4月は10年固定金利が0.2%上がり35年固定は据え置き
どうも千日です。前回、三菱東京UFJ銀行の10年固定金利が上がると予想しましたが、予想通り上がりましたね。
読者さまからの情報ですと以下のようになります。(カッコ内は3月金利)
- 10年固定0.75%(0.55%)
- 35年固定1.41%(1.41%)
千日の予測としては1月の0.65%位に上がるかな?と思っていたのですが、予測を上回る上昇となりました。
目次
三菱東京UFJが10年固定金利を上げた背景から分かること
我々利用者が知る事が出来るのはあくまで、金利を上げたという『結果』だけです。
なので本当の背景は中の人でないとわからないのですが、ある程度の想像を働かせる事ができます。
千日の想像は以下のようなものです。
✓三菱東京UFJ銀行の2月と3月の10年固定金利は『バーゲン価格』である。
✓2月に邦銀としては初の全米個人向けネットバンクを開始しており、銀行業の収益源をドルに舵を切っている。
✓3月になってからのWEB広告の激減。
このストーリーが正しいとすれば、他の金融機関の住宅ローン金利の動向についても、ある程度は予測出来る可能性が出て来ます。
1月から2月に金利を下げた銀行の住宅ローンは要注意
前回の記事でも書いてますが、一般的に決算月のかきいれ時を狙うには、2月から住宅ローンの金利を下げて利用者の注目を集める必要があります。
1月から2月に目玉商品とする住宅ローンの金利を下げたのは以下の2行の住宅ローンです(1月金利→2月金利)。
- 三菱東京UFJ銀行の10年固定0.65%→0.5%
- 三井住友銀行の10年固定 0.85%→0.75%
三菱東京UFJ銀行は10年固定の金利を1月の0.65%から0.5%に0.15ポイントも引き下げ、三井住友銀行は10年固定の金利を1月の0.85%から0.75%に引き下げました。
その時のことは3月以降に住宅ローンの金利を上げそうな金融機関を予測します - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答えるに詳しく書いてます。
その後2月から3月にかけてはというとそれぞれ0.05%の上昇です。そして三菱東京UFJは3月から4月にかけて0.2%上げたのですね。
並べてみるとこうなります(3月→4月)。
- 三菱東京UFJ銀行の10年固定0.55%→0.75%
- 三井住友銀行の10年固定 0.8%→?
三菱東京UFJは冒頭に述べた通り0.2%上げて来ましたが、同じ傾向のある三井住友銀行についても同様に上げてくる可能性はありますね。
1月から2月に金利を据え置いた三井住友信託銀行の住宅ローンはどうか?
これに対して、1月から2月にかけて10年固定の住宅ローン金利を据え置いたのはみずほ銀行(0.85%)、三井住友信託銀行(0.5%)、りそな銀行(0.9%)です。
三井住友信託銀行は微増か?
中でも三井住友信託銀行の10年固定金利はそれまで最安だったんです。1月から2月に据え置いたことで三菱東京UFJに並ばれたんですね。
じゃあ、三井住友信託銀行は上がらない?
こんな風に考えたいところですが3月以降に住宅ローンの金利を上げそうな金融機関を予測します - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答えるで書いたように、基本姿勢として三井住友信託銀行は金利を上げる方向にあると千日は考えています。
なので、ライバルの三菱東京UFJが0.75%に上げた事で、三井住友信託銀行の方も上げやすくなったという状況ですね。
ただ、三井住友信託銀行は今もWEB広告を打って4月の融資獲得に動いていますから、三菱東京UFJほどドラスティックに上げる可能性は低いと思います。
- 3月の0.55%よりは高く、三菱東京UFJの0.75%よりは低い。
こういうポイントに落ち着くのではないでしょうか。0.6%から0.7%が濃厚でしょう。前回の記事では横ばいと予測したのですが、想定外の三菱東京UFJの利上げですので、これは予測を修正せざるを得なくなりました。
りそな銀行の借り換え専用は上がる可能性大
りそな銀行は借り換え専用という事で3月31日までの期間限定で0.55%という商品を出しています。
こちらについては、もう最初から3月31日までと銘打っているので確実に上がるでしょう、というかキャンペーンが終わると言った方が適切ですね。
りそなの広告も最近とんと見なくなりました。広告って当然タダではありませんから、企業の本音が出やすいんです。
フラット35の金利は金融市場の長期金利を反映して下がる
3月17日に4月のフラット35の金利の基準になる住宅金融支援機構が発行する機構債の表面利率が発表され、前月の0.47%から0.01%マイナスの0.46%となりました。
という事で、千日は以下のように0.01%下がる又は横ばいと予想しています。(カッコ)内は3月の金利です。
- 15年から20年 1.00%(1.01%)
- 21年から35 年1.11%(1.12%)
直近までの長期金利の推移は以下のようになっています。機構債の表面利率発表から更に下がっていますね。
仮に、今後長期金利が上がる動きを見せたとしても、日銀の買い入れオペが3月29日と31日に残存期間1年超5年以下と5年超10年以下で予定されています。
日銀の買い入れオペとは、あらかじめ日銀が指定する価格(指値)で国債を大量に買い取ることで市場に介入し、国債価格の下がり過ぎ(=金利の上がり過ぎ)を食い止めるものです。
なので基本的に月末まで長期金利の上昇を抑制する傾向にありますので、フラット35で借りる予定の人は、いくぶん安心して月末を迎えられると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- フラット35の金利は下がる。
- 民間金融機関の金利は上がる。
というのが、今のところの傾向です。同じ住宅ローンでも金利動向は逆の動きをすることがあるのですね。
- 民間金融機関についてはそれぞれの銀行単位での思惑が介入する。
- フラット35は市場の金利がそのまま反映される。
こういった、金利の決定プロセスの違いによるものです。
住宅ローンの金利は融資を実行した日の属する月の金利が適用されます。そして、融資を受けるには少なくとも1ヶ月前から準備が必要です。
土壇場になって慌てないようにするには、予め複数の金融機関で審査を通しておく事をお勧めします。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
千日のブログでは、マイホームの購入や住宅ローンの組み方について、最新の情報に基づいて分かりやすく解説しています。
もう一つのサイト、千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは毎日寄せられる様々な人の相談に無料で答え、その内容を記事にしています。
あわせて読んでみてください。
住宅ローンのリスクに備える
マイホームとお金のカテゴリー記事