【ソウル=加藤宏一】韓国検察は27日、サムスングループから巨額の賄賂を受け取った容疑などで朴槿恵(パク・クネ)前大統領の逮捕状を請求した。共謀関係にあるとされる友人の崔順実(チェ・スンシル)被告や、贈賄罪などでサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長らがすでに逮捕・起訴されている。朴氏は検察の事情聴取で容疑を否認しており、証拠隠滅の恐れもあると判断したとみられる。
朴氏の逮捕状はソウル中央地裁が近く発付の是非を巡る審査を実施。発付が適当と判断されれば、朴氏の身柄は拘束される。
捜査を担当するソウル中央地検は同日、朴氏について「大統領の地位と権限を利用し、企業から金品を授受したり、企業経営の自由を侵害したりするなど、権限乱用の行動がみられ、重要な公務上の秘密を漏洩するなど事案が重大だ」と指摘した。
崔被告らがすでに逮捕・起訴されていることから、朴氏の逮捕状を請求しなければ公平性に反するとも判断した。
朴氏は今月10日、憲法裁判所の判断で大統領を罷免され、不訴追特権を失ったことで検察による逮捕・起訴が可能になった。検察は21~22日にかけて朴氏をソウル中央地検の庁舎で聴取したが、朴氏は自らの容疑について否認したとされる。