川上とも子さんのこと
9日、このブログのタイトルでもお名前をお借りしている、川上とも子さんが天に召されました。
14日の告別式、対面してくれた彼女は多くの花と薔薇に囲まれて、とても美しかったです。
「出会ってくれてありがとう」と声をかけてお別れをしてきました。
でも、まだ僕は心の整理がつきません。
とても混乱しています。
近く、改めてここに彼女のことを記そうと思っています。
それまでは、このページもこのままにさせてください。
彼女のブログのみをご覧になりたい方はこちらへ。最後の書き込みは僕への誕生日おめでとうメッセージと、皆さんへの言葉でした。
川上とも子さんの安らかなお眠りをお祈りします。
頑張りましょう
この度の東日本大震災で、被害を受けられた総ての方々に、お見舞いを申し上げます。
この感情を文章で、あるいはいかなる形でも表現することは難しいです。
あるいは、かつて僕たちの作品にエールを送ってくれた人が被災地にいるかもと思うと、胸が痛いです。
今の僕に出来ることは、平静に、いつもと変わらない日常を送ることと、作品を作ることです。
もう、僕たちの知っている世界は二度と戻らないかもしれませんが、それでも前を向いて進みましょう。
頑張ります。頑張りましょう。
おーでぃしょん その2

昨日、2度目のオーディションを行いました。
今作、主役と呼べるキャラクターが数名いるのですが、そのうちの一人は、前回のオーディションで決めました。
今回のオーディションは、前回決めた配役との「声の相性」を中心に選考しました。
大勢の方の声を聞かせて頂き、四名の候補に絞りました。
この4名を前回の方の声のサンプルと並べてみて判断するのです。
年齢はまちまち。
最小で20歳。
最高で僕と同じぐらいの方。
幅広いです。
単体で声を聴いて「いいじゃん」と思っても、他のメインキャラの声と並ぶと、また違う印象になるのです。
ここを注意しないと。難しいね。
明日は音楽録り。
今作、また音楽にチャレンジがあります。
ドキドキ。
おーでぃしょん その1

先日、一回目の声優オーディションを行いました。
今作は、数名の男女がメインキャラクターとして登場するのですが、特に、そのうちのひとりを「若手」でキャスティングしてみたく、主に新人さんを集めてみました。
新人さん、と言っても、名前が知られていないだけで既にそれなりのキャリアの人も多かったですね。
昨今、若い声優さんばかり集めてみたけど、一斉に声を出すと「声のキー」が近いため、会話が被ったときに誰が誰の声やらわからない…という状況をよくテレビで眼にします。
それを避けたいなあ…と思っているのですが、どうでしょうか。
まず、ひとりの新人さんだけをキャスト確定して、それ以外のキャラクターの声は、新人さんと対比する形で選ぶつもり。
つづく(つづかないかも)
合宿

すっかりごぶさたでした。
いよいよ本格制作が始まります。
周囲があわただしくなってきました。
その前に!
もう一度、ビジュアル設定、コンテ、シナリオを再検証するための合宿!
まさかこの時期の大ちゃぶ台返し!
凍りつくスタッフ!
今まで積み上げたものはいったいどうなる?
ここが踏ん張りどころ。
このあり得ない反転を経て、かつて誰も観たことが無い宇宙が作られるのですよ。
…のはずだったが。
合宿1日目。
まさか。連続7時間話し合って決まったのは…。
「そのセリフは女性キャラが言う」
それだけ?
ええ!?
これから数日、このペース?
しかしスタッフはもう1日目にしてヨレヨレ。
いや、プロデューサーのTさんはきっとわかってくれる!
この苦労の果にはきっと…。
あれ、泣いてる?
感動したんですね……え?…辛い?
北京 その2



つづきです。
三日目、北京大学の生徒たちとゼミを行いました。
これは講演と違い(講演は通訳がつきました)、みんな日本語を話せる生徒たちでした。
彼らのメンタリティは、完全に僕たちと同じで、話し合っていると双方が別の国で暮らしているということを忘れてしまうほどでした。
別の国に、日本語を完璧に話し、日本のアニメ・マンガの話をする人たちがいる…。しかも彼らの容姿は一般的な日本の若い人たちとまるで変わらない。
今まで、色々な国で「日本のアニメ・マンガが好き」という多くの若い人たちと会いましたが、それらの印象とはちょっと違い…何というか…「日本人じゃん」という印象。
なんだか不思議な体験でした。
夜、ホテルでテレビをテレビを見ていると、ニュースで何度も日本の政治家が映し出されていました。
中国はとても日本を気にしているのだ、と思えました。
化粧品のCMでは、日本でもドラマに出ているリン・チーリンが目立っていました。
また新田次郎さんの『蒼穹の昴』がドラマ化されて放送されていました。中国では今、とても人気があると聞きました。特に西太后役の田中裕子さんは、中国でも『おしん』で知られていて、中国の人たちにも親しみがあるとのこと。
また、幾つかの日本ドラマも放送していたのですが、テロップでずっと(日本)と書かれていたのが印象的でした。だって、日本で洋画がテレビ放送さていても(アメリカ)とか(イタリア)って、テロップされないでしょ?
日本のドラマは以前からテレビ放送されていたらしいのですが、最近では韓国のドラマのほうがよく見かけるとのことです。
中国からは、日本も韓国も外国と言うよりはアジア圏として見えているのかもしれません。
四日目、講談社北京支局のKさんと食事をしました。
そこで中国の漫画状況を少し伺いました。
前回、書いたように地域によって日本漫画の浸透状況は違いますが、相当の数の日本漫画が翻訳されて読まれているようです。
中国発の漫画の状況も伺いました。
中国には日本のようなスタイルの漫画雑誌はないと聞きます。
(あるいは、あるのでしょうが、目立つものではないと思います)
漫画雑誌の運営はリスキーなので、それを行うのはなかなか難しいのでしょう。
代わりに、いわゆるラノベのようなものは数多くあるとのことでした。
つまり「漫画的なイラスト」を描ける作家は沢山いて、ティーン向けの小説にイラストを提供している、とのことでした。
多くの写真を拝見しましたが、もう日本のそれと比べ何の遜色もないように見えました。
これは、他の日本アニメ・漫画が知られている、どの国と比べても、最もクオリティが高いように思えました。
あるいは、そのような場所から中国発のオリジナルコンテンツが登場するのかもしれません。
それは、僕たちも「異国の作品」という違和感がない作品かもしれないし、あるいはそのときに日本のアニメ・マンガはどのような立ち位置なのか…。
そこはネガティブに考えることではなく、ワクワクするようなことじゃないですかね。
北京 その1



北京に行ってきました。
北京大学で講演を行うためです。明治大学の藤本先生、森川先生と一緒でした。
僕の名前の漢字は中国では「几原」と書くそうです。(漢字の本場なのに簡単になってる!)
後で聞いた話では、今回の講演は中国でも話題になったそうで、メディアでも大きく取り扱われたそうです。
中国では97年に『セーラームーン』がテレビ放送されたことを契機とし、多くの人が日本のアニメやマンガを知っています。今、中国では世界中で起ったことと同じような日本アニメ・マンガのムーブメントが起っていると言っていいでしょう。
現在、日本アニメのテレビ放送はゴールデンタイムでは制限されているとのことでしたが(自国のアニメを放送しています)、そこは昨今のネット事情、ダメだと言われても若いファンはあの手この手で日本のアニメを観ています。そして、日本人と同様によく知っています。
今回は大学から要請された講演だったこともあって、あまりマニアックなことを言っても通じないだろうと思い、講演自体は比較的、解りやすい話で進めたのですが、質疑応答では、とてもディープな質問が逆にあって、日本のアニメへの関心の高さ、熱を感じることが出来ました。
中国は場所、地域によって、その表情は様々だと聞きました。同じくアニメ・マンガの浸透も、地域によってその事情は様々だということです。
香港はもちろん、上海などでは、既に日本と同じように普通にマンガが読まれていますし、本屋さんにも日本のマンガがたくさん置かれているとのことです。
自分が見た中国、北京の印象は、とにかくエネルギッシュだということが第一。
まず、人の顔の種類の幅が広い、という印象。多くの若い人は、日本の若者と表面的には変わらないように見えます。
空港からの道だからそうなのだ、とも説明されたのですが、道を走っている車がみな高級車なのです。ベンツ、BMB、ボルボ、ホンダ、日産、などなど。
これまでに行ったどの国よりも車がピカピカという印象でした。ですが、同時に街では自転車が高級車と隣り合って走っています。ほんの数年前までは、馬車が道路を走っていた、とも聞きました。
風景の中で、格差は明らかなのです。
その、あけすけさに驚き怖れつつ、だからこそのエネルギーなのか、とも感じました。
その2に続く(たぶん)
きゃくほん

昨日はメインスタッフが集まって設定会議。もろもろ確認。
今回はデザイナーさんの数が多く、誰に何をやってもらうか、ということの交通整理。
それはそうと。
「脚本は誰が書いているの?シリーズ構成は?」と質問されました。
えー。
シリーズ構成と脚本は、僕と女性ライターIさん、今のところ、この二人っきりでやっています。
当初、僕一人で書く予定だったのですが、途中、作品的にどうしても女性の感性が欲しくなり、是非にと参加をお願いしたのです。
結果、大成功でした。
Iさんはとてもマニアックな話ができるのと同時に、男性の自分では絶対に気がつかないディティールを見つけることができるのです。
凄いっ!
でもたまに僕は「ムダ話が多い」としかられます。
……。
本当なんです! 僕は教育されてるんです!
GWなのに

GW真っ只中に長時間打ち合わせ慣行。
今回から副監督のY嬢も加わる。
いよいよ参加メンバーも増えてきたのですが。
シナリオの部分改稿打ち合わせだけで夕方までかかってしまって、このペースだと今日は終電までに終わらない…と焦る。
が。
蓋を開けると、なんと最短7時間で終了という驚きの展開!
一同「間に合わない!」という焦りからか、殆どムダ話をしないで進めたという奇跡の集中力!
いやいや、いつもこんなふうにはいかないって。
今回、スタッフの女性率が高い。
今のところ参加メンバーの6割が女性ではないだろうか。
なるほど、と思わされること多し。勉強になるなー。
苺大福

業界には「ダメを出すことが仕事」と思っている人がいる。
「これは違う」と言い続け、「引き算」でしか話をしない。
あげく「じゃあ、その矛盾は次回までの宿題ということで」みたいなことで2時間ぐらいの打ち合わせを終わり、次の打ち合わせに向かう。
そういう人は、それで何かを作れているような気になれるのだろう。
そういうヌルイ会議は今回はなしだ。
まずそこから始める。
つまり今作の会議は「金網デスマッチ」とする!
「結論が出るまで止めない」
役職は関係ない。参加する全てのメンバーが脳みそを絞る。
そして全てのメンバーがOKを出すまで会議は終わらせない!
そして今日も10時間。
青ざめるスタッフ。みな意識モウロウ。
あのさあ、これ何話だっけ?
え…7話? じゃあまだこれから、こういうのを**話分やるわけ?
……。
そして今日の会議の分は、次回までにオレが文章にまとめる…と。
……。
よし、次は2時間ぐらいでサッと終わせよう。それがプロだ!
オレの仕事は、誰かの作業にダメを出すこととする!
え……違う?
つづく(どのあたりが?)
PS.写真は差し入れの苺大福。
メロメロにがんばる

二週に一度の長時間連続打ち合わせ。
前回の打ち合わせで、煮詰まって狭い会議室で酸欠状態、一同メロメロに。
これではいかん! と仕切りなおし。
サブタイ・エピソードだけで考えることに無理がきていたので、もう一度シリーズ構成から考えてみる。
紆余曲折、できるじゃん! いける!
おお、シリーズ構成も半分近く見えたんじゃないか?
イメージボードもいい感じ。
しかし、このニュアンスはストーリー説明だけでは伝えられないから難しい。
誰も観たことがないタイプの作品なので、スタッフ間の意思疎通も一苦労。
毎回、長時間の会議を録音して、出席できなかったスタッフに録音データを渡してるのですよ。
まあ、会議の1/3ぐらいな馬鹿話だったりするあたりが…。
にしても今回も10時間ぶっ通し。
翌日、体がガクガクに。
みんな大丈夫? 健康には気をつけて(お前が言うな)
花見そのいち

突然、知人が田舎から訪ねてきたので一緒に花見に行った!
が。
井の頭公園は10時まで。
9時をすぎると、みんなボチボチと撤収を始める。
まあ近隣の住民にしてみれば当然のことなのだが、みんが行儀がいいなあ。
いやいや、本番はこれからなのか?
いまはむかし
昨今、欲しい本を探して本屋さんを何軒も巡る、なんんてことしなくなりました。
ネットですぐに探せるし、何でも買える。
便利な時代です。
僕が寺山さんにはまった80年初頭、寺山さんの本ってなかなか手に入らなかった。書店に取り寄せ頼んでも、大抵が絶版で。書店に置いてある目録見て、存在は知っているのだけど読めない沢山の本。辛かったなー。
ある夏休み 親の実家元の田舎に帰省して そこで何気に入った書店の棚で。絶版のはずの寺山さんの本が棚に並んでいるのを見つけて大感動。当然大人買い。今でも持ってる。
平凡社の「仮面画報」が好きだった。超レア・アイテムだった。後に再販されたときは力が抜けたね。あんなに自分は苦労したのにって(笑)
寺山さんの映画もずいぶん追いかけた。当時はビデオすらない。正確にはVHSビデオがあったが、まだ高値で学生の自分にはとても手が出ない。それにビデオ化されていなかった。だから、情報誌を見て大学の学園祭とかで上映されているのを追うしかなかった。今思うと凄い情熱だ。
マンガやアニメの存在が危機
マンガやアニメの存在が危機的な状況に置かれています。
現在、東京都で「東京都青少年育成条例の改正案」が可決されようとしています。
漫画・アニメの「非実在青少年」も対象に 東京都の青少年育成条例改正案この条例が可決すれば、マンガやアニメの表現は大きく制限されることになるでしょう。
自分はもちろん、多くのクリエーターがこの条例の制定に異を唱えています。
反対署名1反対署名2どのような理由があれ、作品の、良い、害悪、を「条例という線」で別けることは絶対にしてはならないのです。
それは作り手の主義、主張を行政が統制する行為なのです。
現在の状況は。
ニュースによると、19日の委員会で継続審議、30日の本会議で最終決定する予定だそうです。
このブログをご覧の方へ。
もうあまり時間はありませんが、マンガやアニメの表現を守るべきだ、という考えに賛同していただけるのなら、どのような方法でも結構ですので、お力をお貸しください。
参考まとめサイト
ついったー2
ツイッターを公開して一週間。
予想以上に人が集まって、ちょっとしたパニックになりました。
ようやく慣れてきたかな。
僕が幾つか勘違いしてました。フォロー返しなんて無理でした。
でもコメントには、タイミングと気持ちが合えば答えてますよ。
まあ忙しいときは、それも難しいですが。
にしても。
ネットの時代も変わりましたね。
僕ははじめる前は「怖いことが起るにちがいない!」とかって思っていたのです。
知らない人から突然、攻撃的なコメントアタックされるとか。
でも、そんなことはなかったです。
むしろ、凄く距離が近い感じがして、不思議な空間です。
ネットの流行は時代と共に変わるのですが、確かに今はツイッターの時代なのかなーと思いますね。
ツイッターとか
ツイッターを公開します。興味のある方はフォローをどうぞ。
使い方がよくわかっていないので、せっかくフォローしてくれても失礼なことがあるかと思います。
ご容赦ください。
あんまりフォロー返しは出来ないですが、面識のない方でも「ふと」思ってすることはあります。
何を「ふと」と思うかは、その時々の「気分」だと思います。
なので、されなかった方も気にしないでください。
あるいは突然「どんどんフォロー返ししちゃえ」となるかも知れません。
いつそうなるのか。それもそのときの「気分」だと思います。
ではー。
うまいこと言う
友人夫婦から聞いた話。
久しぶりの二人で買い物に行ったのだが、旦那がオモチャ売り場で2時間、ガンプラをチェックしたのに嫁が怒って、ひとりで自宅に帰ってしまったという。
旦那いわく「たしかに悪いことをしたが、嫁もオタクなので許されると思っていた」とのこと。
それに対して嫁は「ではあんたは、せっかくのデートで『テニスの王子様』のグッズを二時間見続ける女ってどう思う」と返答。
それに対して旦那は
「ガンプラとテニプリだから折り合いはつけられると思う」と返答。
嫁は「誰がうまいこと言えと(笑)」と一瞬やられる。
結局、双方がオタクだったので何となく丸く収まったというイイ話。
このネタが「旦那のゴルフ」とかだと修復は難しいのだろう。
オタクのカップルにおいて重要なことは「双方がオタクである」ということじゃなくて「双方がその楽しさを共有している」ことだと教えられた 。
難しい
ツイッターを練習中。
本名ではやっていないので探しても見つかりません。あしからず。
ツイッターは、ダイレクトに見知らぬ人からコメントが可能。
これにいちいち心がダメージを受けてしまうかも…という心配。
もうちょっと慣れて、時期が来たら本名でやるかな?
ネットって距離感が難しいよね。書いていいこと、いけないこと、微妙にわからない。
ネットにおけるモラルって、人それぞれ。
前に友人と長文メールの応酬をしてしまったことがある。
先方の長文に、こちらも長文で答えてしまったのだけど、話が行き着かなくてキリが無い。
それ以来、異議があるときに長文メールはしないようにしている。
結局、顔を見て話すか、電話で話すかしたほうが誤解がない。
そのぐらいまではコントロールできる。
だけど。
ブログとかになると、また微妙に各人でモラルのルールが違う。
業界人のブログで、他人の名前を出してわざわざ「下げる」コメントをしているのを見ることがある。
人の名前を出す場合「上げ」しかあり得ないだろう、と自分は思っている。
よほど親しくないと、冗談のコメントでも、そのニュアンスは伝わらない。
そのことを「想像しない」人の気持ちはよく解らないが、そう書く人には「その人のルールの中では間違えていない」のだろう。
難しいね。