小泉内閣の暴走を許さない! かけはし2005.10.3号 |
目白押しの反動法案の危険性を訴え、成立阻止に全力を
与党三分の二体制
は民意を反映せず
九月二十一日、衆議院第2議員会館で「小泉内閣の暴走を許さない! 市民と国会議員の緊急院内集会」が平和を実現するキリスト者ネット、戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動、平和を作り出す宗教者ネットの三者の呼びかけで開かれ、百五十人が参加した。
総選挙の結果を受けて、「特別国会」が招集され首班指名がなされる。三分の二を超える巨大与党に対決する緊急院内集会が開かれた。
最初に、主催者を代表して市民緊急行動の高田健さんが「三団体での集まりは四〜五年やっているが、今日はいつもと違って大変な国会を控えて緊張している。イラク派兵問題、憲法、教育、共謀罪、『障害者』支援の改悪など重要問題が小泉政府によって強行的に進められようとしている。民主主義を破壊するファシズムを懸念する声が強まっている。小選挙区制のマジックにより、本当の民意のあり方と違うのではないかという声も出ている。こうした暴走小泉内閣に異議申し立てをしよう。市民と国会議員が立ち上がっていこう」と訴えた。
続いて参加した国会議員が次々と発言した。
共産党の赤嶺政賢衆院議員が発言。
「小選挙区で四七・八%なのに議席占有率は七三%にもなっている。小選挙区制の弊害によって、小泉暴走内閣ができた。小泉首相は、郵政民営化問題しか言わなかったのに、憲法特別委員会の設置を決めて、憲法改悪にもっていこうとしている。さらに、米軍の再編問題が出ている。日米の軍事行動の一体化をより進めるものだ。沖縄・辺野古では台風の前に単管ヤグラを撤去した。八年間にわたる闘いの勝利だ。二度とふたたび辺野古での新基地建設は困難だろう。完全勝利とは言えないが、こうした闘いを全国に広げていこう」。
福島瑞穂社民党党首は「廃案になった法案が再び出てくる。私たち社民党も今度の選挙では風を吹かせた。憲法を守る闘いを必死でがんばる。どうやったら、人々に伝わるか、毎日街頭宣伝するとか工夫が必要だ」と決意表明した。
民主党の喜納昌吉参院議員は「拉致問題、アイヌ新法、BSE問題など、深い認識に基づき、根底から揺るがすような闘いが必要だ。市民運動をやっている国会議員が戻ってきたのは財産だ。憲法改悪などがカマ首をもたげてきているが、それを切らなければいけない」と語った。
辻元清美社民党衆院議員は「9条行脚の会で活動してきた。草の根で押し返すのは可能だと思う。ブッシュの家の前で、イラクに派兵されている米軍兵士の家族が座り込みをし、それが全米に広がっている。このように、9条の中味を生かす運動を広げていきたい」と元気いっぱいに決意を語った。保坂展人社民党衆院議員の発言。「中学生の時、反戦のビラを書き演説をする政治活動をした。すると、表現することがいけないと弾圧された。共謀罪はこの論理と同じで内心の自由にまで入って弾圧しようとしている。基本的人権の土台を崩す法案だ。なんとしてもこうした悪法を通さすわけにはいかない」。
沖縄選出の照屋寛徳衆院議員は「沖縄の米軍占領の二十七年間は無憲法状況だった。それ以後は反憲法状況だ。小泉政権はアクセルはあるがブレーキがない。交差点に子どもや『障害者』がいても、跳ね飛ばしていってしまう。暴走を止めなければいけない」と発言。さらに、又市社民党幹事長、近藤正道参院議員が発言を行った。
労働者・市民のみ
なぎる闘志を表現
続いて、各分野から発言が行われた。
教育基本法を止めよう!全国連絡会議の八尋事務局長。「教育基本法の、門地差別はしない、男女平等、不当な支配を受けない――などが改悪されようとしている。本気でがんばって改悪を阻止しよう」。郵政労働者ユニオン棣棠副委員長は「先の国会で郵政民営化法案が廃案になったので小泉は巻き返しの、国会解散・衆院選挙を行った。労働組合としては郵政問題で世論を二分するような形で闘わなければいけなかった。しかし、全体としてそうはできなかった。郵政民営化問題は国のあり方を決めていくものだ。公共サービスを売り渡すことによって、地域や生活を破壊する。これには絶対反対していきたい。163国会の初日から国会前座り込みを行った。今後、全議員へのポスティングなど、毎週行動を行って訴えいく。市民運動と連携して、郵政民営化法案を廃案に追い込んでいく」と決意表明した。
日消連の吉村さんは「共謀罪をつぶすことが改憲の流れを止めることだ。団体署名を行っているので、ぜひお願いしたい」と訴えた。平和を実現するキリスト者ネットの小河さん。「9条改憲に反対して闘ってきた。憲法改悪は人間中心が変えさらせれることにつながっていく。信条を変えさせようとしている。私たちは自衛隊のイラク撤退を求めて毎月署名を内閣府に提出している。すでに三万人になっている。引き続き協力をお願いしたい」。日本青年団協議会の田中さんは「インターネットでアンケートをとったら、今度の選挙での一番の関心事は憲法であった。それも憲法を変えようという意見が多くはなかった」と報告した。陸海空港湾20労組の佐藤さんは「有事法制は憲法9条の制限があり、使いがってが良いわけではない。有事法の発動を許さず闘おう」と訴えた。
この集会は、特別国会の冒頭に、小泉のあらゆる反動的政策と対決しようとする市民と議員のみなぎる意思の表明になった。反撃の闘いを作り上げていこう。(M)
衆院憲法調査特別委の設置に抗議する
改憲過程の加速化に反撃しよう
163特別国会の二日目にあたる九月二十二日、衆院本会議で憲法調査特別委員会の設置が、自民党、公明党、民主党などの賛成多数で議決された。同特別委員会は改憲国民投票のための実施法案の審議、ならびに日本国憲法の「広範かつ総合的な調査」を目的としている。
当初、「憲法調査会を改組して常設の憲法委員会をつくるために国会法を改正する」という方針だった自民党は、国会法を変えずに国会ごとに本会議で決議すれば設置できる特別委員会という方式に、自公協議を通じて転換し、民主党の支持をも取り付けて今回の「憲法調査特別委員会」の設置を強行したのである。その結果、衆院憲法調査会は「改組」することのないまま委員不在の形式だけのものとして残存することになった。また参院では特別委員会を設置するのか、憲法調査会をどうするのかという結論も出ていない。
このような討議ぬきの、きわめて無責任かつ非民主主義的やり方で「改憲国民投票法案」を審議するというやり方を許してはならない。
自公両党は、今国会で「改憲国民投票法案」の提出・成立をも確認している。このきわめて非民主主義的な「憲法調査特別委員会」で「改憲国民投票法案」を成立させようというもくろみは、自公原案の「国民投票法案」が報道の自由の侵害などの深刻な反民主主義的性格を持っていることに対応している。
十一月の自民党改憲案発表を前にして、憲法改悪に向けた動きが加速している。三分の二与党体制と、公然たる改憲派・前原誠司を党首に選出した民主党の協力を土台にしたこの攻勢をはね返す、憲法改悪阻止の共同の闘いを強化しよう。 (K)
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