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【プロ野球】

ソフトバンク、松坂からノーノー!! 7イニング6K…2軍行きも存在感

2017年3月26日 紙面から

ソフトバンク−広島 7回表無死、小窪の打球を好捕した明石に笑顔を向ける松坂=ヤフオクドームで(吉澤敬太撮影)

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◇オープン戦 ソフトバンク1−0広島

 松坂、大変身の7イニング無安打投球−。右肩手術からの完全復活を期すソフトバンクの松坂大輔投手(36)が圧巻の投球を披露した。最速142キロながら7イニング無安打無失点の快投で、昨季セ・リーグ覇者の広島打線を黙らせた。松坂、五十嵐、サファテの3投手による無安打無得点リレーも完成。松坂は試合後、2軍合流が決まり、逆転開幕ローテ入りは逃したが、日本一返り咲きを目指すチームにとって怪物の快投は朗報だ。

    ◇

 ソフトバンクの松坂が変化球主体で7イニング無安打、2四球無失点とほぼ完璧。五十嵐−サファテの継投で無安打無失点。オープン戦初出場の内川と新加入デスパイネがともに1安打。広島は岡田が好投した。

    ◇

 今、持てる力は全て出し切った。昨季セ・リーグ覇者に対し、7イニングを無安打無失点。それは剛速球で圧倒するかつての姿ではない。松坂の打たせて取る新たなスタイルに光が差した。

 「最後の最後でいい形、内容が出て良かった」

 ツーシームやカットボールを駆使。打者の手元でボールを動かした。最速は142キロ。102球のうち140キロ台を計測したのはわずかに6球のみでも凡打の山を築いた。野手の好守にも助けられたが、5回2死からイニングをまたいで4者連続三振も奪った。

 「自分の中ではずっとこういう形でやってきたいと思っていた。最後の最後に表に出た」。右内転筋の張りで緊急降板した18日の西武戦(メットライフドーム)で手応えはつかんでいた。「途中で降板したけど、きっかけになりそうなボールはあった」。剛から柔へ。新しい松坂への“変身”が実を結んだ。

 この姿に工藤監督は「これからへの期待をさせくれた。新しい投球スタイルもできたと思う」と賛辞を贈った。ただ、開幕まで1週間を切り、遅すぎるアピール。試合後、開幕ローテからは外れることを通告された。指揮官は「オープン戦全てを総合的に考えた」と説明。23日に好投した摂津とともに松坂は2軍調整が決まり、和田、中田、東浜、バンデンハーク、武田、千賀と開幕ローテの陣容が定まった。

 ノーヒットの快投を演じながら開幕ローテ入りを逃した松坂に桜は咲かなかったが「試合前から分かっていたし、先につながるように投げた」と冷静に受け止めた。

 3年続けての開幕2軍は決まったが、「ニュー松坂」を見せつけ、確かな存在感を示した。「継続していく。それしかないですね」。シーズンは長い。再び1軍のマウンドに帰ってくることだけを信じ、今度は満開の花を咲かせる。(小畑大悟)

 

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