〈時代の正体〉侮辱3割、入居拒否4割 法務省が在日外国人調査
- 社会|神奈川新聞|
- 公開:2017/04/01 02:00 更新:2017/04/01 06:30
【時代の正体取材班=石橋 学】法務省は31日、日本に住む外国人に対する差別について初めて行った実態調査の結果を発表した。過去5年間に外国人であることを理由に侮辱されるなど差別的な発言を受けた経験を全体の3割近くが持ち、入居差別は4割近く、就職差別は4人に1人が受けていた。人権を損なう深刻な人種差別が日常生活で横行している現状が浮き彫りになった。
2016年11月14日~12月5日に実施。横浜、川崎、相模原市を含む全国37自治体の1万8500人(18歳以上)を対象に4252人から回答を得た。国籍・出身地域別は中国と韓国で過半数を占め、フィリピン、ブラジルと続く。
差別的な発言を受けた経験を尋ねたところ1269人が「ある」(29・8%)と回答。「誰から言われたか」(複数回答)は「見知らぬ人」が676人(53・3%)で最多だった。
「外国人であることを理由に入居を断られた」は39・3%で「日本人の保証人がいないことを理由に入居を断られた」も41・2%に上った。「就職を断られた」は25・0%で、「同じ仕事で日本人より賃金が安い」(19・6%)といった就労条件での差別の存在も浮かび上がった。
外国人の排斥を叫ぶヘイトスピーチデモ・街宣に触れる経験は「テレビ、新聞、雑誌など」(42・9%)、「インターネット」(33・3%)などメディアを通じてが多く、39・2%が不快に感じただけでなく、13・2%が日本での生活に不安や恐怖を抱いていた。ネット利用者3396人のうち41・6%が差別的な記述を目にし、19・8%は被害を避けるため利用を控えるという実害も生じている。
一方、差別を受けてどこかに相談した人は11・4%で、法務局の人権相談窓口を知っている人も12・3%にとどまった。
東京五輪・パラリンピックを控え、在日外国人の増加やヘイトスピーチの横行などの社会情勢を受けて実施された全国調査の結果は、人種差別を禁じる法律がないという根本の問題を突きつけるものとなった。
差別がいかに広範に根付いているか。例えば、差別的な発言を「誰から言われたか」に対する回答(複数回答)は「見知らぬ人」53・3%を最多に、「職場の上司や同僚・部下、取引先」38・0%、「近隣の住民」19・3%、「店・レストランの従業員」15・8%、「公務員や公共交通機関の職員」12・9%、「日本人の知人・友人」12・4%、「学校の教師や生徒、生徒の保護者」10・5%と続く。浮かび上がるのは、日常のあらゆる場面で野放しとなっている人権侵害の現実だ。
未然防止策について法務省人権擁護局は「現状では啓発を進めるしかない」と話すが、従来の枠組みを出ない対応こそが新たな立法の必要性を物語る。
国を先取りする形で、ヘイトデモの被害を受けてきた川崎市を筆頭に人権擁護条例制定へ各自治体の動きが広がる。...
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2016年11月14日~12月5日に実施。横浜、川崎、相模原市を含む全国37自治体の1万8500人(18歳以上)を対象に4252人から回答を得た。国籍・出身地域別は中国と韓国で過半数を占め、フィリピン、ブラジルと続く。
差別的な発言を受けた経験を尋ねたところ1269人が「ある」(29・8%)と回答。「誰から言われたか」(複数回答)は「見知らぬ人」が676人(53・3%)で最多だった。
「外国人であることを理由に入居を断られた」は39・3%で「日本人の保証人がいないことを理由に入居を断られた」も41・2%に上った。「就職を断られた」は25・0%で、「同じ仕事で日本人より賃金が安い」(19・6%)といった就労条件での差別の存在も浮かび上がった。
外国人の排斥を叫ぶヘイトスピーチデモ・街宣に触れる経験は「テレビ、新聞、雑誌など」(42・9%)、「インターネット」(33・3%)などメディアを通じてが多く、39・2%が不快に感じただけでなく、13・2%が日本での生活に不安や恐怖を抱いていた。ネット利用者3396人のうち41・6%が差別的な記述を目にし、19・8%は被害を避けるため利用を控えるという実害も生じている。
一方、差別を受けてどこかに相談した人は11・4%で、法務局の人権相談窓口を知っている人も12・3%にとどまった。
解説 実効性ある法整備を
東京五輪・パラリンピックを控え、在日外国人の増加やヘイトスピーチの横行などの社会情勢を受けて実施された全国調査の結果は、人種差別を禁じる法律がないという根本の問題を突きつけるものとなった。
差別がいかに広範に根付いているか。例えば、差別的な発言を「誰から言われたか」に対する回答(複数回答)は「見知らぬ人」53・3%を最多に、「職場の上司や同僚・部下、取引先」38・0%、「近隣の住民」19・3%、「店・レストランの従業員」15・8%、「公務員や公共交通機関の職員」12・9%、「日本人の知人・友人」12・4%、「学校の教師や生徒、生徒の保護者」10・5%と続く。浮かび上がるのは、日常のあらゆる場面で野放しとなっている人権侵害の現実だ。
未然防止策について法務省人権擁護局は「現状では啓発を進めるしかない」と話すが、従来の枠組みを出ない対応こそが新たな立法の必要性を物語る。
国を先取りする形で、ヘイトデモの被害を受けてきた川崎市を筆頭に人権擁護条例制定へ各自治体の動きが広がる。...
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