけではないのかね?」
「そりゃそーじゃん!?会ったばっかじゃん!?マシバ新入生じゃん!?」
身振り手振りを交えて訴えるクレドだが、同性に惚れているだの、付き合っていないだの、なかなかにスタンダードから外
れた話をイタドリとしている事自体には頓着していない。青岳相撲部では比較的オープンに「そういった事」を口にしていた
部員が居ると、相撲部の同輩経由で知っていたので。そんなクレドに「ふむ」と頷いたイタドリは…。
「で、いつ告白する予定かね?」
「予定は…、未定だぜぃ。準備できたら…」
ワシワシ頭を掻くグレートピレニーズ。
「準備とは何かね?告白用の花束かな?」
発想がなかなかに古典的な肥満虎へ、クレドは「…も…」と発して口ごもる。
「ふむ?「も」?」
「も…、モテ値が上がったら…」
「もてち」
パワフルにバカっぽいが凄まじく分かり易いワードをリピートした肥満虎は…、
「…ふむ…。ふふ…」
小さく顎を引いてから笑いをこぼす。
「何だよ~」
ふてくされたような顔になったクレドに、「いや済まんね」と目を細め、
「意外に感じた物でね。土俵での積極性と豪胆さ、普段の物怖じしない社交力から見て、君がこういった事で踏み出しに迷う
とは思わなんだ」
「仕方ねーじゃん?オレ不細工だし、デブだし、勝ち目薄いじゃん?勝負に出る前にモテ値上げねーと、ノーサンキューされ
てダメダメ玉砕じゃん?」
口を尖らせるクレドに、イタドリは「充分に魅力的だと思うがね」と気安く応じる。本人はどうだか判らないし、ノンケは
どうだか知りもしないが、イタドリの目に映るクレドは決して魅力に欠けてはいない。むしろ、この巨漢の目を見張るような
戦歴や、それを鼻にかけない気さくで飾らない性分を思えば、想われるだけで名誉だろうとすら感じる。
(それに儂が見たところ、彼の方も…)
おそらく柴犬の方もクレドを憎からず想っている。出会って間もない上に先輩後輩という間柄でもあり、遠慮や様子見もあっ
て態度が硬くなる典型だろうと感じたイタドリは…、
「でもなー。馴れてねーからなのか、マシバ余所余所しーんだよなー…。ウザがられてんのかなー…。寮もおんなじだから、
一緒に帰ろうぜぃ?って誘ったり、飯食ってこうぜぃ?って誘ったり、いろいろやってんだけどさー…。いっつも首ブンブン
振って断られんだ。だはぁ~…」
悶々悩むグレートピレニーズが面白いので、あえて黙っておく事にした。
思慮深く礼儀正しく腕も立ち、、落ち着きと貫禄がある「相撲部の若頭」。…という評判と印象のイタドリだが、中身は基
本的に「酔狂な悪戯っ子」である。弄るのは親しい相手に限られるので対外的には先述の評価になっているが…。
「それで、モテ値を上げるために何をしとるのかね?」
「毛艶が良くなるように栄養ありそうな具で鍋作って夜食にしてるぜぃ」
外見に気をつける心がけは判らないでもないが、体型ではなく毛艶に目が向くクレド。
「あと臭いな。体臭改善にいいって聞いたから、鍋にニンジンとキノコ多く入れるようにしてるぜぃ」
どうあっても食事で打開するつもりらしいクレドだが、その巨体と部屋に染み込んでいる大半の匂いはそもそも鍋から移っ
たもの…、特に味噌とキムチが汗と結合したハイブリッドスメルである。だいたいにして毛の量が多いのでそれだけ臭いもつ
き易い。
「あと鍋の具を魚多めにして…」
底が見えない鍋への信仰心に基いたモテ値上げを語るクレドに、しばし「ふむ」「ふむ」と相槌を打っていたイタドリは…。
「実戦的なところはどうなのかね?」
「だは?実戦的?」
「うむ。つまり…、君が今やっとる事は、相撲で言うならば「稽古」だ」
「だなー」
「そして相撲で言うならば、土俵で戦うためには実際に使用する「力や技」は不可欠だろう?」
「おうよ!そうだな!」
例えられると途端に飲み込みが早くなる相撲脳。
「で、君はその辺りについてどうしとるのかな?と…」
「だはー!?やべー!何もしてねーじゃん!?」
頭を抱えて大きく仰け反るクレド。例え話によって「相撲」と「稽古」と「実戦」へ強引に置き換えられてしまったので、
気付けなかった。そもそもいま自分は付き合ってからの事を考えるどころか告白方法について考えるべきなのだという事に。
「儂でよければ」
肥満虎は言う。半眼にひっそりと、楽しい悪戯を思いついた悪ガキの光を秘めて。
「手伝うのも、やぶさかではないが?」
「マジで!?」
この辺りは今も昔も単純王。クレドは一片の疑いもなくイタドリの提案に飛びついた。
「ここ、先代主将の実家なんだって。この辺りじゃかなり上位の人気店らしいよ。ウェイターのアルバイトがトレーニングに
なるからって、先輩達も結構アルバイトで入ってるんだ」
地元の憩いスポットである狸一家の和菓子かふぇ。そのオープンテラスの四人掛け席で、ラブラドールを案内した柴犬は、
引っ越して来てから急いで調べて頑張って覚えた人気スポットの脳内纏めを総動員し、ガイド役をこなす。その横で…。
「へ…」
「へぇ~」
一応地元民であるところの猪から、テーブルを挟んだラブラドールより一瞬先に「1へぇ」が入った。
「あれ?イナガワ君も知らなかったの!?」
驚いて横を向く柴犬。聞いたような気もするし初耳の気もするし…と曖昧に首を傾げる猪。そこへ「実はさ」と、間を繋ぐ
ようにラブラドールレトリーバーが声を挟んで橋にする。
「うちのアズマ先輩…、あ、イタドリ先輩ね?虎の。あのひとの家も和菓子屋なんだよ」
「あ、そうだったんだ?じゃあ他のところが良かったかな…」
馴染みの味と違って舌に合わないだろうかと、耳を倒した柴犬に、「そんな事ないよ!」と笑顔で応じるラブラドール。
「香りがいいよ、この白玉ぜんざい!」
「あ、やっぱり判る?同感!一味…っていうか一匂い?違うよね!」
案内した店に好感を持ってくれたラブラドールに、ホッとした様子で同感だと語る柴犬。その隣で、猪はモムモムと口の中
で白玉を転がしていた。美味しいのかそうでないのか、いつもと変わらないポヤンとした顔と糸目からは全く判らない。
(なんかこう取り組みの時と違うな…)
(試合中と雰囲気全然違うんだよね…)
ラブラドールと柴犬は、大人しい上に口数が少ないせいで置き物のような印象がある猪をチラリと見遣って、似たような事
を考えた。
「一味違う空気だな」
「あ。やっぱ判るかー?」
学生寮のクレドの部屋、案内されたイタドリが開口一番匂いについて言及すると、クレドは頭に手をやって舌を出した。
部屋の中央に置かれたコタツの上には、卓上コンロと土鍋。しめにおじやをした後、片付けもしないで12時間以上放置し
ていたので、鍋の中はカサカサになっている。
学生の寮としては破格の環境と言える、そこそこ広い独り部屋。しかしクレドのサイズを考えるとさほど空間に余りがある
わけでもない。
「だいたい毎日ダチと鍋してんだー」
「ふむ。たんぱく質は大事だ。煮込んで吸収がよくなるのも良い。体造りに鍋は適しとる」
こまめに買い込んで冷蔵庫に常備しているモフシェイクを出し、仲間達とそうするようにコタツにつき、鍋を少し脇にずら
してイタドリと向き合ったクレドは、
「まず、未来予想図から聞きたいところだ」
と言われて「だは?」と首を捻る。
「付き合ってどうしたいか?という事だ」
「そりゃあ決まってるぜぃ!」
バニラシェイクをズッコズッコ飲みながらクレドは述べる。
一緒にモフバーガーに行きたい。
一緒に映画に行きたい。
一緒にラーメン屋に行きたい。
一緒に海に行きたい。
一緒に鰻重を食いたい。
一緒に文化祭巡りしたい。
一緒に祭りの出店巡りしたい。
一緒に初詣したい。
あとクリスマスとバレンタインとホワイトデーとハロウィンと…とにかくイベント的な物には積極的に乗っかっていきたい。
今風(なう)な若者(やんぐ)として。
「ふむ。具体的で分かり易い」
チョコシェイクをジュルジュル吸いながらイタドリは応じる。ナウなヤングとしてイベントに積極的に乗る…、という言い
方が既に今風の若者とは言い難いと感じたが、そこは黙っておいた。
「それで…、それだけなのかね?」
「それだけって?」
「例えばその先は?」
「先?」
とりあえず恋人を作る。なるべく急いで。幼馴染と約束した競争だから。と、そんな事ばかり考えていたクレドは、ピンと
こなくてパチパチ瞬きした。
「つまり、身を重ねてキャッキャウフフ…、という類の事は考えとらんのかね?」
デブトラアイが静かに光る。
「そ、そりゃー…」
首を引いてたじろぐクレド。
「そのぉー…」
目を泳がせるクレド。
「でへへへぇ~っ!」
舌を出してデレデレの照れ笑いをするクレド。
「ふむ。やはりスケベな事もシッカリやりたい、と…」
「うぇ!?ストレートだなー言い方ー!」
「スケベはしたい、と」
「だはーっ!何で二回言うんだー!?」
「大切な事なのでね。…と、いう事であれば、だ…」
たっぷりした顎を手で押さえ、イタドリは言った。
「「幸い」にも、床相撲についてのアドバイスならばできる。いざという時に何をしたら良いか判らない…、そんなある意味
人生のピンチに大活躍するだろう知識を、だ。君が来たるべきその局面を迎えた時、無力さに涙したり、打ちひしがれたり、
途方に暮れたりせんように…」
言い回しは何やら壮大だが、ようするにベッドでレッスルハッスルする手法を教えよう、とのたまうイタドリに…、
「………」
目を丸くしたクレドは…、
「…いっちょ、お願いするぜぃ!」
超やる気で乗っかるのだった。
(840円内税足す1,050円内税足す600円内税足す800円外税足す税額40円足す…)
商品を手に取り値段に目を光らせ日持ちを確認しつつ高速暗算。色んなところから土産物を頼まれつつお餞別という名の品
代を渡されているので、ラブラドールは必死こいてレトリーブ。取って来いされた犬の如く使命を果たす。
お土産ならば百貨店。と、ラブラドールレトリーバーの要望を聞いた柴犬は無難に案内し、一行は駅前の大型店舗へ足を運
んでいた。
「うんとぉ、お菓子ならチーズマンとぉ、スイートポテトとぉ、塩キンツバ…。あとぉ~…、ひっぱり餅とかぁ…」
品物を選別する黒ラブの横では、糸目のビア樽猪がうんうん唸って思い出しながら菓子情報を提供している。
「イナガワ君、詳しいんだ?」
意外そうな柴犬に、猪は「ん~…」と少し考え…。
「詳しくないけどぉ、オススメの美味しい菓子だってクレド先輩がゆってた。たくさん食べてでっかくなれぇ、って」
納得した柴犬は、菓子箱ツムツムしているラブラドールの土産量がそろそろ気になってきた。無駄に冴え渡るバランス感覚
の賜物で、土産品が軽くタワーゲームになっている。
「そんなに買い込んで行くと、持ち帰りが大変じゃないかな?」
配達が頼める窓口もあるよ、とアドバイスする柴犬に、ラブラドールレトリーバーは「大丈夫550円内税!」と若干漏れ
出した思考が混入している謎の返事。
「このために超でっかいスポーツバッグ用意してきたからね1,200円税別!」
背中を向け、べしゃっと潰して畳んでいるバッグを見せた黒犬に、柴犬はパンと手を打った。
「わあ!それならたっぷり入るね!」
「ふむ。たっぷり入るな」
「うえぇ…!腹ん中が冷てー…!芯から冷えるぅ…!んおぉ…!」
学生寮の浴場、冷たく硬いタイルに突っ伏し、フルフル震える白い巨体。イタドリが握って持ち上げている尻尾の付け根…
その下では、掃除用ゴムホースが肛門に直結されている。
床相撲のいろはを教えるイタドリは、まず直腸洗浄のレクチャーから入った。勿論、誰かに目撃されないよう、浴室の内鍵
は抜かりなくかけてある。最初はロック。
勢い弱めに尻から水を入れられるクレドは、異物感に耐えて我慢する。
「う~…!は、腹がゴロゴロするぜぃ…!落ち着かねー…!んおぉ…!」
四つん這いになっている巨漢の股間では、冷やされたのと圧力がかかったのが前立腺への刺激になったのか、逸物が硬くなっ
ている。重力に引かれて下がった腹に触れた先端では、包皮口に透明な汁が溜まっていた。
(ふむ。絶景かな絶景かな…)
尻側で胡坐をかいている肥満虎の目には完璧に悪戯小僧の光が浮かんでいるが、クレドには見えていない。それが幸か不幸
かはさておいて。
「そろそろ限界かね?」
脇から手を入れたイタドリが、クレドの下腹部を弾ませるように揺すると、白犬は「おふっ…!」と妙な声を漏らす。
「や、やめれぇ~…!は、腹苦しー…!もうパンパンだぜぃ…!」
「ふむ。ではそろそろ止めようか」
舌を出して苦しげに喘ぐクレドは、背後でキュッと音が鳴ると、ほっと息を吐き出し…。
「だはぁっ!?逆ぅ~っ!」
「おっと済まんね」
水流の勢いが増して叫んだ白犬へ、意図的に間違えてコック全開にした虎は涼しい顔で詫び、今度こそ水を止めた。
「ホースを抜いたら尻を締めてトイレへ直行だ。ところで、これは馴れるとシャワーヘッドを押し当ててやる事もできるのだ
が…、寮生で共用という事を考えれば、そちらは避けた方がいいだろう」
真面目な顔をして語るイタドリ…の手はしかし、膨れたクレドの腹を下からボヨボヨ揺すって弾ませ続け、だはだは言わせ
ている。
「まぁ、一杯にまでする必要は実はない」
「うぇあっ!?」
凄まじい勢いで顔だけ振り返ったクレドの垂れ耳が、遠心力で水平に伸びて唸った。
「中を綺麗にするのが目的なのでね。数度に分けて少量入れても…」
「じゃー何で一杯にしたんだー!?」
歯を剥いて抗議したクレドは…、
「限界を知るのは必要な事だと思わんかね?」
「なるほど!」
チョロかった。
「大丈夫?入る?」
柴犬が不安げに見つめる先では、お土産を公園のベンチで広げ、スポーツバッグに収めようと悪戦苦闘しているラブラドー
ルレトリーバー。
バッグの口を掴んで広げている猪は、自分も欲しくなったのか単に空腹なのか、スイートポテトの箱をじっと見て唾を飲ん
でいた。
「収まるはずなんだけどね…。う~ん、まだデッドスペースがあるな。目算だとピッタリ収まるはずなんだけど…」
「買い物しながら入る量も考えてたんだ…」
「これを底に入れて、こっちを脇に…。それからこれを上にして、袋物を後からつめて…」
ブツブツ言いながらパズルトライするラブラドールは、
「ほら、入った!」
ジッとジッパーを締めて、パンパンになったスポーツバッグを見下ろし、満足げに笑った。
「では力を抜いて…」
舐めてたっぷり唾液で湿らせた指を、仰向けになって脚を開いたクレドの尻に近付けるイタドリ。
「大丈夫か?入んのかソレー?」
戻った自室の床で仰向けになり、首を起こして不安げに覗う白犬。イタドリの手元が見えない事がなおさら不安を煽る。何
せ肥満虎の指は関節もさる事ながら肉付きが良すぎてやたら太い。尻に挿入すると聞いたクレドが心配になるのも無理はない
サイズである。白犬の睾丸は縮こまり、陰茎はすっかり萎んで短くなっていた。
「まずは深呼吸だ」
「すー…、はー…」
「では」
ズプッ。
「だはぁあっ!?」
行くぞも何もあったものではない。深呼吸して力を緩めた瞬間を見計らい、電光石火で根元まで指を突っ込まれたクレドは、
肛門を押し開かれる感覚で全身の毛を逆立てた。
軽い痛みはあるが、先にホースを突っ込まれて拡げられている。イタドリは指一本分であればほぐしも必要ないと考え、初
心者のクレドが変に緊張を高める前にと事を進める。
「ほら、入った」
「い、いきなり過ぎだぜぃ!…あっふ!」
抗議したクレドの口から息混じりの声が漏れる。肛門から入ったイタドリの指が関節を曲げて、指の腹で腸壁越しに何かを
クッ、クッ、と押している。
「だは、ふ…!な、何か…!弄ってるトコ、がぁ…」
「ここが前立腺だ。快感の中枢だな」
クレドの肛門がギュウッと締め付けを強めるが、イタドリは立てた尻尾を左右にくねらせながらその反応を面白がり、指の
腹で前立腺をマッサージする。
「いい反応だ。反応があると相手も喜ぶ…、これもポイントだ」
「はふぅっ…!ぶふぅっ…!んっ、あ…!」
恥かしさだけでなく、妙な感覚と体の火照りに耐えかねて、両手で顔を覆うクレド。その股間では陰茎がムクムクと大きく
なっている。
「ふむ。どうやら君にはウケの資質があるようだ」
「へ、変な感じして、た、堪んねー…!ちょっと、ちょっとタンマ…!んうっ!ストップ…、んあぁっ!」
クッチュクッチュと尻をほじくり回されて悶えるクレドの、初々しい仕草を堪能し、舌なめずりする肥満虎。その股間では、
太い上に根元が深く肉に埋没しているせいで極端に短く見える陰茎が完全勃起。むき出しになった亀頭は充血してパツンパツ
ンに膨れ、鈴口からはダラダラとヨダレが溢れている。
(ふむ。絶景かな絶景かな)
北陸横綱と見込まれる全国屈指の若武者が、尻を弄られ初々しい痴態を晒して悶える様は、なかなかにクる物がある。なし
くずしにこの状況に持ち込んだ甲斐があったと、ベロリと口周りを舐める肥満虎。もはやその半眼は完全に楽しい悪戯に没頭
する時のエロトラアイ。
嫌よ嫌よも好きの内。お弁当なら幕の内。休憩や中断を乞われても応じる理由は一つもない。汗でぐっしょりになり、腹を
ふいごのように上下させ、怒張した陰茎をヒクヒクさせているクレドの姿を、精密に子細に余すところ無く脳内HDに焼き付
ける。
「あっ、だはっ!だっふ!だ、だ、だめ…!」
鼻にかかった声を漏らすクレドの口の端からは、溢れた唾液が垂れていた。両手で隠したきつく瞑ったその目尻にも、涙の
小粒が玉を作っている。
充分にほぐれただろうと考えたイタドリは、そこで一度指を抜いた。
「だっは!」
チュポンと指が抜かれた尻穴の何ともいえない感覚に、クレドは声を裏返す。
「お、終わり、かー…?」
はぁはぁ息をつきながら、顔を覆う手を除けたクレドは、
…ズブリ。
「だぁっはぁああああああああああああ!?」
一度抜かれた指が増えて戻ると、尻穴をこじ開けられる苦しさに耐えかね、身を跳ねさせた。
「あいっ…だぁあああっは!」
「堪え所だ。辛抱辛抱」
涼しい口調のデブトラは、言いながらも挿入した二本の指をバタ足させる。
「んおっ、おおうっ!おうっふ!おふおっ!」
頭を抱えて仰け反るクレドの背中が、ブリッジ気味に床から浮いた。
「は、腹の奥が…!熱くて…!んあっ!ジンジン、するぅ…!だふっ!?」
イタドリが揃えた指をググッと曲げて前立腺を強く押し込むと、クレドはブルルッと身震いした。
「そろそろ温まってきたかね?では、ここからが本ば…ん?」
肥満虎の半眼がゆっくり下を向く。
「は、はひゅ…!ひんぐ…!ふぐぅ…!」
肥えた体をブルブル小刻みに震わせるグレートピレニーズの、怒張しきった陰茎から、ダラダラと、白濁した液体が搾り出
されるように溢れていた。
「ふむ…。デビュー戦でトコロテンとは…、まさに期待の大型新人と言える」
絶頂に至ってぐったり脱力するクレドを見下ろして、肥満虎は空いている手を自分の股間に降ろすと、いきり立った陰茎を
握った。
「とはいえ、せっかくなので儂も気持ちよくなりたいものだ」
ニタリと笑みを作った口を、脂の乗った太い舌が舐め回した。
「期待の大型新人?」
夕暮れ迫る公園で、並んで座った柴犬にラブラドールが聞き返す。
「うん。面と向かって言ったりしてないけど、先輩達はイナガワ君をそう見てるっぽいよ」
「納得…」
黒犬は左右で色が異なる目を公園入り口に向けた。猪は根元付近で切れた短い尾をピコピコ上下させながら、移動販売のた
こ焼き屋に行儀よく並んで待っている。
「中学の時にクレド先輩と何回か試合した事があるんだって。その頃から注目してたみたい」
「頭一つ分は抜けて見えたろうなぁ…。馬力が半端じゃない」
ラブラドールは応じる。肥満虎も評価していた事を思い出しながら。そして柴犬は…。
「クロエ君の相撲、変わってるよね?取り口は技巧寄りで正統派だけど…、狙い所が巧いのかな?時々実際のスピード以上に
速く見えるよね?凄いなぁ」
普通に、何でもなく、さらりと投げかけられたその言葉に、ラブラドールはゾクッと軽く寒気を覚えた。
狙い所が良い。実際のスピード以上に速く見える。それらはまさに彼独特の相撲の、本来は表面化しない持ち味の一部だっ
た。その「表面化しないが故の質の悟られ難さ」も含めて。それが…。
(…え?何で?だってマシバ君って、相撲経験なしで、マネージャーも今年からって…)
しかし小柄で華奢な柴犬は、自分が口にした事でラブラドールがどれだけ驚いているのかも気付かず、感心した様子で褒め
続ける。少し興奮しているのか、尻尾を軽く振っていた。
(「期待の大型新人」…)
果たしてそれは、猪だけだろうか?
この小さな柴犬が持った資質に、陽明の部員達は気付いているのだろうか?
ラブラドールは前に視線を移す。たこ焼きを五パック買い込んだ猪が、嬉しそうに微笑しながらノッソノッソと帰ってきた。
「全国で、会えるかも」
「え?」
ポツリと漏らしたラブラドールを、柴犬はきょとんと見遣った。
一方その頃、染み付いた鍋臭さから一転して雄臭くなった部屋の中。斜陽が窓越しに射る床に胡坐をかき、向き合った全裸
の大男二匹は…。
「…際に注意が必要なのは、歯を立てんよう気をつける事だ」
「おうよ。…歯、を、立て、ねー、…っと」
「大して痛くなかろうと、気持ちよくなっとる最中に痛覚が刺激されると萎えてしまう場合もある」
「気持ち、いい、時に、いてー、と、なえ、る、…っと。オーケーだぜぃ」
色事レクチャー続行中。イタドリがアドバイスし、クレドは尻がジンジンするのも忘れて真面目に雑なメモを取っている。
なお、現在はエロトラ講義第三章「フェラについての心得」。
「アズマすげー詳しーのなー!やっぱ彼氏持ちは違うぜぃ!」
異様に詳しいイタドリにすっかり感心してしまったクレドだったが…。
「ふむ?儂は独り身だが?」
「だは?違うのか?」
肥満虎の返答で目を丸くする。
「でも好きなヤツは居んだろー?」
そのクレドの問いに、イタドリは微苦笑を見せて…。
「…特におらんよ」
「嘘だー」
即座に言われて「ふむ?」と眉を上げた。
「何故、嘘だと思ったのかね?」
「…だは?」
言ったクレドも首を傾げる。特に嘘くさい様子もなかったのに、どうして「違う」と感じたのか、自分でも判らなかった。
「あれー?何でだろなー?」
「…ふむ…」
顎に手を当てたイタドリは…、
「嘘、か…」
しみじみと、物憂げに呟いていた。
「あ、そーだ」
思い出したようにポンと手を打つクレド。
「これ、てっつぁんも知った方がいーぜぃ!てっつぁん恋愛初級者だし、コダマ先輩とキャッキャウフフすんのに必要だー!
後で教えてやるぜぃ!コダマ先輩も喜ぶぜぃきっと!だはは!」
「ふむ…」
肥満虎は目を細め、クレドがそれを実行しようとした際に彼の兄貴分である鉄人がどんな反応を見せ、結果として白犬がど
うなるか想像を巡らせ…。
「尻尾の無事を祈る」
でも止めなかった。
アスタラビスタ、尻尾。