新卒ベンチャーに行くか、大企業に行くか迷ったら基本的には大企業をすすめている。いきなりベンチャーに行くのはあらゆるキャリア的なリスクを背負うからだ。大企業を辞めたらいつでもベンチャーには行ける。そんな中、新卒からベンチャーに進んだ方にベンチャー就職後の4年間を振替えってもらいました。
- 外コン、総合商社志望だった就活生時代
- DeNA南場智子氏に影響を受ける
- 複数のベンチャー企業でインターン
- ベンチャーで次々と新しい仕事をまかされる
- 成りたかった目標とは大きな乖離がある
- ベンチャーは目的がある人にはおススメしたい。
- インタビューを終えて
外コン、総合商社志望だった就活生時代
-はじめまして。簡単に自己紹介していただけますか。
慶應義塾大学の経済学部卒業後、300人~400人規模のベンチャー企業に入社し、4年間、新規事業や既存事業のグロースに携わっております。
-もともとベンチャー志望だったのでしょうか
実は元々は外資コンサルと、総合商社を見ていました。大学1年のときからサークルの先輩等のおかげで様々な社会人と触れ合う機会がありましたので優秀な方が、マッキンゼーや三菱商事に入社しているということは知っていました。それもあってか、大学2年次の終わりから3年にかけては外資コンサルと総合商社にあこがれていました。周りの友人もほとんど外資コンサル志望で、結果として多くの友人は外資コンサルに入社しました。
DeNA南場智子氏に影響を受ける
-ベンチャー企業に志望を変更した理由は?
サマーインターンがはじまる、1,2カ月前にDeNA創業者の南場智子氏の講演会を聞きに行く機会がありました。もちろん起業している先輩方もいたので、ベンチャー企業のことは知っていましたが、ベンチャー企業のことは詳しくは知りませんでした。南場さんの講演を聞いて、ベンチャー企業に行くことを決意しました。将来的には、起業しようと考えていましたが、その起業までの最短距離は、コンサルでも商社でもなく、ベンチャー企業だということをその講演を通して痛感しました。(もっとも、最終的にはベンチャーではなくDeNAが良いという内容でしたが)
南場さんの講演を聞いた後は、コンサル熱も、総合商社熱もすっかり冷めてベンチャー一本になりました。将来的な起業を考えたときに、
●アドバイザリー側ではなく、自分で経験を積める場所
●一緒に起業する仲間が見つかる場所
という2点を満たすのはベンチャーがぴったりだと自分の中で考えなおして腹落ちすることができました。最もマッキンゼーにもし受かったならば、ベンチャーかマッキンゼーではかなり迷ったことでしょう、結局コンサルは全く受けなかったので、比較はできませんが。
複数のベンチャー企業でインターン
-ベンチャー就活はうまくいきましたか?
就活対策というわけではありませんが、大学1年生のころから将来に向けた活動はしていたので、グループディスカッションや面接で特に苦労はすることはなく、応募したインターンはほぼ全部通過しました。夏の段階では5,6社のインターンに合格し、その中でもおもしろそうだった海外で実施されたインターンに参加しました。海外インターンだったのでベンチャーとは違った刺激を受けましたが、よい経験になりました。またDeNAのインターンにも参加し、内定を獲得するに至りました。
その後、GoodFindやGoodFindを運営するスローガン社からの紹介、また自分から探してさらにいくつかベンチャーでインターンをしました。
DeNAという会社はとても魅力的であったのですが、すでに会社が大きかったので、もう少し小さい会社を大きくしたいという思いと、ソーシャルゲームに興味がもてなかったことがあり、DeNAは早々に辞退させていただきました。DeNAに入社した同期予定だった人たちは頭がきれて優秀な人たちばかりでした。また社員も優秀な方が多く、人の魅力はDeNAはとてもありました。
その後、知人の紹介で現在入社する会社を紹介を受けて、社長と役員と話して自分にぴったりの会社だと感じ入社する運びになります。その会社は就活のつもりでいったわけではなく、自分があたためていたビジネスプランを披露したくていただいた時間でした。すでに別のアーリーステージのベンチャーに入社しようと思い、入社まで自分でビジネスを作っているところでしたのでたまたまの縁で入社することになりました。
会社のサイズや、取り組んでいる事業領域、社長をはじめとする役員の能力や人柄を通して、納得のいく就職活動となりました。
就職活動の段階では、がんばったサークルの話をしても退屈なので、自分でWEBサービスをつくってそれをもっていってディスカッションすると有意義な時間が使え、また会社側からも注目を置いてもらえるようになると思います。
ベンチャーで次々と新しい仕事をまかされる
-入社していかがでしたでしょうか?
想像以上に刺激的でした。入社直後から新規事業をまかされ、入社2か月で自分がゼロから作ったビジネスが売上をあげることに成功しました。決して大きいビジネスではありませんでしたが、ゼロから取り組む機会は自信の成長につながありました。まさに新規事業や0=>1のビジネスに携わりたかったのでベンチャー入社の選択が正解だったと感じました。
また刺激的なライバルも多く、同世代でもすでに起業家として成功している人が入社してきたり、経験豊富なエンジニアがいたりしました。会社も利益率が高かったこともあり新規事業に回すお金も十分にあり良いタイミングで入社できたと思います。
-逆に想像より良くなかったと感じた点は?
全員が全員優秀と言うわけではなかったということです。もちろん、頭がよく経験があるというのは優秀であることの最低条件ではあると思いますが、熱量に欠ける人が見られました。熱量がなくサービスを作ることに貪欲でない人が社内で働いていることに驚きました。面接や懇親会では、当然エースクラスや役員だったので全員が優秀なように錯覚してしまいます。それでもほとんどの人は刺激的な人で良かったです。
また、会社に対してではありませんが、自分自信が期待値の高さを超えられていませんでした。自分はテクノロジーを理解し、事業推進ができる人間になりたかったのですが、WEBへの理解そして、プログラミングの勉強をしたがエンジニアとしての適性が全然ないように感じられ自分に落胆してしまいました。
-これまで携わった事業は何でしょうか?
新規事業と既存事業のどちらも同じくらいの時間携わっています。会社のメイン領域ではないのですが人材領域のビジネスに関わった時間が比較的多かったです。
成りたかった目標とは大きな乖離がある
-これまでの仕事を振り返っていかがでしょう?
辛かったことは多いですね。新規事業もうまく収益化にならなかったり、既存事業も目標としていた数値を達成できなかったりして求めていた成果が出せませんでした。
一方で、これまで作った自分の仕事がきちんとユーザーに届いてユーザーのためになる価値を届けられたときに大きな喜びを感じます。また外部の社長との交渉をうまくまとめることができるようになるなど日々成長をしている実感しています。
-それでは自分が入社前に描いていた通りの成長になっているのですか。
それはなっていなくて、大きな乖離があります。2,3年終わった地点でゼロから自分でサービスを作り、起業できる能力が身についていると思ったのですがまだまだです。エンジニアと一緒に連携してゼロから立ち上げることを推進していくことはまだまだです。また、サービスを立ち上げた際に集客をはじめとするマーケティングスキルが身についておらず起業に一通り必要なスキルというものが足りていないと感じています。
本当はもっといろいろできるようになっていると思っていたのですが。
ベンチャーは目的がある人にはおススメしたい。
-周りのコンサルや、総合商社に行った友人たちと比べてみてベンチャーでの4年間はどう感じていますか?
コンサルと商社に限って言うと、自分でサービスを作りメンバーを巻き込む能力は負けていない自信があります。
一方、商社に関しては、年収が高いので年収では差があります。外資コンサルに行き一定期間修行しすでに起業してコンサル時代よりもはるかに高い年収を稼いでいる人を見ると成長度合いで、自分をはるかに上回る人がいるのも事実です。
-今後の目標は?
直近は、自分がやっている事業が業界ナンバーワンになれていないのでナンバーワンを目指して必要な数字をとっていけるように頭をフル回転させていきたいです。キャリアとしては起業を必ずしたいので起業までの時間を区切って、足りない能力を身に着けていきたいと思います。
-ベンチャーを考えている人に一言お願いします。
ベンチャーはゼロからイチを作れる機会にあふれていますが、これまで誰かが歩いたことのない場面に遭遇することも多く、そういった場面でも自ら切り拓く強い気持ちがある方におススメします。起業したいと考えている方にはベンチャーでの経験は非常に役に立つかもしれません。
インタビューを終えて
ベンチャー企業に入社した方の就活とリアルな4年間を振り返ってもらった。いい点も悪い点もあるが、野心とやる気が継続する方にこそベンチャーにいってほしい。最初に意欲があってベンチャーに行く方がいるが後々しりすぼみになって組織でうもれるようであれば最初から大企業にいくべきだ。今回インタビューした方は野心に満ち溢れ次々と挑戦を楽しんでいる様子が印象的だった。ベンチャーは楽しい人にとっては非常に楽しい場所だ。好奇心旺盛な方にはベンチャーをおすすめしたい。
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