毎年楽しみにしているVOCA展を今年も見に行って来た。
行く度に思う事だけど、本当に個性的な作品ばかりで、改めて表現する事の可能性を感じさせられる。
現代美術の展示会は全般的に好きだけど、中でもVOCA展が好きな理由はその多様性にある。
「平面であること」が条件だけど、逆に言えば平面でありさえすればなんでもOKだ。
「平面ならいいんでしょ?」と言わんばかりに、毎回アナーキーな作品が登場するのが、見どころの一つだ。
--目次--
平面の定義
先に書いた通り、VOCA展の出展条件の一つに「平面」である事が条件になっている。
最初にVOCA展を見た時は「まー、そりゃそうだろうなぁ」なんて大して深くも考えず、見に行っていた。
ただ、最近「規定ってなんだろう?」って思う。
人は何もない所より、ある程度規定や規則があった方が想像力が働くと言う話を聞いた事がある。
紙も、Windowsの壁紙の草原みたいに無限に広がっていると何を書いて良いか解からなくなる。
(Windowsと言えばこの壁紙である。ちなみにこの場所は実在する)
だけど、A4やA3と言った”規定”がある事で書くものを決めたり、どこに何を配置するか想像力が働く。
自由とは不自由の中でこそ生きる、とも思えてなにやら皮肉な感じがする。
箱根ヶ崎も働いている時間があればこそ「休みを満喫してやるぜ!」と気を吐く訳で、これも一種の不自由の中の自由と言えなくも無い。
もう何もかもやめて、好きな時に好きな事をする生活には憧れるが、それをやると確実に腐る自信がある。
箱根ヶ崎はある程度のワクがあった方が動きやすい人間です。
日本の労働形態やらサラリーマンの性とかそんな事は置いておいて、単に「出展の規定は平面である事です」と一言でいっても、その”捉え方”は人それぞれだ。
上野の森美術館のVOCA展、今年も中々面白かった!あとついでに地獄の門も帰りがけに見てくると、現代美術だけじゃなくて、西洋美術にも思いを馳せられます。 #VOCA展 #上野の森美術館 #上野 pic.twitter.com/3U6Ehp81oZ
— 箱屋の箱根ヶ崎P.N.3@はてな (@pn3pn3) 2017年3月19日
今年のVOCA展でも、人による捉え方の違いを十二分に感じる取る事ができる。
オーソドックスに絵を書く人。
想像上の1シーンを彫刻し、それを写真に撮影した後にバックライトの点灯する掲示板に貼る。
巨大な絵に、部分的にディスプレイを埋め込んで絵が動いている様に見せる。
梱包に使う資材を使って”工作”する。
(あれは文字通り”工作”だと思う)
中でも印象的だったのは、作品がある。
木枠を壁に設置して、そこに本を並べて置く。
そして、来場者がそれを手に取り、読んで、作品内の別の場所に置く。
来場者によって絶えず形を変えて行き、それに寄って日によって受ける印象が全く違う、そんな作品があった。
”作品を見る人の心の動きも含めて作品”と言うのは見た事があったけど、作者が本を配置し、Aの来場者が読んで戻した本を今度はBの来場者が読んで別の場所に置く。
そんな伝言ゲームの様にして絶えず形を変えて行く作品でずーっと見ていられる。
(※画像はイメージだけど、こんな感じのでっかい版が”どーん”と美術館に展示されている)
現代美術にしても、なにか新しい事を体験するにしても自分の中の価値観を揺さぶられる感覚が好きだ。
「そう来るか!?」とか「ハイハイ、なるほどね」とか、揺さぶられた事に対して自分がどんな感情を持つのか興味がある。
揺さぶられた結果、自分なりに納得できると何となく「腑に落ちる」感覚がして心地よい。
(こう思うのは少数派か?)
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現代美術の展望は?
「訳の解からんモン見て何が楽しい?」
ごもっともです。
最初は箱根ヶ崎もそう思っていた。
ただ、「なぜ山を登るのか? そこに山があるからだ」と言わんばかりに1~2年くらい見ていると、自分なりに楽しみ方を見つけてくる。
どうして作者はこの形、このタイトルにしたのか想像する。
なぜこの色になったのか? 作者が訴えたい事とは何か?
と、言っても見ている箱根ヶ崎は美術方面の「ド」が着く素人。
高尚な事は何も言えないので見た目とタイトルから連想するしかないのだが、ここまで来ると想像と言うより”創造”だ。
単純に、普通はありえない形を見て「すっげーなー」とバカみたいな感想が出る時もある。
むしろ大半は散々眺めた後に「すっげーなー」しか出てこない事が多い。
半端じゃない情熱に半端じゃない時間をかけて、半端じゃない作品を見て、出て来た言葉が「すっげーなー」では本当に申し訳ないと思う反面、これはこれで良いと思う。
限定された会員制の展示会では無く、入場料を取るとは言え、公共の場で開かれた美術展だ。
当然、それには不特定多数の来場者が訪れる事になる。
色々な人の目にさらされて、色々な人の評価や活発な議論を呼ぶことが業界の活性化にも繋がると思う。
(現代美術でもブログでも公開した物に対しては活発に議論した方が良いと思う)
美術って言うとなんとなく取っつきにくくて小難しい感じがするけど、特別な日に気取って見るんじゃなくて、時間のある時にふらりと立ち寄る様な、そんなカジュアルに楽しむ物で良い。
また来年のVOCA展で、半端じゃない物を見て「すっげーなー」とバカみたいに言いたい。
それでは、また。
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VOCA展2017
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