【現場の実情を訴える、清泉学園ゆりかご認定園の元保育士の二人】
2月18日、私たち介護・保育ユニオンは仙台市太白区の「ゆりかご認定園」に対して団体交渉を申し入れ(ゆりかご園申入書)28日には仙台市へ指導要請も行いました。この園では、保育士が使いつぶされる過酷な労働環境があり、それらは子供たちの保育・教育にも悪影響を与えていました。この園での問題は以下の通りです。
〇5年間で90人が離職―多くの保育士が使いつぶしに
ゆりかご認定園では、毎日の勤務は10時間~12時間にわたり、その間休憩もない長時間労働でした。また、数多くの持ち帰り残業、園長・副園長からのパワハラなどにより過酷な労働環境になっています。サービス残業や休憩無しは労働基準法違反です。
その結果、当事者のAさんが勤務していた5年間で、90人近い保育士や幼稚園教諭が辞めていったと言います。園児は200人程度おり、30名強の人員が必要なのですが、年度初めには30人以上いるのに、年度末は20人程度しかいない、という状態が続いていました。
○園児の目の前での保育士へのパワハラ、子どもへの激しい叱責
この園の園長らのパワハラはひどいもので、子どもたちの目の前で保育士を怒鳴り散らすこともしばしばです。子どもたちに対して園長らが怒鳴り散らすこともしばしばで、怖くてトイレに行きたいと言い出せず、その場で失禁してしまう子どももいました。非常に威圧的な園長らの態度は、子どもに対する虐待にもあたるものです。
○退職を申し出る職員を脅迫
過酷な労働環境の中、使いつぶされた保育士が退職していきますが、園長らはこれを無理やり止めようと、退職の手続きをとなかったり、「あんた分かんないでしょ、今まで辞めたやつがどうなっているかなんて。そのために顧問弁護士いるんだよ?」などという脅迫することもありました。その結果、多くの保育士がこの仕事に恐怖を感じ、潜在保育士化していく環境も生まれています。
保育士を脅すことで留意を図るような対応をするのではなく、保育士の辞めていく原因である労働環境を改善することが必要だと、ユニオンは考えています。
○仙台市へゆりかご認定園を指導するように申し入れ
この園の保育士を使いつぶす労務管理は、待機児童問題で保育士不足が原因とされている中、社会的にも大きな損害を与えています。また、現在も通う子どもたちの健康や成長にも関わります。
そこで介護・保育ユニオンとブラック企業対策仙台弁護団は仙台市へ園を指導するよう申し入れました。また、労働環境が悪化している保育所がないか、全体的な調査・指導することを仙台市に求めました。
○ゆりかご認定園の保育士からのコメント―「子どもたちも保育者も笑顔でいられる園になってほしい」
【今年度担任を持っていて、本来であれば、3月まで担任を勤めて、子どもたちと最後まで過ごしたかったが、どうしても園長・副園長のパワハラに耐えられず、退職を願い出ているが、まだ認められずにいる。子どもたちは素直で、大人にいわれるままに行事などに出ているが、それを見ている保育者の方が辛くなり、職員同士で泣きながら「どうしてこんなことをしているの」と話しながら保育をしていることがありました。子どもたちも保育者も笑顔でいられる園になってくれたらと思います。】
○保育業界の改善を目指して活動中
ユニオンは、園の責任者が反省し、労働環境を改善してよりよい保育・教育環境を作っていくことを求めて、団体交渉を行っています。是非とも、皆さんにも応援していただければと思います。よろしくお願いいたします。
〇メディア報道
2017/03/01 河北新報地域面14面「認定こども園保育士、残業代未払い訴え-「パワハラも」仙台市に指導申し入れ-」紙面〈河北新報オンライン版〉
2017/03/01 読売新聞地域面33面「認定こども園労働改善をー仙台市に要望書 パワハラも-」紙面
2017/02/28 NHK仙台放送局「てれまさむね」「保育士 不当待遇と改善訴える」にて仙台市への行政指導の申し入れが取り上げられました。
2017/02/28 仙台放送NEWS「認定こども園 元職員が環境改善訴え」にて仙台市への行政指導の申し入れが取り上げられました。
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