トップ > 福井 > 3月26日の記事一覧 > 記事

ここから本文

福井

なぜ冬の日本海に? 高浜の漁師、クロウミガメ保護

定置網に入っていたクロウミガメ(右)。アオウミガメ(左)と比べ、甲羅がとがっているのが分かる=坂井市の越前松島水族館で

写真

 坂井市三国町崎の越前松島水族館は二十五日、高浜町沖で定置網に掛かって保護されたクロウミガメを報道陣に公開した。メキシコの東部や東太平洋沿岸が生息域とされ、同館によると、日本海側での確認例は初めてという。回復具合などを観察し、六月の一般公開を目指す。

 高浜町小黒飯の漁師野口久之さん(70)、裕司さん(39)が十四日朝、沖合百メートルに仕掛けた定置網の中で見つけた。この時期の海水温は低く、放流しても衰弱するため、同館が保護。沖縄美(ちゅ)ら海(うみ)水族館に写真を送り、クロウミガメと分かった。アオウミガメと似ているが、甲羅の後端がそげたように細く、腹部が全体的に黒っぽい。

 甲長六〇センチで体重三五キロ。尻尾の形状から雌と推測される。現在、越前松島水族館の大水槽でアオウミガメやアカウミガメと同居。イカナゴやサバなどを食べ、時折浮き上がって仲間を追い掛けるまで元気になった。

 稲木明浩副館長は「沖縄や奄美周辺で三十ほどの発見例があるとは聞いたが、なぜ冬季の日本海に」と不思議がる。保護されたカメの甲羅はこけに覆われ、海水面を漂っていた時期があったとみられる。夏には南方から移動してきたアオウミガメやアカウミガメが福井沖で発見されることもあるが、今回はルートの見当もつかないという。

 クロウミガメを飼育し展示しているのは沖縄美ら海水族館、神戸市立須磨海浜水族園、南知多ビーチランド(愛知県)のみ。

 (北原愛)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索