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【教育ニュース】

小学英語の教科化を告示 小中の新指導要領

 松野博一文部科学相は三十一日付で、各教科での「主体的、対話的で深い学び」に向けた授業改善の推進や、小学五、六年での英語教科化を柱とした小中学校の新しい学習指導要領を告示した。パブリックコメント(意見公募)を受け、小学校で「聖徳太子(厩戸王(うまやどのおう))」、中学校で「厩戸王(聖徳太子)」としていた表記を、小中とも現行指導要領と同じ「聖徳太子」に戻すなど、歴史用語中心に改定案を修正した。

 文科省は改定案を公表した二月十四日から今月十五日まで意見公募を実施。一万一千二百十件の意見が寄せられた。

 社会で教える聖徳太子を巡っては「歴史教育の連続性から、用語を変えるべきではない」といった意見を踏まえた。ただ、中学校では史実を深く学ぶことを重視し、古事記や日本書紀で「厩戸皇子(うまやどのおうじ)」などと表記され、後に「聖徳太子」と称されるようになったことに触れるよう新たに示した。

 改定案で消えた江戸時代の「鎖国」が小中ともに復活。中学校の「モンゴルの襲来(元寇(げんこう))」も「元寇(モンゴル帝国の襲来)」という現行に近い表記になった。

 東京電力福島第一原発事故でのいじめや風評被害に絡み、「放射線に関する正しい知識を体系的に指導すべきだ」という意見があり、小中の総則に「災害等を乗り越えて次代の社会を形成する」ための資質・能力を育むとの文言を追加した。

 中学校の保健体育では武道の内容の取り扱いで、競技人口や国体種目であることなどを考慮し、銃を模した用具を使い互いに突き合う「銃剣道」も例に加えた。

 小学校では英語より国語に力を入れるべきだとの意見もあったが、双方の充実を盛り込んでいるとして修正しなかった。

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