【主張】
香港行政長官選 高度自治の姿には程遠い
こうした北京発の要人発言は、「一国二制度」を公然と捨て去るに等しいものだ。
中国による香港への干渉は、いまに始まったものではない。冷静にみれば、好ましい結果は全く生んでいない。
2014年に学生らが香港の道路を占拠した「雨傘運動」は、中国の介入への反発が招いた。
中国が信任したはずの行政長官には在職中の不正行為で退任後に有罪判決を受ける人物も出た。いずれも、候補者の選定や投票方法に中国の意向を過度に反映させた結果である。
香港の統治を正常化させるには「高度自治」を認めた国際公約に立ち戻り、自由な直接投票を実施するしか方法はない。
「一国二制度」の構想は本来、台湾との統一を念頭に置いたものであったのだろう。
だが、中国への主権返還から20年を迎える香港の現状を見れば、これが画餅にすぎなかったことは明白である。