東芝は3月29日、原子力事業子会社の米ウエスチングハウス(WH)と東芝原子力エナジーホールディングス(TNEH)について、米国連邦破産法第11章(チャプター11)に基づく再生手続きをニューヨーク州連邦破産裁判所に申し立てたと発表した。
事業再編を念頭におきながら、当面現行の事業を継続する予定という。WHとTNEHの負債総額は98億1100万ドル(約1兆900億円)。
2月14日に公表した2017年3月期の見通しでは、原子力事業で7125億円の減損を織り込み、最終損益は3900億円の赤字としていた。WHの破産法申請で、連結除外による改善はあるものの、親会社保障引当金およびWHグループ向け債権への貸倒引当金の計上を迫られる。
その結果、最終損益は1兆100億円の赤字に拡大し、債務超過額も6200億円に増える見通し。ただ、東芝はWHの破産申請により連結から除外でき、今後の損失が雪だるま式に増えるリスクを断ち切れると説明している。
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