共同発起人として、あいさつする予定だった安倍昭恵首相夫人が前夜に、「かえって迷惑がかかる」とドタキャンした「全国高校生未来会議」。イベント自体は27日、全国から約100人の高校生が参院議員会館に集まり、つつがなく行われた。自民党の橋本聖子参院議員や社民党の福島みずほ元党首など超党派の国会議員が多数参加したが、このイベントに長年、関わってきた民進党の蓮舫代表は欠席した。

 蓮舫氏は未来会議に献身的だった。今回も早々と参加を表明。未来会議のフェイスブックにも登場し、高校生に参加を呼びかけ、自身も「本音を聞きたい。今年もぜひ参加させてください」と満面の笑み。そもそも、議員会館内の会場を押さえたのも蓮舫氏の事務所だ。

「1週間ぐらい前に、どうしても外せない公務があり、参加できないと連絡がありました」(主催者の斎木陽平代表)

 蓮舫事務所は、日刊ゲンダイの取材に「国会情勢と党務日程を鑑み、3月22日(水)に欠席の旨、連絡した」と回答したが、民進党役員室によれば27日の蓮舫氏の党務日程は次の通り。

午 前 予定なし
12:05 民進党街頭演説会(有楽町)
16:30 執行役員会(参院内)
17:00 参院議員総会
17:30 参院本会議

 あいさつぐらいは余裕でできただろう。

 実は未来会議の運営については疑問の声も上がっていた。「週刊新潮」は、昨年の同会議への文科、総務両省の後援や、総理大臣賞などの贈呈を問題視する記事を掲載。斎木代表が安倍首相の遠戚であることや昭恵夫人の“圧力”が省庁の決定に影響したのではないかと報じた。

 そんな報道があった直後、森友騒動が吹き荒れる中で、昭恵夫人も出席予定だったイベントだ。蓮舫氏も“呉越同舟”に二の足を踏んだのだろうが、この対応は籠池氏に手のひらを返した安倍首相と同じだ。

「高校生らの期待を勝手に膨らませておきながら、ややこしそうになると、手を引くのはあまりに無責任。政局がどうであれ、参加者の高校生に罪はない。本音を聞きに出向くべきでした」(政治評論家の山口朝雄氏)

 野党第1党のトップが器量なし首相と同じ穴のムジナである限り、森友問題で政権を退陣に追い込むのは不可能だ。