新年度から10年計画/適正管理 利活用推進図る/専門家と連携―相談窓口も/豊橋市
2017/03/30
豊橋市は、市内で増加傾向にある空き家への対応策を盛り込んだ「空家等対策計画」を策定した。計画期間は新年度から10年間。管理が不適切な物件を減らしつつ利活用できる件数を増やし、同時に利用目的のない空き家が発生しないよう対策を図る。
人口減少や住宅の老朽化などの要因で、全国的に空き家の増加が問題になっている。豊橋市も例外でなく1993年に8270戸だった市内の空き家は、20年間で2万2000戸に増えた。これは総住宅数の13・3%を占める。
計画では市のデータベースに登録された空き家のうち、管理が不適切で市民生活に悪影響を及ぼす恐れのある169件(昨年末時点)を、10年かけて50件にまで減らす目標を掲げた。特に老朽化した空き家については、20万円を上限に解体費用の3分の2を補助金として、2016年度から先行的に支給している。
「空家バンク」の利用拡大によって空き家の活用を目指す。空家バンクを介して売買や賃貸の契約が成立した空き家は昨年末時点で12件にとどまる。10年後までに実績を70件に積み増す。空き家の利活用を促すため、市は空家バンク登録物件を改修する場合に費用の2分の1(上限50万円)を補助している。
すでにある空き家への対応と並行してして、新たな空き家を発生させない取り組みも進める。利用目的のない一戸建ての空き家が増えるのを抑え、2013年の水準(4160件)を維持する。
法律や相続登記、不動産などの専門家と連携しながら、市役所の総合相談窓口で市民の相談に応じる。市建築物安全推進室の前田隆男主幹は、空き家対策では「空き家にしないことが重要」と指摘。「自分が住まなくなった後の住宅を、どうするのかも考えてほしい」と呼びかける。
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