<山形鉄道>20年ぶり黒字 上下分離式が奏功
第三セクター山形鉄道(長井市)は28日、長井市で取締役会を開き、2016年度決算が約1500万円の黒字の見通しになると明らかにした。運行するフラワー長井線の乗客減で赤字が続いており、黒字決算になれば1996年度以来20年ぶり。6月の株主総会で正式承認される。
16年度業績予測で当期損益は約1億円の赤字だった。鉄道事業の運営と、施設や用地の保有を切り離す「上下分離方式」を昨年末に導入。長井市など沿線2市2町が施設整備費約1億1700万円を負担し、黒字転換のめどが立った。
15年度までの累積赤字は約3億5800万円。
同社は昨年11月、国から鉄道事業再構築実施計画を認められた。上下分離方式の導入を柱に5年計画で経営再建に努め、最終の20年度に約680万円の純利益計上を目指してきた。
計画実施初年度で黒字化の見込みとなったことに、山形鉄道社長の内谷重治長井市長は「まずはほっとしている。内部留保ができるぐらいまでの経営努力は欠かせず、サービス向上に努めたい」と話した。
2017年03月29日水曜日