修繕・安全に657億円 17年度の事業計画
過去最大の投資をする方針
JR北海道は28日、2017年度の事業計画を発表し、設備の修繕費に362億円、安全対策に295億円とそれぞれ過去最大の投資をする方針を明らかにした。一方、16年度は台風被害などで単体では過去最悪の経常赤字235億円を計上する見込み。17年度もこれに次ぐ189億円の経常赤字を予想し、保有資産売却などでしのぐ。
JR北は、18年度までの5年間で設備修繕と安全対策に計2600億円を投じる計画を進めており、新年度からは新しい保線検査の管理システムを導入する。
一方、本業のもうけを示す単体の営業損益は16年度に533億円、17年度に505億円のそれぞれ赤字となる見通し。災害からの復旧や外国人観光客の増加で、17年度は鉄道運輸収入を今年度より28億円増の740億円と見込むが、2年目の北海道新幹線は開業効果の落ち着きなどで10億円減の100億円となる見通し。
島田修社長は、1237キロに及ぶ維持困難線区(区間)で毎年160億円の営業赤字が見込まれるとして、「手をつけずに経営問題を解決できない」と述べ、自治体との話し合いを急ぐ意向を強調した。
また島田社長は、技術系を中心に16年度だけで100人超の社員が離職したことを明らかにした。近年は経営難を受けて離職が相次いでおり、将来のビジョンを提示することなどで少しでも社員離れを防ぎたい考えを示した。【野原寛史】