喫煙に関連した急性好酸球性肺炎は、その他の急性好酸球性肺炎よりも好酸球増多を伴いにくく重症

e0156318_2331765.jpg AEPの診断基準にコンセンサスはありませんが、AllenらのものとPhilitらのものが良く使われます。この論文ではPhilitらのものが用いられています。AEPの発症までの期間と病理像に少しだけ差異がありますが、まぁここらへんは好みの問題でしょうか。
 『ポケット呼吸器診療2017』では古典的Allenらの基準を載せましたが、Philitらのものに次年度変えさせていただこうと思います。

Federica De Giacomi, et al.
Acute eosinophilic pneumonia: correlation of clinical characteristics with underlying cause
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.03.001


背景:
 急性好酸球性肺炎(AEP)は稀な疾患であるが、しばしばARDSや市中肺炎のような初期臨床像を呈する。AEPは特発性のことがあるが、薬剤や喫煙のような吸入物質によって惹起されることがある。

方法:
 われわれは後ろ向きにAEP患者を1998年1月1日から2016年6月30日まで単施設で抽出し、診療録を参照した。患者背景や臨床データを抽出した。

結果:
 連続36人のAEP患者が登録され、11人が喫煙関連AEP,6人が薬剤関連AEP、19人が特発性AEPであった。喫煙関連AEPのうち、6人が初回喫煙、5人が既往喫煙者で再開し始めた例であった。喫煙関連AEPの患者は、薬剤関連AEPや特発性AEPの患者よりも若かった(年齢中央値22歳 vs 47.5歳 vs 55歳、p=0.004)。喫煙関連AEPは、末梢血好酸球増多を伴いにくかった(36% vs. 50% vs. 58%, p=0.52)が、入院頻度は高かった(100% vs. 50% vs. 63%, p=0.039)。

結論:
 AEPは早期発見早期治療が行われれば予後良好な疾患である。薬剤関連および特発性AEPと比較すると、喫煙関連AEPは末梢血好酸球増多を伴いにくかったが、より重度の疾患像に特徴づけられていた。



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by otowelt | 2017-03-29 00:25 | びまん性肺疾患

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