英国の欧州連合(EU)に対する離脱通知が29日に迫った。メイ政権は、移民規制の強化を「国民投票で示された民意」として離脱条件の柱に据える構えだ。だが、英国経済を現場で支えてきたのは、EUのほかの国から移民した労働者だった。英国ではすでに、EU域内からの移民労働者の増加が鈍っており、経済の失速を招くとの懸念も出ている。
2月、英東部キングスリン郊外にある「アルフレッド・G・ピアース」社の業務用カット野菜工場。横一列に並んだ従業員が、回転する機械に黙々とニンジンを押し込んでいた。
工場内は約10度に設定されているが、ニンジンの洗浄用に使われる水は2~3度。冷風を吹き出す送風機もあり、体感温度はずっと低い。12時間交代で働く従業員約50人のほぼ全員がリトアニアやポーランドなど東欧のEU加盟国出身だ。
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朝日新聞国際報道部