新大統領令の差し止め認めず…バージニア連邦地裁
【ワシントン小泉大士】イスラム圏6カ国からの入国を一時禁止する新たな米大統領令について、南部バージニア州の連邦地裁は24日、差し止め請求を却下した。東部メリーランドとハワイの2州の連邦地裁がすでに大統領令の執行を停止する決定をしているため、差し止めの効力は今後も全土で継続される。
バージニア州の連邦地裁の判事は決定で、新たな大統領令が特定の宗教には言及していないことを指摘。「大統領の正当な権限行使を止めることはできない」として、原告の申し立てを退けた。
15日に差し止めを認める仮処分を出したハワイ州の連邦地裁は、大統領令について、憲法が定める信教の自由を侵害する「イスラム教徒差別」の恐れがあるとして違憲判断を下した。
トランプ政権は、大統領令の執行を停止したメリーランド州の仮処分命令を不服として上訴しており「必要なら最高裁まで争う」と宣言している。バージニア州の連邦地裁の判断を引き合いに出しながら、大統領令の「正当性」を主張することが予想される。