「敵基地反撃能力保有を」政府への提言まとめる
自民党の安全保障調査会などは29日、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を踏まえ、敵側の基地を攻撃する「敵基地反撃能力」の保有を政府に求める提言をまとめた。先制攻撃ではないと明確にするため、「反撃」の語句を入れた。日米同盟の抑止力・対処力向上を図るため、巡航ミサイル保有も検討するよう求めた。30日に安倍晋三首相に提出する。
記者会見した小野寺五典元防衛相は「何発もミサイルを発射されると、弾道ミサイル防衛(BMD)では限りがある。2発目、3発目を撃たせないための(敵基地)無力化は自衛の範囲で、先制攻撃ではない」と説明した。
新たなBMDシステムについては、イージス艦のレーダーや迎撃ミサイルを地上に配備する「イージス・アショア」や、移動式の「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」の導入を検討し「早急に予算措置を行うこと」を要請。北朝鮮が今月6日、4発のミサイルを日本の排他的経済水域(EEZ)とその周辺にほぼ同時に着弾させたことも踏まえ、船舶に警報情報を迅速に伝える仕組みなどの検討も求めた。【村尾哲】