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【社会】

ハンセン病隔離法廷 最高検が責任認める

 ハンセン病患者の裁判が、隔離先の療養所などに設置された「特別法廷」で開かれていた問題で、最高検が差別的な運用と認識せず裁判に関わり続けた責任を認めることが三十日、関係者への取材で分かった。検察側が三十一日に元患者側の弁護士らと熊本市で面会し、説明する。

 ハンセン病患者の特別法廷は一九四八〜七二年に療養所や刑務所、拘置所などで九十五件開かれ、大半は刑事裁判だった。

 最高裁は昨年四月、例外的な措置の特別法廷が、ハンセン病という理由だけで必要性を審査せずに設置されており、差別的で違法だったとする調査報告書を公表、元患者らに謝罪した。

 全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)などは二〇一二年、殺人罪に問われた熊本県の元患者が無実を訴えながら特別法廷で死刑を宣告され、六二年に執行された「菊池事件」について、起訴した検察自らが再審請求するよう最高検に要請していた。

 過去の記録などを精査していた検察側は三十一日、元患者側に回答する。

 再審請求はしないと伝える見通しだが、医学的見地からハンセン病患者を隔離する必要がなくなった六〇年以降も、特別法廷に関わった責任については認める。

 

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