1996年11月23日に携帯型「液晶玩具」としてバンダイより発売された「たまごっち」。その当時、発売されるやいなや女子高生の間で話題となり、その後、おもちゃ屋さんには商品を買い求めるお客さんで大行列となった。社会現象になるほどの大ブームを巻き起こしたので、当時の様子を覚えている人も多くいることだろう。
そんな大ヒット玩具のたまごっちだが、なんと発売20周年を記念して、2005年5月に登場した「ちびたまごっち」が復刻発売されることになった。その名も「かえってきた!ちびたまごっち」だ。発売日は4月8日(土)で、価格は1,620円(税込)となっている。先日、先行販売されたものをいち早くゲットしたので、たまごっちの育て方や裏技などの情報を織り交ぜつつ、さっそく新製品のレビューをお届けしたい。
初代たまごっちのデザインをそのままに、本体を約80%に小型化して2005年に発売されたちびたまごっち。今回は、このちびたまごっちの復刻版となる
全部で6種類の本体カラー(白、ピンク、水色、ブルー、オレンジ、スケルトン)が用意されていて、その外観デザインは初代たまごっちを完全再現。初代は白が人気で、ネットでは1万円以上の高値で取引もされたが、今回も白の人気が高いようだ
かえってきた! ちびたまごっちの本体。手に納まるサイズになっており、持ち運びに便利。500円玉と比較すると、一回り大きいといった感じ。小さいのでカバンなどに取り付けて、マスコットのように持ち歩ける
かえってきた! ちびたまごっち(左)と初代たまごっち(右)のサイズを比較。初代たまごっちは横4.3cm、縦5.0cm、重さは30gに対して、かえってきた! ちびたまごっちは横3.0cm、縦4.0cm、重さは18gとなり、約80%のサイズにダウン。パッケージも初代を踏襲したデザインのまま小さくなっている。さらにちびたまごっちは、本体の大きさに合わせて液晶画面のサイズも変更となり、キャラクターのドット絵も10×10ドットに変更され、画面上のアイコンもなくなっている
さて、気になるたまごっちの育て方だが、従来のようにたまごから誕生したたまごっちキャラに、ごはんやおかしを与えたり、うんちを流して部屋をキレイにしたり、夜になって寝たら電気を消したりしながらお世話をする。ときには、たまごっちの呼び出しにも応じていく。もちろん、お世話の仕方によってたまごっちの成長先が変わるという基本ルールもそのままだ。
しかし、ちびたまごっち同様に、初代たまごっちと異なる部分もいくつかある。たとえば、たまごっちの飼育方法。初代たまごっちに比べるとかなり簡略化されていて、Aボタンを押すだけでその時の状況に合わせてお世話ができるようになっている。たまごっちの年齢や体重、しつけ度やお腹の減り具合、ごきげんなどの状態を知ることができるチェックメーターも廃止され、ごきげんアップゲームの要素もなくなっている。
また、キャラの成長段階も初代の6段階から4段階に変更されており、たまごからベビーっち(子供)の「まるっち」が誕生し、そしていきなりアダルトっち(大人)の「まめっち」や「くちぱっち」、「ますくっち」、「にょろっち」の4種類に成長する。さらにそこからレアの「おやじっち」や隠れキャラに成長していく。初代「たまごっち」では、たまごっちの状態をチェックしながら育てながらどんなキャラに変化するかを楽しむ感じだったが、「ちびたまごっち」では、たまごっちをお手軽にかまって育てていき、当時を懐かしむと言う感じだ。
ゲームの基本はこれまでのたまごっちと同様で、ごはんを与えておなかを満たしたり、おやつをあげてごきげんをとったりする。定期的にうんちもするので流して部屋をキレイに掃除したり、病気になったら治療をするといったところも同じ。夜になるとたまごっちは寝るので、部屋の電気を消してあげる必要もある。たまごっちのその時の状況に合わせて、ボタンを押してお世話をしていくのだ
元々たまごっちは、「たまご」と時計の「ウオッチ」が合体したもの。時計の機能も搭載されていて、現在の時間も表示できる。たまごっちたちは、この時間に合わせて規則正しい生活を送っている
たまごっちの成長は、お世話の仕方によって、次の世代に影響を与え、どんなキャラに育つかが決まっている。かえってきた! ちびたまごっちには4種類のアダルトっちが用意されており、ベビーっちの「まるっち」の時にどのようなお世話をしたかで、成長先が変わっていく。
たまごっちの呼び出しにすばやく応え、こまめにごはんやおかしを与えてマメに育てていくと、たまごっちの中でも優秀なキャラの「まめっち」に育つ。反対に呼び出しの対応に遅れたり、お世話をほとんどせずにいると「にょろっち」になる。要はお世話サインを無視した回数によって、キャラの成長が決まる。
お世話ミスの回数と、成長するキャラの関係は、「まめっち」<「くちぱっち」<「ますくっち」<「にょろっち」となっているようだ。そして、レア期の「おやじっち」と隠れキャラは、ベビーっち期とアダルトっち期にどのように育てたかが重要となる。隠れキャラにするなら、とにかくマメに育てていく必要があるようだ。
たまごっちたちは、内蔵された時計に合わせて規則正しく生活している。アダルトっち以上になると、朝の9時に起きて、夜の22時になると寝る。朝起きて夜になると寝るという一般的な生活スタイルを送っている人であれば、たまごっちと生活リズムがほぼ同じなので問題はないのだが、問題は昼夜逆転の生活をしている人だろう。さすがに、たまごっちたちに合わせて生活リズムを合わすというのは難しいので、そういう人は自分の生活時間に合わせてたまごっちの時計をコントロールしてやるのがいいだろう。これで円満なたまごっち生活を過ごせるようになる。
また、長時間の会議や映画館で映画を観るときなど、長い時間に渡ってたまごっちのお世話ができないときもあるかと思う。そんな場合は、時計を調整して深夜の時間に設定し、たまごっちを強制的に寝かしてしまうのも手だ。ペットを育てるのに、時間をずらすのは少々邪道かも知れないが、デジタルペットならではのひとつの育て方でもある。
さらに、かえってきた! ちびたまごっちには、隠しコマンドが2種類用意されている。それぞれ、画面とサウンドのテストモードとなっており、液晶と音の様子をチェックできる。画面のテストモードは、BとCボタンを押したままリセットスイッチを押すと切り替わり、サウンドのテストモードは、AとCボタンを押したままリセットスイッチを押せばOKだ。この裏技は、リセットスイッチを押すので、育てているたまごっちは最初のたまごからになる。もしも際に試すならたまごっちを育てる前に行うようにしよう。
たまごっちの時計を深夜帯に設定すると、たまごっちキャラたちは布団に入って寝てしまう。お世話するのが難しいときは、この手で強制的に寝かしつける方法もある。寝かしたら電気は消してあげよう
たまごっちが誕生してから今年で20周年目になるが、その間、たまごっちも進化し続けてきた。ほかの人のたまごっちと赤外線通信を使って“恋愛結婚”し、子孫を育てられるようになったり、新しいたまごっちキャラも登場してきている。液晶画面もモノクロからカラー化し、それにともなって本体のサイズも大きくなっている。ほかにも、たまごっちたちが活躍するテレビアニメや映画(最新作「映画たまごっち ヒミツのおとどけ大作戦!」が4月28日に公開)も作られ、さまざまなグッズも販売されており、専門店が原宿にできるほどになっている。
最新版のたまごっち「Tamagotchi m!x(たまごっちみくす)」では、たまごっち同士が結婚して生まれてきた子供が成長する度に両親や祖父母の遺伝要素を引き継ぐこと要素が加わっている。そのため子供の体型や顔が両親や祖父母に似たりすることもあるみたいなのだ。そして育つたまごっちのパターンは、数千万以上にもなり、毎回違ったたまごっちを育てられるとのこと。初代たまごっちからは想像もつかないほど進化を遂げているのだ。
かえってきた!ちびたまごっち(左)と初代たまごっち(中央)、Tamagotchi m!x(右)を並べるとわかるが、現代のたまごっちは本体サイズが大きくなり、画面もカラー液晶に進化している。首からぶら下げて持ち運べるようにネックストラップも用意されている。ちなみに、Tamagotchi m!x(たまごっちみくす)の価格は5,555円(税込)と、初代たまごっちと比べるとやや高めに設定されている
かえってきた! ちびたまごっちの販売に先駆け、3月17日にヨドバシカメラ マルチメディアAkibaにおいて先行販売イベントが開催された。特別ゲストとして、ペナルティのワッキーさんと品川庄司の庄司智春さんが登壇。初代たまごっちが発売された当時のエピソードとともに、それぞれの持ちギャグを披露して会場を大いに盛り上げた。
さらに、両名をたまごっち化したイラストも特別に紹介され、庄司智春さんにいたっては「ミキティーに自慢する」と言って、その場で写真を撮り出すほど喜んでいた。先行販売は3月17日〜21日まで同店で販売されたのだが、用意された計1000個が完売するほどの大人気だった。
先行販売の会場には大勢の方が駆けつけ、特別ゲストのトークを楽しんだ。そして、2人をゲストをたまごっち化した「ホルモンっち」(ワッキーさんがモチーフ)と「しょうじっち」(庄司智春さんがモチーフ)のイラストも公開され、大いに盛り上がった
会場には、たまごっちを擬人化(?)した「初代たまごっち(20歳)」さんも駆けつけ、イベントを盛り上げていた
たまごっちの20周年を記念して登場した「かえってきた! ちびたまごっち」。育成要素が簡略化されていて簡単にたまごっち育てられる反面、手間をかけて育てていく体験がやや薄くなっており、当時を知る人だと少々物足りなさを感じてしまうかもしれない。個人的には、初代たまごっちの内容をちびたまごっちのサイズ感で出してもよかったのでは?と思ってしまった。とはいえ、あの当時を懐かしみつつアクセサリー感覚で手軽に楽しめるようになったのは喜ばしい限り。ノスタルジックな気分を味わいたい人はゲットしてみるのもいいかも知れない。
■関連サイト
ネットで発見!!たまごっち公式ホームページ:http://tamatv.com/
かえってきた! ちびたまごっちホームページ:http://tamagotch.channel.or.jp/tamagotchi/mini/
※「たまごっちシリーズ」は、潟oンダイと潟Eィズの共同企画・開発商品です。
©BANDAI,WiZ
新しモノ好きで、元ゲーム雑誌の編集者。玩具の攻略本を出版した経験もアリ。現在は、iPhone関連の情報メディアなどで編集・ライターとして活躍中!