[AP通信] 太古の昔、地球温暖化の影響で一部の動物が小型化した。同じことが再び起こるかもしれないと科学者らは懸念している。
【画像】発見された化石
新たな研究報告によると、温血動物は地球の歴史において少なくとも2回、小型化を経験している。自然発生的な地球温暖化に伴い、大気中の二酸化炭素濃度や気温が急上昇した時代のことだ。
この研究を指揮した米ニューハンプシャー大学の研究者アビゲイル・ダンブロジア氏によれば、人為的な地球温暖化がさらに急速に進む中、この先、人間以外の哺乳動物が小型化する可能性も考えられるという。
「目を光らせていく必要がある。問題は、こうした変化がどのくらいのスピードで起きるかだ」と同氏は語る。
3月15日付で科学誌『Science Advances』に掲載された研究成果によると、歯の化石を分析した結果、約5400万年前に地球が突然温暖化した際に、3種類の種が著しく小型化したことが確認できたという。3つのうち1つは、初期の小型のウマ科動物。この動物は、体重が約17ポンド(7.7キロ)から約14.6ポンド(6.6キロ)へと14%減少したと考えられる。
「恐らく犬ぐらいの大きさだったものが小型化し、猫ぐらいの大きさになったのではないだろうか」とダンブロジア氏。
キツネザルに似た最古の霊長類とされる動物についても、4%ほどの小型化が確認された。4%では、それほど大きな変化には思えないかもしれない。だがダンブロジア氏によれば、これは注目に値する変化だという。この動物の何百万年間にわたる変化を調べる研究では、通常この動物が歳月とともに大型化することが分かっているからだ。
約5600万年前の地球温暖化の際に、ウマ科の祖先などの哺乳動物が小型化したことは、既にこれまでの研究で証拠が提示されている。また科学者や農業家は長らく、牛などの動物の変化を追跡し、地球の高温期には身体が小さくなり、ミルクの量が減ることを確認済みだ。
今回の研究結果は、地球温暖化と哺乳動物の小型化の間に何百万年というスパンで関連性があることを示している。
「非常に重要な研究成果だ。気候が哺乳類の身体の大きさに変化を促すかどうかについて、新たな証拠が提示された。こうした小型化が繰り返されることを確認できれば、私たちはそこから学ぶことができる。将来の気候変動に動植物がどう反応するかを考察する上で、非常に重要な手掛かりとなるだろう」。フロリダ州自然史博物館で古脊椎動物学の学芸員を務めるジョナサン・ブロック氏は、そう指摘する。同氏は今回の研究には参加していない。
ダンブロジア氏の研究と、約5600万年前の地球温暖化についての以前の研究は、どちらもワイオミング州ビッグホーン盆地で採掘した化石を使用している。ダンブロジア氏によれば、哺乳動物の小型化がこの地域だけで起きたとは考えにくいという。
哺乳類などの温血動物は、気候が温暖なほど、より多くの熱を放出する必要があるため、身体が小さくなることが知られている。小型の動物のほうが大型の動物よりも体重当たりの体表面積が大きく、より多くの熱を逃がすことができるので、温暖な気候に適している。一方、大型の動物は体重当たりの体表面積が小さく、その分、体温の損失が少ないので、寒冷な気候に適している。
プリンストン大学の気候科学者マイケル・オッペンハイマー氏によれば、約5600万年前の地球温暖化は約5400万年前のものよりも規模が大きく、気温は摂氏5.8度以上上昇したとみられている。恐らく海底に堆積した動植物の遺骸から大量のメタンが放出されたことが原因だという。
(日本語翻訳 ITmedia NEWS)
(C) AP通信
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