2017年3月27日
沖縄で「暗躍する日本会議」シリーズ。
先回の続きだが。
2013年12月27日、前仲井眞知事が、突如として辺野古の埋め立てを正式承認した、あの悪夢の日。あの裏切りの日。
あの時いったい何があったのか。
多くの県民はその時の悪夢の瞬間から時が止まったまま、その悪夢を読み解く手掛かりすら失ったままだった。
しかし、その時、仲井眞知事とつながっていたのは、
実は県民ではなく、日本会議だったのだ。
仲井眞承認の、わずか四か月前のこと・・・。
8月28日、日本会議 が沖縄で「普天間の危険性を除去し辺野古の米軍基地に統合縮小実現する県民の会」なるものをたちあげた。
「私たちの願いは、沖縄の安全と安心」
「普天間基地の危険性除去のため、辺野古の移設 (統合縮小) を実現しましょう」
「私たち県民の会は五万名の署名を集め、県知事に提出します。」
辺野古に統合縮小 ???
県民の会 ???
そして署名活動が始まった。
なにせ4年前のことだ。なんか変な署名活動を県庁前でやってるぞ、ぐらいの認知度だったろう。日本会議の名前などどこにも出てこない。日本会議が何を目論んでいるのか、どころの話ではない。
ともかく、日本会議の名前すら聞いたことがない者がほとんどだ。
前回の、
沖縄で暗躍する日本会議 Part II では、
東京を本部とする日本会議が秘かに怪しげな沖縄極右団体のメンバーを使い回してかき集めた「辺野古移設容認」の約8万名の署名。それが、
① 県外移設を主張していた沖縄自民党の国会議員に「辺野古移設容認」政策転換への口実を与え、
② 仲井眞知事の埋め立て承認への道筋を作るための、偽の「沖縄世論の変化」演出工作だった、ということを示した。
さて、今回の
沖縄で暗躍する日本会議 Part III では、
どうやって日本会議が短期間で8万名におよぶ署名を集めることができたのか。
その日本会議の小汚いやり口をもう少し詳しく示していきたい。
8月23日に急ごしらえで結成された会が、
この沖縄の地で、わずか四か月で8万名の署名とは、
一日なんと平均 670名以上も集めなければならない計算になる。
そして当然だが、多くの抗議文が寄せられた。
※ なお、この日本会議メンバーによって公開され「呪いの手紙」や「死者からの手紙」として晒され笑いものにされた大量の沖縄県民の抗議の書面については、のちの投稿で扱いたい。沖縄に潜伏する日本会議、第四弾を期待してほしい。
「なにが危険除去で統合か !」
「なにが辺野古に縮小だ !」
「お前たちは何者だ ! 島を売る気か ! 」
そんな渦巻く県民の怒号をよそに、
日本会議はどうやって署名をかき集めたのか。
日本会議と右翼団体の青年たちの懸命な署名集めの「頑張り」を、ぜひ皆さんにもいていただきたく、以下のお写真をご紹介させていただきますよ。
これらはすべて日本会議沖縄支部の専従職員が公開で FB に投稿したものだ。
まず最初に見ていただくのは、極右米軍偏愛団体「オスプレイファンクラブ」のメンバーで現在は右翼団体「日思会」に急接近、九州から移住、最も下劣な投稿をすることで通称「油虫」「油」として嫌悪されている沖ウヨ、栗秋琢磨だ。
10月20日、子どもを狙って署名集め。最悪のネトウヨ、オスプレイファンクラブで日思会の栗秋琢磨。
「ょぅじょ狙い」とコメントを書いているが、おい、
「基地を小っちゃくするためなんだよ~」
「普天間基地がなくなってみんなが幸せになるんだよ~」
とでも言ったのか、けたいくそ悪い。
そう、街頭の署名集めで活躍したのはこの極右団体の若手メンバーたちだ。
路上の署名活動を担った沖縄の極右団体。
※ 移住系極右ヘイト団体「シーサー平和会議」
沖縄の「基地推進派プロ右翼」の実態 - オスプレイ不安クラブ 〜うようよ対策課〜
※ 在特会系極右団体「チーム沖縄」
在特会チーム沖縄が頼りの沖縄自民党 - オスプレイ不安クラブ 〜うようよ対策課〜
※ 極右米軍偏愛団体「オスプレイファンクラブ」
最初は、いわゆる県民の「嫌がらせ」で、あまり署名活動も順調ではなかったことが書きこみからもうかがわれる。怒り狂うおじいやおばあの怒号、冷たい視線。そんなものだ。
ところが、彼らはどんどん署名集めのプロになっていく。
そのコツを見るまにつかんでいった。
つまり、若年層に狙いを定める。さらに端的にいえば、子どもにターゲットを絞ったといってもいい。
9月29日、「なんでこの人はこんなに人をつかむのが上手いのか、あっと言う間に人を引きつけました」って、ホストきどりかよ、チーム沖縄の小栗ヒロ。
9月29日、「罵倒するオジィや、ビラをグチャグチャにするオバちゃんもいましたが、若い人の反応がめちゃくちゃ良かったです(≧∇≦)」って、あんたたち子ども相手に署名しとるやないか (怒) ! しかも背か中からスケスケのウヨク丸出しなチーム沖縄。
9月29日「若い人の反応がものすごく良いです。画板をひったくって署名をしてくれました」って、部活帰りの中学生やろ ! 左は九州出身の田原一樹で長崎県大村市昊天宮の神職。日本会議である。
9月29日「人をひきつけるイケメン!かっこ良すぎるぜ!」って、だれがイケメンだ ? 子どもばっかり相手にして何言ってるんだ (怒) !!! 右は守谷あかね、左は高嶺太一。いずれもチーム沖縄。
9月29日、はいはい、カルト系右翼団体沖縄対策本部の仲村覚の母、仲村俊子、生粋の幸福の科学でございます。「米軍基地は必要です!」と力説だそうだ。右の我喜屋宗浩はチーム沖縄。
9月29日、沖ウヨライター兼次映利加の兄で、現在、極右米軍偏愛団体オスプレイファンクラブの手登根安則の声かけて沖縄本島への進出を画策している極右新聞八重山日報支局長の兼次政博まで !
10月20日、子どもを狙って署名集め。お前もだな、チーム沖縄の安里功。
11月3日、基地負担軽減・縮小と子どもをだまして署名させるのは、さも簡単なことだったろう。
11月3日、なぜか神奈川県から来た女性が署名をとっている。やはり子ども狙い。
9月29日、制服の中学生か。こんないたいけな中学生を言葉巧みに誘導し署名させる。
9月29日、良心というものがないのか、この怪しげな極右団体には。
9月29日、子どもを教え諭すかのような女性。
9月29日、自転車に乗った高校生もゲット。
11月11日、ていのいい子どもだましだ。
11月11日、完全に若年層にターゲットを絞った署名活動。
どうです。
沖縄の基地問題や、その長い苦悩の歴史をまだ十分知っていない若年層、あるいは子どもに焦点をあてた沖ウヨ、極右団体の署名活動。
それならば、
若年層相手なら、普天間基地をなくすため、騒音被害をなくすため、ぐらいの説明で簡単に名前を書いてくれるだろう。
そうやって署名活動は進められた。
しかし、それでも、8万名には1日平均670名の署名が必要だ。
「辺野古移設推進の署名活動ですが、7人で264筆も取れました!」(11月4日)
という書き込みもあるから、どんな小汚いやり方だろうが、街頭署名だけではとうてい足りない。
住宅街へのポスティングも行っていた。
極右団体に極右宗教団が総がかりで署名活動をしたのだ。
体商工会議所、そうした各種の署名動員もやっただろうし、署名の多くは郵送で送れられてきたものだった。
街頭署名ですら、このとおりの子供だましのやり方で集めてきたものだ。ましてや、怪しげな右翼団体やカルト宗教団体から送られてきた束のような署名のカタマリには、どれほどの信憑性があるのだろうか。
実際に集計している日本会議のスタッフに祝いのコメントを寄せているのは、沖縄極右団体のメンバー以外には、県外あるいは県外出身の人間ばかり、そのなかでも県外の議員が少なからずいる。
仲村覚 (沖縄対策本部) うれしい悲鳴ですね。群馬弘貴 すごい!「県外移設は沖縄県民の総意」との主張は完全に覆されたことが証明された!!
こうしたコメントをざっと見ているだけでも
真の意味で県民不在の「県民の会」の署名だったというのがすぐわかる。
他県の右翼が「すごい!県外移設は沖縄県民の総意との主張は完全に覆されたことが証明された!!」と書きこむ、この笑うに笑えない滑稽さよ。
ちなみに、仲村覚の沖縄対策本部とはこんなハッピーな団体の代表である。
たかだか市民団体の署名なのだ、という感覚。
しかしそれこそが油断であった。
隠れ日本会議によるこの署名活動こそ、沖縄自民党の政策転換、そして前仲井眞知事埋め立て承認の口実として利用されるべくしての、
ニセモノの「県民の辺野古移設支持という世論変化」の演出工作だったのだ。
沖縄だけではないだろう。日本会議が表舞台に現れないのは、様々な極右団体や宗教団体と手を結び、秘かにほくそえみながら、こんな小汚い政治的裏工作を進めていくクリプトな政治組織だからに他ならない。
日本会議にだまされるな。
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許されざる背信行為。次回は日本会議に連なる人々がどのように県民の辺野古移設反対の声をさらし笑いものにしていたかを検証する。