昨年の米大統領選で、ツイッター利用者が選挙戦終盤に激戦区ミシガン州で共有したウェブコンテンツの約4分の1がいわゆる偽ニュースだったことが、英オックスフォード大学の研究で明らかになった。
オックスフォード・インターネット研究所(OII)の研究者らは、これらの利用者が同じ期間中に共有した偽ニュースの件数が「プロフェッショナルニュース」の件数とほぼ同数に達したと結論付けた。
27日に発表した報告書によると、偽ニュースの記事へのリンクは、調査対象であるミシガン州を拠点とする利用者14万人が昨年11月11日までの10日間にツイートしたリンクの23%を占めた。
とりわけ交流サイト(SNS)を通じた偽ニュースのまん延は、欧米数カ国で世論や政治的な議論をゆがめると非難されているが、その一方で、一部の政治指導者は偽ニュースのまん延に乗じて、信頼できるが自分に批判的なニュース報道を偽ニュースだと切り捨てている。
OIIの研究者らは「ジャンクニュース」という言葉のほうを好む。その定義は「様々な形態のプロパガンダや、政治に関するニュースや情報のうち、思想が極端に偏り、党派色が極めて強いか、あるいは陰謀めいたもの」だ。
プロのジャーナリズムとしての資質を備えた発信元による政治のニュースや情報と定義されるプロフェッショナルニュースも、ミシガン州の調査対象者によるツイートの23%を占めていた。このことから、プロフェッショナルニュースは偽ニュースよりも多く共有されているわけではないようだ。
研究者らはまた、ロシア発のニュース記事や裏付けのない内部告発サイト「ウィキリークス」のコンテンツにリンクを分類した。偽ニュースと合わせ、これら3つに分類されたコンテンツは、プロフェッショナルニュースよりも全体的に広く共有されていた。
OIIの「コンピューターによるプロパガンダに関するプロジェクト」の調査主任であるフィリップ・ハワード教授は「(ミシガン州の)市民生活や政治に関する議論に悪影響を及ぼすと言ってよいだろう」と話す。
■初の定量的調査
大統領選直前にミシガン州の投票予定者に対して実施した世論調査では、民主党候補だったヒラリー・クリントン氏がトランプ氏よりも3ポイント以上リードしていた。同州では最終的にはトランプ氏が0.2ポイント上回り、1988年以降にミシガン州で勝利した初の共和党候補者となった。