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【京都府立医大疑惑】
「心臓の武田」の腕利き医師逮捕…府立医大病院の関係性は 暴力団幹部の虚偽診断書作成事件
家宅捜索から1カ月あまりを経て、医療機関の“闇”を映し出す事件がついに動き出した。病気を理由に収監を免れた暴力団幹部の病状について、京都府立医大病院(京都市)などが検察に虚偽の報告をしたとされる事件。京都府警が27日に逮捕したのは、府立医大病院と関係が深く、「心臓の武田」ともいわれる民間大手「康生会武田病院」(同市)の担当医らだった。
虚偽診断書作成・同行使の疑いで逮捕されたのは、武田病院の医師、全栄和(チョン・ヨンファ)容疑者(61)=京都市左京区▽同病院の元医事部長、大西義彦容疑者(45)=大津市▽暴力団組員、山田英志容疑者(48)=京都府宇治市=の3人。「業界では腕がいいことで有名な医師だ」。ある医者は、全容疑者をこう評する。
病院関係者によると、全容疑者は武田病院の特色の一つである「不整脈治療センター」のトップ。全容疑者の治療を受けるために京都府外からも患者が受診に訪れていたという。
だが、過去には収賄事件で逮捕され、有罪判決を受けたこともあった。
ホームページによると、武田病院グループは京都府内で9病院のほか、検診施設、介護・福祉施設などを経営。不整脈治療センターは「心臓の武田」を代表する「京都では有数の施設」(医療関係者)だった。