数年前、世界的なエビ不漁だかなんだかでモスバーガーからはエビカツバーガーというメニューが消え、そして復活した。
当時高校生だった私は、それまでも何度か二人で学校帰りモスに寄ることがあった先輩に「エビカツが復活したんですよ!絶対食べに行かなきゃ!一緒に行きましょう!」と鼻息荒く詰め寄り、了承をもぎ取った、が、その約束が果たされることはなかった。
先輩と私の友達が付き合っているという事実を知った私が一気に距離を置いたためである。
先輩たちはその交際を周囲に秘密にしていたため「彼女に悪いから」などという理由で私の誘いをかわすことができなかった、ということまでは想像がつくものの、だったらたかがモスとはいえ彼女持ちが他の女とサシで飯なんか行くなや!というか付き合ってんならそうと言わんかい!私が道化やないか!!という気持ちでいっぱいになった私は世の理不尽をかこち、涙を流し、エビカツを貪り食った。
今日、久しぶりにエビカツを食べた。あの頃ほど美味しくない。先輩が頼んだものをよく横取りしたオニポテも、そんなに美味しいと思えない。ふざけんな先輩、私のエビカツに余計な記憶を植え付けやがって。すごく好きだったのに。