スキー場付近で雪崩 高校生6人心肺停止 3人と連絡取れず

スキー場付近で雪崩 高校生6人心肺停止 3人と連絡取れず
27日午前、栃木県那須町にあるスキー場付近で雪崩が起きて、登山の講習会を受けていた山岳部の高校生と教員が巻き込まれ、県によりますと、高校生6人が心肺停止の状態だということです。このほか高校生3人がけがをし、高校生と教員合わせて3人と連絡が取れなくなっているということです。警察や消防は、救助活動を進めるとともに、ほかに巻き込まれた人がいないか調べています。
27日午前9時20分ごろ、栃木県那須町にある那須温泉ファミリースキー場の付近で、雪崩が起きて登山の講習会を受けていた山岳部の高校生や教員が巻き込まれました。

県の消防防災課によりますと、この雪崩でこのうち高校生6人が心肺停止の状態になっているということです。このほか高校生3人がけがをしていて、高校生2人と教員1人と連絡が取れなくなっているということです。
警察や消防は、救助活動を進めるとともに、ほかに巻き込まれた人がいないか調べています。

県の教育委員会などによりますと、当時、現場では、県内にある7つの高校から山岳部の生徒と教員、合わせて66人が参加して合同で登山の講習会を受けていたということです。

雪山登山の講習会 7高校の66人が参加

NHKが雪山登山の講習会に参加している栃木県内の7つの高校に取材したところ、講習会には、各学校の生徒55人と引率の教諭11人の合わせて66人が参加しています。

このうち、県立大田原高校では1年と2年の男子生徒12人が参加していますが、詳しい状況がわかっておらず、確認を急いでいるということです。

一方、県立宇都宮高校や県立那須清峰高校、県立矢板東高校、県立真岡高校、県立真岡女子高校、それに私立の矢板中央高校のほか6つの高校では、参加した生徒や教員全員の無事が確認されているということです。

関東北部 まとまった雪に

気象庁の観測によりますと、関東地方では低気圧の影響で、26日から北部の山沿いを中心に雪が降り続き、まとまった雪となっています。
気象庁が栃木県の那須高原に設置している観測点では、27日未明から雪が積もり始め、午前9時の積雪は33センチとなっていて、気象庁は、那須町などに大雪や雪崩の注意報を発表し、注意を呼びかけていました。

専門家「表層雪崩の可能性」

栃木県那須町で起きた雪崩について、防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの平島寛行主任研究員は「現時点では、およそ5キロ離れた気象庁の観測点のデータから推測すると、より標高の高いスキー場では、今月21日ごろに雪が降ったあと、25日ごろに日中の気温が上昇し、降り積もった雪の表面が溶けたと考えられる。その上に、きのうから新しい雪が多く降り積もったため、古い雪と新しい雪の間にすべりやすい弱い面ができて、新たに積もった雪が崩れる『表層雪崩』が発生した可能性がある」と話しています。
そのうえで、詳しい原因については、現地調査をするなどして、さらに詳しく調べる必要があると話しています。

官邸危機管理センターで情報収集態勢を強化

菅官房長官は午前の記者会見で、「これまでに意識不明者が3名、連絡が取れない方が3名と報告を受けている。政府としては、官邸危機管理センターで情報収集態勢を強化するとともに、消防・警察が被災者の救命、援助などにあたっている」と述べました。

そのうえで菅官房長官は「引き続き被害情報の把握に努め、被災自治体と緊密に連携を図りながら、被災者の救命・救助を最優先に災害応急対策を行っていく」と述べました。