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【首都スポ】

[大学サッカー]筑波大主将・北川柊斗に聞く スローガンは「常勝」

2017年3月31日 紙面から

ボレーシュートを放つ筑波大蹴球部の北川柊斗主将=茨城県つくば市の筑波大で(河口貞史撮影)

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 第91回関東大学サッカーリーグ戦(東京中日スポーツ後援)の開幕まで、およそ2週間となった。昨季の1部リーグ上位6校の新主将に今季の抱負を聞く連載「リーダー蹴春トーク2017」。5回目となる今回登場するのは、昨季2位で今季の優勝に最も近いと言われる筑波大のFW北川柊斗(3年・名古屋U18)。自ら志願して主将になった北川は果たして前評判通りのタイトルへと筑波大を導けるのか? (取材・構成、関孝伸)

 −立候補して主将になったそうですね

 北川「やりたいと思ったんです。キャプテンとしてチームをタイトルに導きたいと強く思いました」

 −今までにも主将をやってきたのですか

 「小学生のとき以来です。ただ、そのときのチームは同学年が4人で、キャプテンをやる選手が自分しかいないような状況でした。積極的にキャプテンをやろうとしたのは今回が初めてです」

 −自分がチームを引っ張っていこうという思いが強くあるのですね

 「ありますし、キャプテンをやることでいろいろと学べると考えています。後は、フミヤさんのようになりたいと思ったのも、キャプテンに立候補した理由の一つです」

 −フミヤさんというのは、2015年シーズンの主将で、J1新潟入りした後に急性白血病と診断されて現在闘病中の早川史哉さんのことですね

 「そうです。フミヤさんは特別なことはしないんですけど、背中で語るというか、存在感があって、この人にならついていけると、みんなが思えるキャプテンでした。ご飯に連れていってもらったりとか、個人的にお世話になったということもあって、フミヤさんのようなキャプテンになりたいと思っています」

 −新チームが始動してから、約2カ月半が経過しました。キャプテンとして、今どんなことを感じていますか

 「練習試合で負けているときなどには、キャプテンとして自分が盛り上げたり鼓舞したりして、チームを復活させて勝たせなければいけないんですけど、その難しさを痛感しているところです。部員が100人以上いるチームをまとめることも大変だと感じています。そもそも、中高時代のチーム(グランパスの下部組織)はメンバーが少人数だったので、大きな組織でプレーするのは初めての経験なんです」

 −4月15日に関東大学リーグが開幕しますが、今年の筑波大は優勝候補の最右翼と目されています。昨年のリーグ戦で2位に入って全日本大学選手権では日本一に輝いたメンバーのほとんどが残っているからです

 「3冠(リーグ戦、総理大臣杯全日本大学トーナメント、全日本大学選手権)獲得を狙う中で、『常勝』ということを今年のチームのスローガンとして掲げました。どんな試合でも、どんな相手に対しても、常に同じテンションで戦って勝とうと、みんなで話し合っています。ただ、いまのところ、練習試合などではそういう姿勢が完全には徹底されていない部分があります」

 −主将としては、現状に物足りなさを感じているようですね

 「守備力が売りのはずなのに、練習試合などで失点が多いのが気になります。去年はリーグ最少失点で、そのメンバーがほとんど変わっていないのにです。今年はまだチームになり切れていない感じがあります」

 −筑波大に対する警戒感はどこのチームも強いと思います。マークの厳しさをはねのけてタイトルを奪うためにはどうすればいいでしょう

 「筑波は攻撃陣に高さがなくて、空中戦は得意とは言えません。どちらにしても真ん中は固められるでしょうし、サイドからの攻撃が多くなるので、そこからの得点数を増やしていかなければなりません。もう一つ、セットプレーの質も鍵になります」

 −試合ではどのようにチームを引っ張っていきますか

 「声を出すのはもちろんですけど、前線からのチェーシングを頑張るとか、自分の戦う姿勢が自然とみんなに伝わるような全力プレーを心がけます」

 −北川選手はオールラウンドな点取り屋であり、ゴールやアシストも求められます

 「1試合1得点を目標にしています。リーグ戦は22試合なので、1試合1点のペースなら20点は取れるわけですけど、まずは2桁得点を目指していきます」

 −守備が売りという話がありましたが、攻撃陣も強力です。北川選手のほか、来季からの磐田入りがすでに内定している中野誠也選手(3年・磐田U−18)も相手にとって脅威になります

 「自分が点を取ればセイヤも続こうとするでしょうし、セイヤが点を取れば『自分も』となります。2人とも点を取って守備は完封という展開がいいですね。自分は今、開幕に向けて感覚が研ぎ澄まされてきています。チームのタイトルとリーグ得点王を狙います」

※過去5年。Lはリーグ、インカレは全日本大学選手権。15年は2部の順位

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◆北川ア・ラ・カルト

 ◆Jリーグ 毎節3試合ずつくらいは映像でしっかりと観戦する。一番気にしているチームは、やはり“古巣”であるグランパス。「選手が大幅に変わったので、まだチームになりきれていない感じです。ただ、去年のサッカーよりは見ていて楽しいです」

 ◆フェラーリ 三重県鈴鹿市の出身だが、鈴鹿と言えば、鈴鹿サーキットが思い浮かぶ。「通っていた中学校には、(鈴鹿で開催された際の)F1の音がメッチャよく聞こえてきていました」。そういう環境も影響してか、車は好き。「1回はフェラーリに乗ってみたいです」

 ◆好きな女性のタイプ 「一緒にいて楽しい人がいいので、うるさいくらい、おしゃべりな人が好きです。自分が結構しゃべりますし、話が途切れないためにも、相手もよくしゃべる人がいいです」。テレビをあまり見ないこともあり、好きな女性有名人は特にいないという。

<北川柊斗(きたがわ・しゅうと)> 1995(平成7)年6月1日生まれの21歳。三重県鈴鹿市出身。180センチ、72キロ。地元のどうはく幼稚園年少組のときに津田サッカークラブでプレーを始め、小学生のときは庄野ジュニアサッカークラブに所属した。グランパスの下部組織で中高の6年間を過ごし、中3時の高円宮杯全日本ユース(U−15)選手権と高1時のJユースカップで優勝。中3時から各年代の日本代表に入り、筑波大でも1年時にU−19代表のメンバーに選ばれた。昨年の全日本大学選手権ではベストFWに選出された。

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