2017年3月26日22時58分
千葉県我孫子市で、ベトナム国籍の小学3年生、レェ・ティ・ニャット・リンさん(9)の遺体が見つかった事件で、近所の人たちからは悲痛な声が漏れた。
最悪の結末に、リンさんを知る近隣住民や学校関係者は肩を落とした。
「人なつっこくて、かわいらしい子だった。信じられない」
近所に住む女性(69)は悲痛な表情でそう話した。リンさんはベトナム人の両親と弟の4人暮らし。女性によると、父親は日本語が堪能だったが、母親はあまり話せないようだった。
昨夏、家の庭で栽培している野菜のことを聞くと、リンさんは「これベトナムの(野菜)」と笑顔で答えた。放課後には同じ年代の子がよく遊びに来ていたという。冬休みに一家でベトナムに帰省した際には、お土産を持ってきてくれた。AKB48の歌を上手に歌っていたという。女性は「無事に戻ってくることを願っていました」と悔やんだ。
近くに住む会社員の女性(68)は、弟の面倒をみるリンさんの姿をよく覚えている。リンさんは弟を自転車に座らせ、動かしてあげていた。昨冬、女性が孫を連れて歩いていると、リンさんが「あそぼ」と声をかけてきたこともあった。「本当にかわいい子だった。あの子でなければ、と思っていました」
松戸市教育委員会は26日夜に記者会見を開き、リンさんが通う市立六実第二小学校周辺の不審者情報は把握していない、と説明した。伊藤純一教育長は「誠に残念で悔しい。リンさんの命を奪った者を捜し出してほしい」と話した。同校で対応に追われた男性教諭は「廊下ですれ違った時には、『こんにちは』とあいさつを交わす子だった。残念で仕方ない」と語った。
遺体で見つかったレェ・ティ・ニャット・リンさん(9)の母親(30)のものとみられるフェイスブックには、25日にベトナム語でこう書き込みがあった。
「どこにいるの、どうか家に帰って来て! お母さんは本当につらい きのうから今もずっと どうか帰って来て つらくてたまらない」
だが、願いはかなわなかった。
千葉県我孫子市の北部。茨城県…
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朝日新聞社会部