この前、ザワークラウトを作った時に、乳酸発酵漬物は、乳酸菌が生成する乳酸の働きで雑菌の繁殖を抑えているため、塩分濃度が他の漬物よりも低いことが多いというようなことを書きました。ただ、乳酸が十分出る前の数日間は、塩分濃度が低いために逆に危ない状態にある可能性があります。しかし、作っている私自身はちょくちょく酸っぱくなったか味見をする必要があって、それが少し心配でした。そこで、漬物がちゃんと乳酸で酸性になっているかを、味見せずに確認するため、pH試験紙というものを購入してみました。
pH試験紙を購入
pH試験紙とは、酸やアルカリに反応して色が変わる試薬を複数、紙に染み込ませたものです。酸性からアルカリ性までの広い範囲を、一回の試験で簡単に調べることができます。
今回購入したのは、アマゾンで見つけたこちらの製品。
アズワン pH試験紙 ロールタイプpH0-14 /1-1254-01
- 出版社/メーカー: アズワン
- メディア: Tools & Hardware
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pH 0 ~ pH 14まで測ることが出来るというものです。
外見はこんな感じ。
説明書もなにもついておらず、戸惑いましたが、推測で準備してみることにしました。
まず、蓋を開けます(結構固かったです)。中にアルミホイルで包まれた試験紙が入っていました。
アルミホイルを剥がすと、リール上の試験紙が入っていました。その端が容器の切れ目から外に出るようにセットします。
こんな感じになります。容器の側面には紙を切るカッターがついていますので、後は、セロテープの要領で試験紙を適当な長さにカットして使います。
そこそこ高かったですが、ちびちび使っていけば、長く使えそうです。今回購入したものは、5mの試験紙が入っていますので、1cmづつ使えば、500回使えることになります。一回の試験代は2円~3円といったところでしょうか。安全を考えたらそのくらいのコストをかけても良いような気もします。
pHを測ってみる
早速、手元にある酸性の食品のpHを測ってみました。
お酢
まずは、酸っぱいものの代表、お酢(ミツカン穀物酢)です。
おー!綺麗に赤色に変わりましたね。
大体、pH 1.5と読めます。ネットでは、お酢のpHは、2~3くらいと幅があるようなのですが、これは結構低めに出ましたね。
なんだか、学生時代の理科の実験を思い出して、楽しいです。
ザワークラウト
この前、こちらの記事で書いた自作のザワークラウトの汁のpHを測ってみました。
記事の時点では、酸味が少し弱いかなと書きましたが、冷蔵庫で熟成しているうちに酸味も増して、味も良くなってきたように思います。
結果はこんな感じ。
大体、pH 3くらいでしょうか。お酢よりは酸度は弱いですが、ちゃんと酸性になっているようです。
ヨーグルト
ヨーグルト(ナチュレ恵)の乳清(ホエイ)部分を測ってみました。
pH 4くらいでしょうか。
ナチュレ恵は、ヨーグルトの中でも酸味が穏やかで食べやすいですので、pHは高めに出ているのかもしれません。
すべて並べてみると、こんな感じ。上から、ヨーグルト、ザワークラウト、お酢です。
今回、いくつかの食品のpHを測ってみましたが、色味だけで、正確にpHを判定するのはけっこう難しく感じました。
ただ、大まかにどのくらいの酸度が出ているかの確認には十分利用できそうです。これから、乳酸菌漬物を作るときの味見の代わりとして活用していきたいと思います。
なお、乳酸菌漬物の殺菌作用に関しては、こんな論文を見つけました。
http://www.shokusan.or.jp/haccp/search/injury/detail.php?id=6219
論文は、これみたいですね(時間が無いので読んでいませんが、いずれちゃんと読んでみたいです)。
http://foodsafety.wisc.edu/business_food/files/JFP_coldpack.pdf
pH 3.3、10℃の環境だと、O157を10万分の1に減らすのに5.7日、25℃だと1.4日かかるようです。O157は耐酸性が結構高い菌だそうです。
乳酸でpHが下がってから少なくとも6日くらいは熟成させた方が安全ということですね。また、これは意外でしたが、すぐに冷蔵庫に入れないで、高温で置いておくほうが殺菌の観点からは良いようですね。
まとめ
乳酸発酵漬物の出来具合を客観的に測るために、pH試験紙を購入してみました。それを使った測定によると、前回作ったザワークラウトは、pH 3付近になっていて、ちゃんと酸度が出ており、上手く出来ていたことが確認できました。このpH試験紙は、これからの乳酸菌漬物ライフで、大いに活用していきたいと思います。