書く技術。ブロガーなら誰もが手に入れたい武器。でもどうやったら手に入るのか。ちまたには多くの文章力向上や基礎についての本があふれています。どれも一見素晴らしそうに見えますがどれを手に取ったら良いのかわからない。そうお困りの方も多いでしょう。
そんな時は自分が勝負したい業界のトップの書いた本を参考にするほうが良いでしょう。ビジネスマン、大学教授、ブロガーなどなど自分が文章を書く業界によって適切、求められる文章力は異なります。
スポーツで例えるなら走る技術と一口言ってもマラソン選手なのか100m走の選手なのか、野球なのかサッカーなのか、バスケットなのか。その競技によって求められる走力は異なるでしょう。
では私が手に入れたい書く技術とは何か。それはもちろんブログで食べていけるためのものです。と前置きが長くなりましたが、ってことで私が選んだのはイケダハヤト著「武器としての書く技術」。
一部では炎上ブロガーなどと揶揄する声もありますが、やはり実績や発信力などは日本のブロガーの中ではトップクラスの存在。この方の著書からブログ初心者の私が学べることはたくさんあるだろってことで読んでみることにしました。
それでは本を読んだ感想について触れていきます。
目次
「武器としての書く技術」とは
内容紹介
一般のビジネスマンや学生、主婦であっても、自分のブランドを上げ、ひいてはお金に変えられる手段がある。それは、「書く」ということ。月間30万PVを誇るブログを運営する「プロブロガー」である著者が、「稼ぐための書く技術」を惜しげもなく披露します。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者について
プロブロガー。86年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、大手半導体メーカーに就職。当時としては珍しかったツイッターを利用した広報活動や、ソーシャルメディアに関するブログを開設。それが注目を集め、コンサルティングを行うベンチャーにヘッドハンティングされる。2011年3月にフリーランスになって以降もブログを武器に情報発信を続け、書籍の執筆、講演、NPO支援などで幅広く活躍。
目次
1章 文章が残念な人の10の特徴
2章 凡人の文章を最強の文章に変える10の魔法
3章 月40万字書き続けるぼくの12の秘密
4章 ここまで公開していいのか?書いて月50万円稼ぐ法
5章 書く技術はこんなに人生を豊かにする
惜しみなく披露する書く技術とブロガーとしての心構え
前項の目次を見ていただけるとわかるのですが1,2章では具体的な文章力を向上させるためのテクニック、3,4章ではブログを続ける、稼ぐための技術、そして最後にブログを書くことで得られることについて書かれています。
正直ここまで書いていいのかって思うくらい惜しみなく技術について書かれています。この本を読んだ後だとなぜヒカキン本が批判を受けたのかがわかってきます。
イケダハヤトさんは現在ではnoteで有料記事を書かれているので今後こんな本は出されないでしょう。今のイケダハヤトさんを見ていると信じられないくらいテクニックが凝縮された本になっています。
2013年に発売されてから既に4年が経過しようとしていますが、今のブロガーにとっても武器となる技術がふんだんに盛り込まれているので、特にブログ初心者には必見の本です。
やはり成功されている方が本気で書いて、世間で売れた本は少し時が経ったくらいでは色褪せないのだということを先日の「ブログ飯」に引き続きこの本でも実感させられました。
私が参考になった箇所
では、ここから私が参考になった箇所についていくつかご紹介していきます。
炎上なんて気にしないことの意味
よくイケダハヤトさんは炎上商法などと揶揄されたりします。この本の他の方のレビューでも炎上を促しているなどとのコメントを目にすることがありました。
しかし実際にこの本を読んでみて思ったのはむやみに炎上を推奨している本ではないということです。炎上推奨として指摘されているのが「~だと思います」や「~な気がします」という文体ではなく言い切りの文体にしろと言っているところです。
ただこの意図を氏は下記のようにいっています。
言い切れないようなことは、言う価値もありません。
要は簡単。言い切れないことならわざわざ言うなってことです。
こんなこと言われると炎上や批判が怖くて記事が書けないという人もいるでしょうが氏は合わせてこんなことも言っています。
あなたの「言いにくいこと」は、誰かの「言ってほしいこと」
この本には散々投稿することを恐れず自分の意見をどんどん発信していこうと書かれています。その意図は誰かがあなたの意見を待っているということと、これだけ多くの情報が流れるネット世界に置いてそこまで大きな問題になることはないということです。
ですので、躊躇するくらいのことなら言わなくてもいいし、言う価値もない。自分が価値があると判断したことなら迷わず発信してみようぜってことなんです。
あたなが「言いにくい」と感じることは「毒」の部分です。そして、その毒はしばしば多くの人が代弁して欲しいことでもあります。
客観性なしにわかりやすい文章はあり得ない
では全て自分の主観の上で面白いと思ったことを発信し続けていけば良いのか。氏はそうではないと説いています。
面白い文章を書くというのは、この「主観と客観の行ったり来たり」が重要なのです。
この言葉が出る少し前に主観と同時に客観的な視点も大事だと書かれています。ようは他人が共感する部分や、反応する部分がないと単なる垂れ流しに終わってしまう。
私はこの部分を読んでいたずらに炎上をあおっていると言っている人たちはこういう箇所を読み過ごしているのではないかと感じました。この部分に限らず氏は売れる、人に読んでもらうために読者の視点にたつ重要性を口を酸っぱくして説いています。いわゆる顧客目線で仕事をされています。
読者の疑問や不信感をなるべく先回りして、一つひとつ潰していくわけです。
わかりやすいプレゼンをする営業マン、わかりやすい授業をする学校の先生、わかりやすいテレビ番組。これら全てに共通しているのは聴き手の疑問や不信感などを先手先手で潰していける配慮と察知力があることです。このプレゼンや授業ならここで質問をしたくなる人がいるなやテレビならここで視聴者は具体的な映像をみたいだろうななどです。またこれを言われる前から準備しておくと相手の心をぐっとつかむことが出来ます。
質問をする行為は聴き手に多少ストレスを与えますし、後で自分で調べるのは時間と労力を必要とします。それら聴き手の負荷を減らすことこそが読まれやすい良い文章になるわけです。
結局のところわかりやすい文章とは客観性なしにはあり得ないとこの本では書かれています。
文章力以外で共感できたこと 速読への考えや人との関わり方などなど
ここまでは文章を書くうえで大切なことについて触れてきましたが、ここからはそれ以外で私が共感したことをピックアップしていきます。
人間なんてどうせバカ 一冊5分で読めるわけ
氏は軽い本であれば一冊5分で読めるそうです。これを聞くと本当に全部理解出来たのかよとツッコミを入れる人もいるでしょうが、私はこの話は理解できます。実は私もいわゆる速読するのでわかるのですが、慣れているジャンルになると5分はさすがに無理ですが20~30分もあれば要点をつかむことは可能です。
この本にも書かれていますが一般的に本の核心部分は5%程度しかないと言われています。それ以外の部分は核心部分に説得力を持たせるために説明や導入部分だったりします。自分が知らない分野ならまだしも自分が知っている分野、私で言うなら野球などはそれらの部分は読まなくていいです。ようは飛ばせてしまうのです。本を読んだり知識を蓄積するということはこの読み飛ばしをするための鍛錬のようなものです。
そしてもう1つ忘れてはいけないことを氏が語っています。
世の中には「今の自分が読む価値のない本」が大量にあふれています。ポイントは「今の自分が」という部分です。
ようはその時に理解できること、必要なことは絶対的ではなく相対的に変化していくということです。
速読限らず読書になかなか手を出せない人の共通点は一度に全てを完璧に理解しようとすることです。はっきり言ってそんなことは出来ません。この本にも書かれている通り人間はそこまで頭は良くありません。なので理解できない自分を責めることなく少しでも引っかかりがあればよいやくらいの感じで自分の驕らず読書するのが実は一番効率的な読書術なのです。
自己紹介って無駄な時間
基本的に人間が生きている限り自己紹介というのは欠かせないことでしょう。しかし正直に言って私はこの時間が死ぬほど嫌いなのです。端的に言ってめんどくさい。厳密に言うと時間の無駄。
例えばTwitterやinstagram、Hello Talkなどで自分が仲良くなれそうだったり有益な情報を提供する人をみつけるためにその人の自己紹介や興味がある分野をチェックしますよね。
恐らくそこで事前にその人との人となりや趣味などを知っているとスムーズに話が(ようは本題から)進んでいきます。ところが実際に初対面の方と会う時はそうはいきません。正直27年も生きてくれば自分がどんな人間でどう自己紹介をすれば興味を持たれるのかはわかっているのでこの自己紹介の部分は自分にとって既知の部分しかないのです。そこに時間を費やすことに私は時間の無駄を感じてしまうのです。またことビジネスにおいては特にそれを感じます。
これに近いことはちきりんさんも書籍で似たようなことをおっしゃっていました(Twitterなどのメッセージは前置きなどはいいから要件をダイレクトに伝えてこいと)
自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方
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そしてなんとこの本にも同様なことが書かれていました。
「ぼくの存在を既に知っている人」としか仕事をしないようにしているのです。
もちろん私はまだ認知度などない存在ですので自分から発信しなければならない立場ですが、これからネット上でのビジネスが発達していく中でいつかこういったコミュニケーションスタイルを取り入れる。とブログを続けていく強いモチベーションの1つになりました。
まとめ
発売から4年たっても有用な情報が大量に盛り込まれている本でした。まさに全ブロガーにとっての必読書です。
今回ご紹介出来なかったこと以外にもブログを書くことで心が落ち着く、電子書籍ビジネスによるマネタイズなど面白いことが書かれていました。
今後折に触れて読み返して実践していこう。そう思える良書でした。
それでは、さようなら!
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