THAAD:韓国旅行制限で中国語ガイド3000人が「開店休業中」

 終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に反対する中国の韓国旅行制限措置が、韓国人の中国語観光ガイド(観光通訳案内士)を直撃している。韓国観光通訳案内士協会によると、現在仕事がなく、「開店休業」に追い込まれている中国語ガイドは約3000人にのぼると推定されるとのことだ。中国語ガイド計8000人のうち約40%が現在、失業状態にあるということだ。

 ガイドの一部は生計を立てるためアルバイトをしている。済州島で中国語ガイドをしているキムさん(52)は、仕事が月に1-2回に減ったため、先週から知人が経営する飲食店の調理場で働いている。

 中国語以外の外国語ができるガイドは「業種変更」した。日本語ガイドを10年以上務め、14年に中国語ガイドになったリュ・ヘギョンさん(51)=女性=は、先月から再び日本語ガイドをしている。リュさんは「昨年まではガイドの間で『日本は小当たり、中国は大当たり』とよく言われて、かなりの数の日本語ガイドが中国語ガイドになったが、結局は逆になった」と語った。

 通訳案内士試験合格を目指す人々が通う学校も表情は暗い。ソウル市中区にある世宗観光通訳ガイド学院の関係者は「中国語ガイドクラスの受講生は昨年1200人以上いたが、今では200人以下に急減した」と語った。韓国産業人材公団が主管する中国語ガイド試験の合格者は、中国人観光客の増加に伴い、2011年の370人から14年には2468人へと急増した。しかし、15年は中東呼吸器症候群(MERS=マース)発生で1963人、昨年はTHAAD配備問題の影響で1418人と減少している。今年は年に2回だった中国語ガイド試験が1回に減り、合格者も少なくなるものと見られる。ソウル市鍾路区にあるガイド養成学校関係者は「受講生がほとんどいないので、講師の給料もきちんと払えない状況だ」と語った。

イ・ジュヌ記者 , イ・ジョング記者
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