蹴球探訪
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【スポーツ】[高校野球]史上初の2戦連続引き分け再試合 健大高崎は9回裏2死から同点2017年3月27日 紙面から
◇第7日<2回戦>第2試合の福岡大大濠−滋賀学園が1−1、続く第3試合の高崎健康福祉大高崎(群馬)−福井工大福井が7−7でともに延長15回、規定により引き分けた。1日に2試合の引き分け再試合は甲子園史上初。健大高崎は9回に小野寺大輝外野手(3年)のホームスチールで追いつくと、雨中のナイターで互いに譲らなかった。再試合は1日おいて28日に行い、27日は予定していた3試合が行われる。準決勝前の休養日はなくなった。報徳学園(兵庫)は4−0で前橋育英(群馬)に快勝し、2009年以来8年ぶりに8強に進んだ。 ◇福井工大福井7−7健大高崎互いに持ち味を発揮して譲らず、引き分け再試合となった。高崎健康福祉大高崎は得意の機動力を駆使した。1点を追う9回2死二、三塁から重盗を決めて追い付き、延長に持ち込んだ。強打が看板の福井工大福井は16安打。序盤の劣勢を挽回した。3−5の6回に3点を挙げて逆転。同点の9回に山岸の二塁打で勝ち越したが、逃げ切れなかった。 ◇ ホームへ頭から飛び込んだ健大高崎の小野寺大輝左翼手(3年)の左手がベースに触れた瞬間、甲子園がどよめきと歓声に包まれた。1点を追う9回2死二、三塁。土壇場で重盗。「怖さはあったけど、勇気ある走塁をしないと勝てない。イチかバチか行きました」。二塁走者の安里がおとりになって、投手が牽制球を投げたタイミングで三塁走者が走る。「機動破壊」とっておきのトリックプレーが飛び出した。 サヨナラのホームを焦るそぶりで大きめのリードを取った安里は「わざとらしくないようにしました」。チームトップの50メートル5秒9の小野寺は「ピッチャーが(二塁にけん制しようとして)プレートを外してターンした瞬間に走った」と胸を張った。1度目はけん制がこなかったが、カウント1−1からの2度目は、遊撃手がピッチャーに「二塁、二塁」というのが聞こえて、確信を持って走った。 9回に勝ち越されて2死まで追い込まれた。「ちゅうちょなく勝負をかけるしかないと思った。小野寺と安里は一番いいコンビだった」とベンチからサインを出した青柳博文監督(44)。安里の演技力と小野寺の脚力がはまった。一度使うと、しばらく使えないが常に練習しているプレー。公式戦で決めたのは2012年5月の関東大会以来だった。 3回に先制三塁打を放ち、5、7回にはともにディレードで二盗を決め、得点に結びつけた快足男・小野寺は15回には守備でもビッグプレー。センターからの中継プレーが乱れたが、レフトから俊足をとばしてバックアップし、三塁をオーバーランした打者走者を刺した。足で引き分け再試合を引き寄せた男は「勝ち切れる展開もあったので悔しいです。1日空くので、向こうのように回の先頭打者を出せなかったことなどを反省して次に生かしたい」と気を引き締めた。この決着は自慢の足でつける。 (小原栄二) PR情報
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