何年か前から白内障と子宮の病気を患っていたけれど、心臓が弱ってしまったことが一番の原因だということだった。
ここ二週間で経口で食事がとれなくなり、栄養剤を投与してなんとかやっていたということで、亡くなるころにはあばら骨が見えるようになっていたという。
駅に着いたところでメールを見たら、ぽっかりと穴が空いたようだと短い文章で書かれていた。
堪えていた涙が、ぽろっと頬を伝った。
会社の後輩も、私と同じように遠く離れた実家で飼っている犬を亡くしたということを先週聞いたばかりだった。
後輩が年末年始に帰省すると、犬がいない現実がそこにあることが何より悲しかったという。
お母さんも、時間が経ってもぼうっとしていて、それを見てまた悲しくなったと言っていた。
後輩の話を聞いて、犬を亡くすことがどんなにつらいものか、よりわかった気がする。
どうか、のこされた私の家族が気落ちしすぎないように、とても愛されていた飼い犬が幸せなまま送ってもらえることを祈っている。